本日の音楽鑑賞会、初めてアルヴォ・ベルト(1935~)というエストニア出身の作曲家の曲を聴いた。「ヨハネ受難曲」(1982)のごく一部であった。グレゴリオ聖歌の朗誦形式で、ヨハネによる福音書に基づいた曲。
グレゴリオ聖歌そのものといった朗誦的な旋律に、オーボエやファゴットなどの旋律がかさなり、印象的であった。特に高音のオーボエの旋律はしばらく耳を離れなかった。
解体した新古典主義からシェーンベルクの影響まで受け、旧ソヴィエトの支配と作曲活動の行き詰まり、新たな展開など興味深い経歴を持っているらしい。作曲家の内発的な行き詰まりと、政治による圧力が複雑な相互作用があったと思われる。
解明することは難しいかもしれないが、いくつかの曲は聴いてみたい気もする。ネットで調べたら、「スターバト・マーテル」は多くの作者がいるが、ベルトも作っていた。その曲も聴いてみたい。
同時に聞いた曲は、ラプソデムィー・イン・ブルー。まったく印象の異なる曲でこれも楽しかった。
それぞれの時代も考えるなど、良い刺激を受けた鑑賞会であった。