岐阜駅のタクシー駐車場が満杯。動いている車はない。
運転手さんたちが車から降りて雑談しているらしい。
「暇だねぇ」 「いつまでこんなことが続くんだろう」
「売り上げがなくて、情けない」 「ガソリン代も出ないよ」
妄想がひろがる。
「東京じゃあ 大変なことになってるらしい」 「岐阜はまだましだ」
「こんなとこにいても仕方ないのか」 「どこ行っても一緒さ」
「そういえば S社の I君、最近見ないね」 「コロナかな」
「いやいや、そうじゃないよ。バイトしてるって聞いたよ」
「そっか、大変だね」 「何時かな」 「そろそろ帰るか」
実際はもっといい話をしているに違いない。世相が暗い妄想を誘う。