移動中、車窓から見えるもののトップは 雲。
自分が止まっていると雲が動いていくけれど、車窓の雲を列車が追い抜いていく。
どんどん形の変わる雲を見ていると、上空の激しい動きを感じる。
「雲の上」にはいいものがあるような、「雲上人」は素晴らしい人のような・・・
神も仏も天から地上を見ている。死後の楽園は雲の上にあると聞いている。
実際のところ、雲の上はたえず激しい気流の動きがある。
雲上人は風を避けながら歩いているのか。それとも風に乗っているのかも。
蓮にのってくる観音さんも、風に蓮の花びらをひらめかせているのか。
下界は地面に張り付いた空気層でしっかり守られている。ときどきそれを吹き飛ばすのが台風。
台風に驚いている下界の様子に、雲上人は首をかしげているかもしれない。
そんなこんな、あることないことを思い巡らせながら、旅は続く。