shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

久しぶりの筑波山ハイキング

2024-05-16 05:30:49 | 山行・旅行
5月15日、久しぶりに筑波山を歩いて来た。


薬王院コースの登山者用駐車場からスタートし、女体山(標高877m)、男体山(同871m)を廻って同じ登山口へ下山した。
また今回は登りの途中に意図的にコースを外れて、男の川の源流部(バリエーションルート)を覗いてきた。
距離7.5km、累積標高差825m、時間4時間54分(うち休憩50分)だった。

ここからスタート。


長く続く木段は何度来てもしんどい。
 

 

女体山御本殿に参拝。


男体山御本殿に参拝。


自然研究路で観た植物。
 
ニリンソウ(キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草)の群落と名残のニリンソウ。既に葉が黄色くなっているものが多かった。

 
ユキザサ(ユリ科マイヅルソウ属の多年草)。

 
エンレイソウ(シュロソウ科エンレイソウ属の多年草)。

 
ギンリョウソウ(ツツジ科ギンリョウソウ属の多年草)。たくさん観られた。


ヤマブキソウ(ケシ科ヤマブキソウ属の多年草)だろうか。


オトコヨウゾメ(ガマズミ科ガマズミ属の落葉低木)だろうか。
 
ウツギ(アジサイ科ウツギ属の落葉低木)の仲間だろうか? (なつみかんさんからヒメウツギを示唆されました。)

 
ヤマツツジ(ツツジ科ツツジ属の半落葉低木)。

持参したカメラの調子が悪くて残念だった。
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

満開のシャクナゲ 富士写ヶ岳ハイキング

2024-05-04 05:30:00 | 山行・旅行
律令制の時代の後期に越前国から加賀国が分割され、手取川以北の加賀郡と手取川以南の江沼郡の二つの行政区が敷かれた。
江沼の名は、大聖寺川(だいしょうじがわ)・梯川(かけはしがわ)・動橋川(いぶりはしがわ)の川を意味する江と、柴山潟・木場潟・今江潟の沼から付けられた。
江沼郡は後に北部が能美郡として分割され、江戸時代においては全域が大聖寺藩領となり、その中心地は大聖寺(現加賀市大聖寺町)であった。

大聖寺から一同に眺めることができる大日山(標高1368m)、富士写ヶ岳(同942m)、鞍掛山(同478m)を江沼三山と呼び、いずれもハイカーに人気がある。
特に富士写ヶ岳は、作家で登山家の深田久弥氏が登山好きとなるきっかけの山であり、日本百名山の愛好家からは「原点の山」「ゼロ番目の百名山」と呼ばれている。そのため地元のハイカーだけでなく、全国の百名山ファンが足を運んでいる山である。

富士写ヶ岳の遠景。(写真をクリックすると大きくなります。)


前置きが長くなったが、シャクナゲが満開の4月後半に富士写ヶ岳を登ってきたので、その様子をご覧いただきたいと思う。(地図をクリックすると大きくなります。)


登山口に立派な看板が設置されていた。ダム湖に架かる吊り橋を渡っていく。
 

吊り橋を渡り終えると、いく種かの山野草が出迎えてくれた。
(左)ホクリクネコノメ(ユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草)。(右)サワハコベ(ナデシコ科ハコベ属の多年草)。
 

(左)ムラサキケマン(ケシ科キケマン属の越年草)。 (右)サギゴケ(別名ムラサキサキゴケ、サギゴケ科サギゴケ属の多年草)。
 

数十メートル歩いて、ここからダム湖畔を離れて山に入る。いきなり急登だ。


同じ時期に登った荒島岳ほど花は多くない。しかし所々で観られる花が癒やしとなる。ニョイスミレ(スミレ科スミレ属の多年草)。
 

ユキザサ(ユリ科マイヅルソウ属の多年草)。
 

こちらは樹木の花で、ツクバネウツギ(衝羽根空木、スイカズラ科ツクバネウツギ属の落葉低木)のようだった。


再びニョイスミレ。影絵でミッキーマウスを映した。


ガマズミ(スイカズラ科ガマズミ属の落葉高木)の花が咲いていた。
ガマズミとコバノガマズミの違いは葉柄の長さで分かる。ガマズミの葉柄は1cm以上ある。この写真でお分かりだろうか。


