続けざまに読んでしまった。
前回、『死神の精度』で伊坂氏の文体と織りなす世界に引き込まれてしまい、どうにも我慢できなかったのだ。
この『オーデュボンの祈り』、ぼくは苦々しく読んだ。ある登場人物に対し、あまりにも腹が立ってしまい、冷静に読み進むことができなかったからだ。小説のなかに対して腹を立ててもどうしようもないのはわかっている。それだけ伊坂氏の作り出した世界に引き込まれているということなのかもしれないが、翻弄されるのは悔しいのだ。
なんとかに似ている、という感想を持つことは失礼にあたるのかもしれないが、この本を読み進むうち、ぼくは非常に似通った小説を読んだことがあるような気がしてならなかった。なんだろう、なんだろう、と頭の隅で考えながら読み終え、その瞬間にひらめいた。村上春樹氏の「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」に似ている。
冷静に考えると似ている個所はないのかもしれないが、その時のぼくの頭にはそれが浮かんできたのだ。
現実と似ていて、でも現実ではなくて、二つの世界は徐々に近づいていく。
交差した時、物語は終焉を迎える。その後は描かれることはなく読者は余韻に浸ることができる。
きっと、もう少し寝かせてから読み返すと、また違う発見があるだろう。そう思える。そして、そう思える本は名作だと思う。
その後、ぼくはどうしたか。
いても経ってもいられずに、「重力ピエロ」を購入してきたのであった。
前回、『死神の精度』で伊坂氏の文体と織りなす世界に引き込まれてしまい、どうにも我慢できなかったのだ。
この『オーデュボンの祈り』、ぼくは苦々しく読んだ。ある登場人物に対し、あまりにも腹が立ってしまい、冷静に読み進むことができなかったからだ。小説のなかに対して腹を立ててもどうしようもないのはわかっている。それだけ伊坂氏の作り出した世界に引き込まれているということなのかもしれないが、翻弄されるのは悔しいのだ。
なんとかに似ている、という感想を持つことは失礼にあたるのかもしれないが、この本を読み進むうち、ぼくは非常に似通った小説を読んだことがあるような気がしてならなかった。なんだろう、なんだろう、と頭の隅で考えながら読み終え、その瞬間にひらめいた。村上春樹氏の「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」に似ている。
冷静に考えると似ている個所はないのかもしれないが、その時のぼくの頭にはそれが浮かんできたのだ。
現実と似ていて、でも現実ではなくて、二つの世界は徐々に近づいていく。
交差した時、物語は終焉を迎える。その後は描かれることはなく読者は余韻に浸ることができる。
きっと、もう少し寝かせてから読み返すと、また違う発見があるだろう。そう思える。そして、そう思える本は名作だと思う。
その後、ぼくはどうしたか。
いても経ってもいられずに、「重力ピエロ」を購入してきたのであった。