秦が亡びた後、楚王項羽と漢王劉邦が覇権を争っていた。
長い戦いの末、項羽は垓下と云う町に追い詰められた。
項羽の軍は垓下に立てこもった。
兵も少なくなり、食糧も尽きた。
漢軍と諸侯の軍が幾重にもこれを取り囲んでいた。
夜になって、項羽は四方の漢軍がみな楚の歌を歌うのを聞き、
驚いて言った。
「漢は、すでに楚の土地をすべて手に入れたのか。
何と、楚国の者が多いことか」
項羽は起き出して、帳の中で酒を飲み始めた。
一人の寵姫がいた。名を虞と言う。
項羽に愛され、常に付き従っていた。
駿馬がいた。名は騅。いつもこれに乗っていた。
項羽は悲しみ憤りながら歌った。
私の力は山を抜きとり、気力は世を覆う。
しかし、時勢に利はなく、騅も進まない。
騅が進まねば、どうすればよい。
虞姫よ、虞姫よ、お前をどうしたものか。
繰り返し歌い、虞姫もまたこれに合わせて歌った。
項羽はハラハラと涙を流した。
側に仕える者もみな涙し、顔を上げることができなかった。
周囲すべてが敵であること。
四方を敵に囲まれ孤立無援な状態の喩え。
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草木が芽吹くには若干早いけれど、今日は朝から長閑でゆったりとした気分で居られます。
こんな時だからちょっとした良いアイデアが浮かんで来るんですよッ。(*^冂^*)b