ツバキの仲間もまだ咲いていた。北陸ではユキツバキも観られるが、これは鋸歯が鈍く細かいのでヤブツバキ(ツバキ科ツバキ属の常緑高木)のように思えた。


蘂がきれいなこの花はウワミズザクラ(バラ科サクラ属の落葉高木)だと思う。この花を観ながら1回目の休憩を取った。




ここから再び急登となる。足元にカンアオイの仲間を見つけた。花は観られなかった。


薄紫色のスミレはオオタチツボスミレ(スミレ科スミレ属の多年草)のようだった。荒島岳で観たようなスミレ類の大きな群落は観なかった。
 

ここで再びユキザサの群落を観た。


(左)この特徴のある樹皮はナツツバキ(ツバキ科ナツツバキ属の落葉小高木)のように見えた。(右)ナツツバキの3本の幹の間からヤマモミジ(カエデ科カエデ属の落葉高木)の葉が広がっていた。
 

チゴユリ(イヌサフラン科チゴユリ属の多年草)を見つけた。


ようやく中間地点に到着。ずいぶん時間がかかってしまった。


ミツバツツジの仲間が現れた。北陸で観られるミツバツツジの仲間はユキグニミツバツツジ(ツツジ科ツツジ属の落葉低木)で、雄しべは10個ある。
ユキグニミツバツツジはさらに標高が高いところでも観られた。




さらに進むとお待ちかねのシャクナゲが現れた。この山で観られるのはホンシャクナゲだ。本州の新潟県西部以西と四国山地に分布する。
花がきれいなものを選んで写真を撮った。
今年はシャクナゲが裏年に当たるらしい。それでもたくさん咲いていた。表年にはさらに花数が多いようなので、また行ってみたいと思う。














ホンシャクナゲは枝先にまとまって花をつける。このつぼみでは花数は8つあった。


シャクナゲの群落に見惚れていたが、足元にきれいなスミレの仲間が咲いていた。タチツボスミレの仲間のように思うがよく分からない。




こちらはさらに登ったところで観たスミレの仲間。


トクワカソウ(イワウメ科イワウチワ属の多年草)がまだ咲いていた。




ブナの森を歩いて行く。早春の積雪期にはどこでも歩ける場所だ。山頂まではもうすぐだ。


(左)タムシバ(モクレン科モクレンの落葉高木または低木)。(右)ムシカリ(ガマズミ科ガマズミ属の落葉低木または小高木)。
 

11時10分に山頂に到着した。コースタイムが2時間20分のところを2時間48分もかかってしまった。


山頂からかろうじて白山を眺めることができた。


山頂から少し南へ下った所に日陰を見つけ休憩した。
下りも同じ我谷コースを歩いて13時17分に下山した。下山中にも写真を撮ったので、幾枚かをご覧いただきたい。
クイズではないが、植物の名前を写真の後に書いたので、お楽しみいただければと思う。


ムシカリ、別名オオカメノキ。


ツルシキミ、別名ツルミヤマシキミの果実。


ツルシキミ。幹の基部が地上を這うのが特徴で、葉や花、果実などはミヤマシキミとほぼ同じ。


スミレの仲間。


タムシバ。


ホンシャクナゲ。


ユキグニミツバツツジ。


ユキザサ。


ガマズミ。


ヤマツツジ。


ヘビイチゴ(バラ科キジムシロ属の多年草)。

シャクナゲ満開の富士写ヶ岳ハイキング(完)
コメント (15)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

荒島岳で白山とイワウチワを観たの記(その③)

2024-05-02 06:26:17 | 山行・旅行
この記事は、荒島岳で白山とイワウチワを観たの記(その②)の続きです。
荒島岳の地図と登山ルートは下記をクリックするとご覧になれます。


シャクナゲ平で勝原(かどはら)コースと合流し、荒島岳へ向かう。さらに佐間コースが合流すると、その先にもちが壁という急登となる。急登ではあるが距離が短いのでゆっくり歩けば問題ない。
途中白山がよく見えた。


シャクナゲ平ではまだ蕾が固かったシャクナゲだが、ここでは開き始めた花が見えた。陽当りがよいからだろう。
この山で観られるシャクナゲはホンシャクナゲ(ツツジ科ツツジ属の常緑低木)だ。花の特徴として花冠が7裂するが、まだ開ききっていないので分からない。
 

