あのヒトラーが第2次世界大戦で占星術師を重用してたのは有名な話だが、彼に最も信頼されていた占星術師がカール・エルンスト・クラフトだった。大学で統計学を学んだクラフトは、その知識を生かして独自の占星術を確立。
1939年にヒトラーのホロスコープを作成し、彼に暗殺の危機が迫っていることを悟った。
すぐさま国家保安局に警告を発したものの、当然ながら当局はこれを無視する。
しかし、彼の予言は的中し、逆に暗殺事件への関与を疑われる始末だった。
ところがこれが縁でクラフトはヒトラーの御用占星術師となる。
やがて彼は、ナチスの宣伝相ゲッベルスから、占星術を利用し、ドイツに都合の良いプロパガンダを行なう様に指示を受けた。
当初はそれに従っていたクラフトだったが、次第にナチスと距離を置き始め、寧ろ戦争を終結させる方向へと進み始める。
だが、こうした裏切りにナチスが黙っているはずがない。1
945年、クラフトは強制収容所に入れられ、栄養失調で死亡してしまったのだ。
世が世なら、彼の才能は正しく利用され、人々を救っていたかも知れない。
彼もまた時代に翻弄された「悲劇の男」の一人だと謂える。
(画像 カール・E・クラフト)
世界と日本の怪人物FILE
神の言葉を取り次ぎ未来を見透した予言者たち