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Mayumiの日々綴る暮らしと歴史の話

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清少納言「枕草子」第一八八段

2020-02-27 04:01:01 | Weblog


ヤブツバキ系 紅卜伴


ヤブツバキ系 白卜伴

ふと心劣りとかするものは、
男も女も、言葉の文字卑しう遣ひたるこそ、
よろづのことよりまさりて、わろけれ。ただ文字一つに、
あやしう貴にも卑しうもなるは、いかなるにかあらむ。
さるは、かう思う人、殊に優れてもあらじかし、
いづれをよしあしと知るにかは。されど、人をば知らじ、
ただ、心地にさおぼゆるなり。
卑しきことも、わろきことも、さと知りながらことさらに言ひたるは、
あしうもあらず、我がもてつけたるを、慎みなく言ひたるは、
あさましきわざなり。
また、さもあるまじき老いたる人・男などの、わざと繕ひ、鄙びたるは、
憎し。
まさなきことも、あやしきことも、大人なるはまのもなく言ひたるを、
若き人はいみじうかたはらいたきことに消え入りたるこそ、
さるべきことなれ。




「幻滅するもの」
とたんに幻滅するものは、男も女も、言葉遣いの卑しいの。
何もまして良くない。
言い方一つで不思議に、上品にも下品にもなるのはどうしてだろうか。
とは云え、こう云う私も、格別人に優れてはいない。
何を基準に良い悪いと判断しようか。
しかし、人はどう思うか知らないが、ただ私はそう感じるのだ。
下品な言葉も見っとも無い言葉も、そうと知りながらわざと言うのは、
(必ずしも)悪くはない。
普段使い付けた言葉を隠しもせずに言うのは、厭きれたことだ。
また、そんなことをすべきでない年長者や男性がわざと田舎びた言葉遣いをするのは厭らしい。
若い女房が決まり悪く消え入りそうに思うのも尤もだ。


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