もちが壁の急坂を登りながら、白山の写真を何枚か撮った。ちょっとした休憩になった。写真はいずれもさほど変わらない構図だが、ともかく白山がきれいだった。




咲き始めたばかりのムシカリ(ガマズミ科ガマズミ属の落葉低木または小高木)。


まだカタクリ(ユリ科カタクリ属の多年草)が咲いていた。


トクワカソウ(イワウメ科イワウチワ属の多年草)とショウジョウバカマ(メランチウム科ショウジョウバカマ属の多年草)が並んで咲いていた。


こちらではカタクリとショウジョウバカマ、さらにショウジョウバカマとトクワカソウ。
 

トクワカソウ(フラッシュ撮影)。


山頂近くから観た白山。


11時7分に山頂に到着した。山頂直下にまだ雪が残っていた。
大勢のハイカーが山頂を囲むようにして休んでいた。運良く木陰に場所を見つけて休憩した。
山頂から御嶽山、乗鞍岳、穂高連峰が見えていた。写真を撮ったが霞んでいたので、載せるのは止めにしよう。
 

20分ほど休憩して下山についた。下山中もカメラを首から肩にかけて、花の写真を撮った。
オオバキスミレ(スミレ科スミレ属の多年草)だろうか。


登りで観たときは花が閉じていたミヤマカタバミ(カタバミ科カタバミ属の多年草)は、どれも開いていた。






可愛いショウジョウバカマ。


イワナシ(ツツジ科イワナシ属の常緑小低木)。


トクワカソウ。




エチゴツルキジムシロ(バラ科キジムシロ属の多年草)だろうか。
ウィキペディアによると、エチゴツルキジムシロは、本州の秋田県、山形県、新潟県、富山県、石川県、福井県、京都府、兵庫県にかけた日本海側に分布し、山地のやや日当たりの良い斜面などに生育する。愛知県、岐阜県にも分布する。




キクザキイチゲ(キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草)が咲いていた。


ミヤマスミレ(スミレ科スミレ属の多年草)。


ハルトラノオ(タデ科イブキトラノオ属の多年草)。


ヤマエンゴサク(ケシ科キケマン属の多年草)。


青花のキクザキイチゲが2ヶ所で観られた。




オオタチツボスミレ(スミレ科スミレ属の多年草)。


ニョイスミレ(スミレ科スミレ属の多年草)。




ニリンソウ(キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草)を撮り終えて、ようやくカメラをザックにしまうことができた。










15時19分にクルマを駐めておいた場所に着いた。周りのクルマの数がずいぶん減っていた。

荒島岳で白山とイワウチワを観たの記(完)

撮影:2024/04/28
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

荒島岳で白山とイワウチワを観たの記(その②)

2024-05-01 05:30:14 | 山行・旅行
この記事は、荒島岳で白山とイワウチワを観たの記(その①)の続きです。
荒島岳の地図と登山ルートは下記をクリックするとご覧になれます。


小荒島岳から荒島岳へ向かう道は、シャクナゲ平までは緩やかな勾配が続く。
その間にショウジョウバカマ、イワナシ、そしてイワウチワとトクワカソウがたくさん観られた。

ショウジョウバカマ(メランチウム科ショウジョウバカマ属の多年草)。




イワナシ(ツツジ科イワナシ属の常緑小低木)。




林床に広がるトクワカソウ(イワウメ科イワウチワ属の多年草)の群落。


こちらはイワウチワ(イワウメ科イワウチワ属の多年草)とトクワカソウが混じった群落。
あらためて書くと、イワウチワとトクワカソウは花の形はまったく同じで、イワウチワは葉の基部がくびれているのに対して、トクワカソウは円形に近い形をしている。


イワウチワ/トクワカソウ。












登山道に腹ばいになったりして、たくさん撮った(下の2枚はフラッシュ撮影)。




次はフラッシュなしで撮影。










ここまで観てきた中で、トクワカソウの数に比べてイワウチワの数が少なかった。




次の3枚は腹ばいになって撮ったもの。だいぶこの花を撮るのに慣れてきた。






シジュウカラが大きな虫を咥えていた。子育て真っ最中のようだった。


ブナの森もこの時期はまだ明るい。


林床まで光が差していた。


樹々の間から白山が見えていた。


ムシカリ(別名オオカメノキ、ガマズミ科ガマズミ属の落葉低木または落葉小高木)。


タムシバ(モクレン科モクレン属の落葉高木または低木)。


今回は小荒島岳からシャクナゲ平までの様子をご覧いただいた。この間のコースタイムは20分だが、34分もかかってしまった。
次回はシャクナゲ平から荒島岳山頂までの様子と、下山時に撮った花の写真をご覧いただきたい。

