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Mayumiの日々綴る暮らしと歴史の話

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◆円周率を発見した偉大な学者 ローマ軍に大苦戦を強いた数学者アルキメデスの超兵器

2019-10-21 04:48:14 | Weblog

 

円周率や浮力の原理、梃子の原理などに偉大な功績を残した数学者のアルキメデスは、紀元前287年に地中海のシチリア島の都市シラクサで生まれた。
その名を聞いて多くの人が思い浮かべるのは学者としての姿であろうが、彼にはもう一つ、兵器開発者としての顔がある。アルキメデスは故国シラクサの為に数々の兵器を開発した人物でもあるのだ。而もその兵器が、地中海制覇を目指すローマ軍を散々苦しめたという。いったいそれは、どんな兵器だったのだろう。 シラクサは、シチリア島の東岸に位置し、ローマとカルタゴが戦った第2次ポエニ戦争に於いてカルタゴ側についた。その為紀元前214年、ローマ軍に海上から包囲されてしまう。ローマ軍はマルケルス率いる大軍で5段櫂船(3本の櫂を上段2人、中段2人、下段1人で漕ぐ船)68隻を有し、陸上と海上両方から攻撃を開始した。

*天才数学者は、兵器の開発にも才能を発揮  
ここで大活躍をしたのが、アルキメデスによって開発された超兵器の数々である。
先ずシラクサ軍は、攻め寄せるローマ軍に対し「アルキメデスのクレーン」と呼ばれる超重機を海側の城壁の上に据えて迎撃したという。これは梃子の原理を応用した兵器で、可動式のクレーンの先端につけた鉤爪を、敵の艦船の船首に引っ掛けると、滑車を使って高く持ち上げ、海面や地面に叩きつけるというものである。 またシラクサ軍は、同じ仕組みで巨石や鉛の塊を持ち上げ、それを敵艦、及び陸側の敵兵めがけて投げ飛ばした。巨石や鉛の塊は、船を粉砕して兵を押しつぶした為、被害の大きさにローマ軍を率いるマルケルスは、「我らの軍船を盃に、海水を汲み出している」と歯噛みしたという。 アルキメデスの発明は、味方の損害を減らすことにも貢献した。それが「アルキメデスのスクリュー」である。円筒の中で螺旋状の板を回転させ、船内に溜まった水を汲み出して排出するもので、これにより味方の船は浸水による沈没を免れるようになった。

*太陽光で敵船を焼き払うことが出来たのか  
彼が開発した兵器の中には、太陽の熱を利用し敵船や敵陣を焼き払うという、SF映画さながらのソーラー兵器があったとされる。これは巨大な凸面鏡に太陽光を集め、敵船に向けて照射して焼き払うもので、後代の書物にアルキメデスについての伝承として登場する。
だが敵船を焼く為には、凸面鏡を精密な角度で配置しなくてはならない。古くから多くの学者が再現を試み、果して実現可能なのか、長らく議論の的となって来た。18世紀の博物学者ビュフォン伯ジョルジュ・ルイ・ルクレールは、15×20㌢の鏡128枚を使って、45㍍先の木片に点火することに成功した。しかし現代の科学を以てしても、この方法で敵艦に火をつけるには長い時間がかかるし、その間、軍船がジッとしているはずもない。兵器としての実用性はなかったと考えられる。敵船に火を放ちたいなら、火矢を飛ばした方が簡単なのである。

*死の瞬間まで研究に埋没していたアルキメデス  
アルキメデスの兵器のお陰か、その後シラクサはローマ軍の攻撃を2年半に渡って持ち堪えた。しかし紀元前212年、マルケルスが守備の兵の隙を突いて味方の兵を城壁の内側に侵入させたことで決着がついた。城門が内側から開けられて、ローマ兵がシラクサの街に乱入したのである。 この時アルキメデスは、地面に図形を描いて幾何の研究をしていたが、踏み込んで来たローマ兵の足がそれにかかったので、「私の図形を乱すな」と一喝したところ、怒ったローマ兵に殺されたという。こうしてローマ軍を苦しめた超兵器の実態は、アルキメデスの死と共に永遠の謎となってしまった。

       
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