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心象風景 絵描きブログ

美術のこと、旅のこと、いろいろを心象風景を描くようにつづる絵描きの雑記。

「ヨ」と「二ム」は兄弟

2020-03-26 22:13:22 | 旅行

「嘘みたいに奇麗」って、つい言いたくなる。

新幹線で熱海を過ぎると、そろそろかな とカメラを構える。

それまで雲の塊は見えてはいたけれど、雲の動きは瞬時に変わる。

トンネルを抜け、竹林を見送り、稜線の上に目を配る。

雲がもりもりしていて、富士山の姿は見えなかった。

一瞬、あっ! 雲の中に何かある! かすかに鋭い白い線。

嬉しくて、何度もシャッターを押した。

「雲」と「雪」が交互にうごめいて、眼を凝らさないと見失う。

その時、他愛もないなぞなぞが思い浮かんだ。

「ヨ」も「二ム」も被るもの なーんだ?

もちろん答えは「雨」。そうさ、雪も雲も兄弟なのさ。 


秀景

2020-03-04 22:31:48 | 旅行

こんな富士山もいい。雲に紛れたうっすら富士。

柔らかい光とうつろな影。まるで存在自体の意図するもののよう。

地学的、科学的、物理的などなど 理解の手法はある。

それを超えて、対象を自らの感情に沿うように理解しようとする。

それが正しいとか正しくないとかでなく、もはや好き嫌いの域。

くっきりすっきりも好きだし、もんやりぼんやりも好き。

つまり、この山の存在そのものに惹かれている。

そしてそれは記憶のかけらでかたちづくられたもの。

たまたま共感する人が多いと、名・秀・逸などの冠詞がつくのかな。

共感を得られるものと心事て「秀景」としよう。


圧巻の富士山

2020-02-02 22:09:23 | 旅行

久しぶりに「大富士」に出会った。

霞がかかっても、雲に隠れても、シルエットになっても・・・

それぞれ美しいと思っていたが、やはり晴天の富士は別格だった。

今年は雪は少なめ。それはそれで力強いじゃないか!

新幹線の窓に張り付いて、ずうっと見続けた。

女性車掌のアナウンスもあった。多くの旅人が堪能したに違いない。

眠りこけてなくてよかったー


雪の道

2020-01-08 23:08:47 | 旅行

雪の降りやんだのは夜更けの始まり。雪の反射でかすかに見える。

静かな夜の始まりが美しい。

このままじっと雪の光を見ていたい。まるで雪に恋をしているよう。

妄想の恋の相手はひややかで、静かで、りりしいばかり。

触れればいなくなる。音はしても声は聞こえない。

どこで出会えるかもわからない。その神秘がいい。

寒さは苦手でも雪は別物。雪に会いに、わざわざ出かける。

出会えることもあれば、無駄足になることも。

危険もある。実際、雪の中に落ちたこともある。

臆病も、このときばかりは影をひそめる。いつもと違う自分に酔う。


連結部分

2019-12-28 23:35:32 | 旅行

列車の連結部分には、何かの刺激がある。

揺れ方が複雑。走行音が大きい。列車が走っている実感が大きい。

通ることはできるけど、そこに立ち止まることは禁止されている。

だから、そのぎりぎりの場所に立って、走行感を味わう。

カーブにさしかかると蛇腹が大きく動く。生き物のよう。

巨大な生き物、蛇のお腹の中にいるような気持ちになる。

どんな場所を移動しているのだろう。どこへ行くんだろう。

列車の振動はレールとの接触次第。レールの継ぎ目でゴトンゴトンゴトン。

速く走るとゴトゴトゴトゴト。もっと速くなると音がなくなる。

その瞬間が不思議な気持ちになる。宙にういたような感じだ。

銀河鉄道の離陸感覚。連結部にはけっこうな風が吹きこむ。

蛇腹は激しく小刻みに揺れる。わたり板はカタカタ。最もおいしい瞬間だ。