荒島岳で白山とイワウチワを観たの記(その③) に続く。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

荒島岳で白山とイワウチワを観たの記(その①)

2024-04-30 07:39:57 | 山行・旅行
4月28日は大型連休の前半で、唯一の晴天が約束された日だった。さてどこへ行こうかと思案して福井県の荒島岳を選んだ。
その理由は前日に宿泊していた場所から近いこと。登山口付近に広い駐車場があることに加え、山頂からの展望が優れ、その上お花も楽しめるということだった。荒島岳は高山植物も豊富だが、今の時期はスプリング・エフェメラルやイワウチワの仲間(イワウチワとトクワカソウ)が観られる。中でもこの山でのイワウチワの仲間は数が多いのが魅力だ。
荒島岳に登るのは2020年以来で、小荒島岳へは昨年6月以来であった。

作家で登山家の深田久弥氏が、福井県から選んだ唯一の日本百名山が荒島岳(標高1523m)である。
荒島岳に登るコースは4つあり、今回は昨年と同じく中出(なかんで)コースを選んだ。中出コースは山の北西側から登るので、気温が上がるこの日のような日には涼しくてよい。

中出コースは途中に小荒島岳(標高1186m)を経由する。前日かなり飲んでいて、睡眠時間も短かったので、万一体調が勝れないときは小荒島岳で引返そうと決めていた。


広い駐車場があると先に述べたが、6時40分にそこに着いたときには既に埋まっていた。地元の警察官が来ていて、指示に従って登山口のすぐ横までクルマを走らせて、そこに駐めた。お陰で歩く距離が400mほど短くて済んだ。


登山口から500mほどの間で目立ったのがヤマブキとカキドオシ、それにスミレの仲間だった。ヤマブキとスミレの仲間はさらに先まで咲いていた。
ヤマブキ(バラ科ヤマブキ属の落葉低木)。
 

カキドオシ(シソ科カキドオシ属の多年草)。
 

スミレの仲間。
  

登山口近くにはシャガ(アヤメ科アヤメ属の多年草)やセントウソウ(セリ科セントウソウ属の多年草)も咲いていた。
 

先へ進むと先ほどとは違う白色の小さな花を咲かせたスミレの仲間も観られた。
 

こちらのスミレの仲間は距が長い。帰って調べたらミヤマスミレのように思えた。


ミヤマキケマン(ケシ科キケマン属の越年草。)が咲いていた。後から次々と観られたのには驚いた。




こちらはヤマエンゴサク(ケシ科キケマン属の多年草)のように思う。スプリング・エフェメラルにまだ出会えたのが嬉しかった。この山の遅い雪解けのお陰である。




ネコノメソウ(ユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草)の仲間が現れた。


登山道が何度か林道を横切り傾斜を上げていくと、ニリンソウ(キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草)の群落が現れた。天気は晴れだが朝の時間にニリンソウはまだ開いていない。帰りにじっくり写真を撮ることにしよう。


スミレの仲間も大きな群落を作っていた。




先にも述べたが、ミヤマスミレのように思えた。




ミヤマカタバミも出てきたが、ニリンソウ同様、この時間はまだ花を閉じていた。

ヤマエンゴサク。




ハルトラノオ(タデ科イブキトラノオ属の多年草)だろうか。




標高が1000mに達するまで、視界のどこかに常に花が見られた。一番多いのはスミレの仲間だった。
ところが標高が1000mを越えた辺りから、急に花を観なくなった。辺りはブナの森に入っていた。

緩やかになった道を進んでいくと、林床に探していたイワウチワ(イワウメ科イワウチワ属の多年草)の仲間が現れた。荒島岳で観るイワウチワの仲間は、イワウチワ(岩団扇、Shortia uniflora)とトクワカソウ(徳若草、Shortia uniflora var. orbicularis)である。
両者は花の形はまったく同じで、イワウチワは葉の基部がくびれているのに対して、トクワカソウは円形に近い形をしている。するとこの花はトクワカソウのようだ。
(今回の記事のタイトルでは、トクワカソウの名があまり知られていないためイワウチワと書いた。)




