Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

台風15号と低気圧

2013年08月29日 23時39分49秒 | 日記風&ささやかな思索・批評
 先ほどから天気予報、台風情報に釘付け。仙台の31日・1日の天気がとても気になる。しかしなかなか31日以降の予報を報道しない。あまり確定的なことを言うわけにもいかないようだ。刻々と台風の動き、低気圧の動きにあわせて変わるのはわかるので、いらいらしてもしょうがないとは思う。
 しかし一部の局では、31日は東北地方の日本海側は大雨の良そうだが、太平洋側は雨とはなっていなかった。翌1日もどうにか雨にはならないような予報図が一回だけ映し出された。それが信用できる情報とは思えないが、その可能性に期待をかけることにしよう。

 明日は関東地方は猛暑復活とのこと。昼前に酷暑の東京を抜け出して新幹線に乗ってしまいたいが、かといってそんなに早く行ってもしょうがない。

 2日の盛岡、八幡平はとても無理かもしれない。


中井久夫「「昭和」を送る」

2013年08月29日 17時43分16秒 | 読書
 「時には本の話でも・・・」のブログで教えてもらった精神医学者の中井久夫氏の著作、随分読んだ。専門書と訳書、現代のギリシャ詩人の翻訳詩集以外のエッセイ集はほぼ読んでいる。なかなかいい文章である。特に医師と患者の思いをどのようにつなげるか、いろいろな場面をとらえて柔軟に、そして自らの体験を貴重なよりどころとして思考している。
 病院という建物を作る時に関わったレイアウトへのこだわり、自らの生い立ちに絡むエッセイ等々、私の固い頭を柔軟にしてくれる。人を送る弔辞にもひかれる。
 1970年代の精神医療の世界を席巻した紛争、あの時代のことについては口は重いのだが、極めて否定的である。それは私などは直接関係はしていないが、その当時の空気を反対の側で吸っていた人間としては、本当のところの気持ちを語ってもらいたいと思っている。また天皇制などに対する言及も私などとは正反対だが、それはそれとして私には刺激的な著作である。そういった意味でもこの本におさめられた本の表題にもなっている「「昭和」を送る」は面白いかもしれない。天皇制へのアプローチとなる文献になるような気がする。

 さて、迂闊なことに新しいエッセイ集が出たことを知らなかった。みすず書房から出されているエッセイ集のひとつだ。今年5月に出版されていたのに、みすず書房の新刊案内は送られてくるがよく読みもしないで廃棄してしまっていた。
 昨日の「時には本の話でも・・・」のブログで発刊のことが触れられており、早速購入した。
 「「昭和」を送る」という題名。確かにみすず書房の本は高い。3150円也はやはり財布に優しくない。それでも購入するというのはそれだけ思いいれが強いということ。
 早速喫茶店で読んでみた。初っ端からある脳代謝循環改善剤という薬の処方の話し。はっきりいって医師でなければ放り出しそうな題であるが、それが引き込まれて読んでしまう。私なりの理系の頭にはその論理立てが実に心地よく響いてくる。
 実はもう一冊、ちくま学芸文庫からも中井久夫コレクションの5冊目「私の「本の世界」」も3月に出版されていた。こちらは本日有隣堂の文庫本売り場では棚にはなかった。明日から仙台に行くのに、新幹線の中で読む文庫本にはもってこいと思ったのだが‥。
 中井久夫氏も来年で80歳という大台にのる。刺激のある文章をながく書き続けてもらいたいと思う。