ショウジョウバカマ(メランチウム科ショウジョウバカマ属の多年草)も現れた。


さらに進んでいくと、すぐ近くから聞き覚えのある鳥の声が聞こえてきた。ジュウイチ(カッコウ科ジュウイチ属)だった。立ち止まり声のする方を探すと7mほど先にジュウイチがいた。
残念ながら撮れたのは後ろ姿だけだった。


小荒島岳がすぐ先に迫ってきていた。巻き道を進むと見覚えのある標柱に達した。標高1165mと記してあった。


分岐を左に折れ、小荒島岳の山頂に向かった。目当ては山頂からの白山の眺めだ。
荒島岳から眺める白山は、手前に別山を従えて聳えている姿が素晴しい。


白山のアップ。正面が御前峰(標高2702m)、その左が大汝峰(同2684m)だ。


別山(同2399m)のアップ。御前峰・大汝峰・別山を白山三山というが、ここから観ると別山は独立した山のように見える。
旧制福井中学を出た深田久弥氏が、日本百名山に選んだ福井県の山は荒島岳だったが、本当は別山も選びたかったのではないかと、この景色を見て思った。
(帰って確認したところ、別山は石川県白山市と岐阜県白川村、高山市の接点に位置し、福井県には接していない。)


さあそれでは荒島岳は向かおう。


荒島岳で白山とイワウチワを観たの記(その②) に続く。
コメント (11)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2024年4月初旬日本海花紀行(その8 最終回)南三陸町

2024-04-21 05:30:00 | 山行・旅行
旅の最後に訪れたのは宮城県の南三陸町だ。最初にお断りしておきたいが、本シリーズ『2024年4月初旬日本海花紀行』最後となるこの記事に「花」はほとんど出てこない。南三陸町の4月初旬に花はまだ少なかった。

トップの写真は南三陸町の志津川湾で観たウミアイサ。今日は多くの行数を「鳥」に割いた。


ガン、カモ、ハクチョウを撮り始めて以来、伊豆沼とともに南三陸町の志津川湾へは何度か足を運んでいる。今回伊豆沼ではわずかにカルガモとオオバンが観られただけで、冬の渡り鳥は観られなかった。そこですぐに南三陸町の志津川湾へ向かった。まだコクガンがいるとの情報を得ていた。

いくつかのポイントを観て回ったが、コクガンには会えず、代わってウミアイサが観られた。ウミアイサを間近に観るのは初めてだった。


しかも潜水してすぐ近くへ来てくれた。






何やら獲物を咥えている。


するとそのまま飛んだ。






























■ウミアイサ
Red-breasted merganser

カモ目カモ科ウミアイサ属
Mergus serrator
海秋沙/L55cm
カワアイサより一回り小さめで華奢に見える。嘴は同属中でもっとも細長くていくぶん上に反って見える傾向があり、鼻孔は中央より基部よりにある。

これまでウミアイサを観た際は100m以上離れていたので、すぐ近くで観られたのは嬉しかった。しかも潜水している様子や飛ぶ姿も間近で観られた。
やはり南三陸町へ来てよかった。

この後は海を離れて森の中も少し観て回った。この日2時間ほどの間に、南三陸町で観た鳥は、ウミアイサ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、カルガモ、アカエリカイツブリ、カモメの仲間、トビ、ミサゴ、シジュウカラ、ヤマガラ、ウグイス、カケス、ハシボソガラスの13種だった。

カモメの仲間(ウミネコか?)。


アカエリカイツブリは100mほど離れていた。
 

 

この日は南三陸町の神割崎キャンプ場にテントを張って泊まった。
キャンプ場は海岸すぐ近くにあり、崖の上に位置していて海が見下ろせた。
 

波しぶきが当たる岩に多くのカモメの仲間(ウミネコか?)が来ていた。








花はほとんど観られなかった。数少ないサクラにメジロ、アオジ、ヤマガラが来ていた。




キャンプ場にいたネコ。
 

出がけに小雨が降ってきたので急いでテントをたたんだ。その後神割崎の奇岩を観に出かけた。
二つに割れた岩の間から荒波がしぶきを上げる様子が有名だが、この日は波が静かで残念だった。
この岩の間から、1年に2回陽が昇るそうだ。




これでこの旅はお仕舞いで、翌日からは普段通りの生活に戻った。

8回に亘る『2024年4月初旬日本海花紀行』シリーズを最後までご覧いただき、ありがとうございました。

撮影:2024/04/07、2024/04/08
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2024年4月初旬日本海花紀行(その7)毛越寺

2024-04-20 05:30:40 | 山行・旅行
毛越寺(もうつうじ)は嘉祥3年(850年)に慈覚大師円仁によって開山され、藤原氏二代基衡(もとひら)から三代秀衡(ひでひら)の時代に多くの伽藍が造営されている。平成23年(2011年)には「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」として、世界遺産に登録されている。度重なる災禍に遭い平安時代に造営された建物はすべて焼失したが、現在も大泉が池を中心とする浄土庭園と平安時代の伽藍遺構がほぼ完全な状態で保存されている。

私が毛越寺を初めて訪ねたのは45年前の春先であった。雨に濡れた池中立石(ちちゅうたていし)のモノクロ写真が社内報の表紙に採用された。

45年ぶりに訪ねた平泉の街は、駅前から毛越寺に続く通りが新しくなり、当時とはずいぶん様子が変わっていた。しかし早朝で人気(ひとけ)はほとんどなく、雨上がりの静けさが当時を偲ばせた。
広い駐車場の隅にクルマを駐め、先ずは周囲を歩いた。拝観が可能となる8時30分まで、まだ小一時間あった。


入口近くに若木の趣が残る枝垂れ桜があり、しばし眺めて時間を忘れた。


50羽ほどの鳥の群れが来た。スズメだと思ったがよく観るとアオジだった。群れになってそろそろ大陸へ帰って行く頃のようだ。


毛越寺の東側は観自在大院跡史跡公園として整備されている。その周辺を歩いた。下の写真は不動堂と地蔵尊。
 

舞鶴ヶ池は上から見ると鶴が羽を広げたように見える池で、発掘調査の成果に基づいて修復・再生されている。池の幅は90mで、西側には巨石を用いた石組みがあり、池の中央には中島がある。


一回りして毛越寺の入口に戻ったが、まだ開門までに15分ほどあった。8時30分に定刻通り開門した。


本堂正面の香炉にお線香を献じた。よい香りが漂い心身ともに洗われたような気がした。


本堂は平安様式の建物で、平成元年(1989年)に建立されている。本尊は薬師如来で平安時代の作。本尊の脇士は日光・月光両菩薩、さらにその周りに本尊守護の四天王が安置されている。


境内の西側にある開山堂は毛越寺を開いた慈覚大師円仁を祀るお堂。大師像のほか両界大日如来像、藤原三代(清衡、基衡、秀衡)の画像を安置。


大泉が池を挟んで本堂を観る。


現在の常行堂は享保17年(1732年)に仙台藩主伊達吉村公の武運長久を願って再建された。堂は宝形造りで須弥壇中央に本尊・宝冠の阿弥陀如来、両側に四菩薩、奥殿には秘仏としてあがめられている摩多羅神(またらじん)が祀られている。


鐘楼は昭和50年(1975年)にもともとの鐘楼が建っていた場所のすぐ東側に再建された。


大泉が池を挟んで本堂などを観る。


東側から観た大泉が池。


四季の美しさを映す大泉が池はこの庭園の中心となっている。東西約180m、南北約90mあり、作庭当初の姿を伝えている。池のほぼ中央部に東西約70m、南北約30mの勾玉状の中島がある。池の周辺や中島にはすべて玉石が敷かれている。


大泉が池の中でも東南岸にある荒磯(ありそ)風の出島は、庭園中最も美しい景観の一つと言われる。水辺から水中へと石組が突き出し、その先端の飛び島には約2mの景石が据えられ、庭の象徴として池全体を引き締めている。


45年前に訪れ写真を撮ったのはこの辺だろうか。


記憶は年月とともに定かでなくなった。浄土に近づいたということか。


風もなく波もない、穏やかな朝の時間だけが流れる。


境内に花は少なかった。唯一のサクラだったろうか。


ウメも咲いていた。


境内を囲んでいたドウダンツツジ。


以上毛越寺の様子をご覧いただいた。説明は毛越寺の公式HPから引用させていただいた。

9時半ごろに毛越寺を後にして、伊豆沼に向かった。

撮影:2024/04/07

2024年4月初旬日本海花紀行(その8)南三陸町 に続く
コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2024年4月初旬日本海花紀行(その6)毛無山、本山 ②

2024-04-19 05:30:12 | 山行・旅行
旅の3日目は男鹿半島の毛無山と本山を歩く山旅である。前日は五社堂までご覧いただいた。今日はその続きである。
 地図をクリックすると大きくなります。

五社堂を過ぎて山道に入り、傾斜は石段よりも緩やかになった。
樹々は葉を着けておらずで森は明るい。足元にはカタクリやキクザキイチゲが咲いていて、踏まないよう注意して歩く。


シジュウカラがどこからとなくやって来て去って行った。キツツキが樹を叩く音が聞こえた。
 

いつの間にか足元に雪が出てきて、やがて雪の量が増えていった。そしていつの間にか門前から4kmも歩いて来ていて、毛無山までは500mとなっていた。
 

毛無山の山頂を巻く巻き道に入った。右側が山頂だが頂は見えない。先へ進むとレーダードームの天辺が樹々の隙間から僅かに見えてきた。
前日の記事でも触れたが、毛無山と本山の山頂部には自衛隊の基地があり、一般人は立ち入ることができない。そこで巻き道を通って行くしかないのである。
余談だが千葉県の最高峰で、房総半島の最高地点である愛宕山の山頂にも自衛隊の基地があり、一般人の立入りが制限されている(事前に許可を取れば入れる)。福島県にある阿武隈高地の最高峰の大滝根山は日本三百名山に入る名山だが、やはり山頂に基地があり、立入るには事前の許可が必要である。九州北部にある脊振山系の最高峰で日本三百名山の脊振山の場合は、自衛隊の基地があるものの、山頂と三角点は基地の外にあるので、立入りが可能である。このように山頂に自衛隊の基地がある山は珍しくない。
  

さて、左手には日本海を進む2艘の船が見えていた。右手ではレーダードームが見えてきていた。
 

トレランスタイルの女性が後ろから来て道を譲った。この方には本山でもお会いして山の情報を教えていただいた。


自衛隊基地を東側から巻いて北側に出ると広場がありトイレ(冬期間閉鎖中)もあった。北に向かい除雪された広い道を本山へ向かった。
 

振り返って毛無山を観た。右手に日本海が見えていた。


毛無山同様、本山も自衛隊基地を時計回りに巻いて歩いた。こんな写真を撮っても逮捕されない日本は平和である(同様の写真がSNSでたくさん見られる)。有刺鉄線が張られた基地の周りを歩いて行く。
 

基地の南側まで回り赤神神社奥宮にお詣りした。
 

奥宮から急坂を下りて広い道に合流したところでカメラをザックにしまった。
 

五社堂が近づいて再びザックからカメラを取り出した。キクザキイチゲが萼片を思いっきり広げていた。

・キクザキイチゲ(菊咲一華、Anemone pseudoaltaica、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草)








カタクリも花弁と萼片を持ち上げていた(カタクリの花は6枚の花弁のように見えるうち3枚が萼片)。

・カタクリ(片栗、Erythronium japonicum、ユリ科カタクリ属の多年草)




五社堂からは石段を下りずに別の道を歩いた。やはりカタクリやキクザキイチゲ、そしてナガハシスミレが咲いていた。

・ナガハシスミレ(長嘴菫、Viola rostrata Pursh、スミレ科スミレ属の多年草)




・オトメエンゴサク(乙女延胡索、Corydalis fukuharae、ケシ科キケマン属の多年草)










この後は登り始めに撮った写真(一部再掲あり)










・キバナノアマナ(黄花の甘菜、Gagea lutea 、ユリ科キバナノアマナ属の多年草)










この後は登り始めに撮った写真(一部再掲あり)




・ニリンソウ(二輪草[5]、Anemone flaccida、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草)


12時40分になまはげ像のある駐車場に戻ってきた。タイム:5時間41分(うち休憩41分)、距離:13.1km、累計標高差:840m の山歩きだった。

県道脇にある自販機でコーラを買った。ビールには太刀打ちできないものの、ここはコーラでも大満足だ。
次の目的地へ行く前に汗を流したく、入浴施設「天王グリーンランド」が併設されている、道の駅てんのうに向かった。

実は日本海側の旅はこれでお仕舞いで、この後は秋田自動車道、東北自動車道を使い帰路についた。
途中平泉、伊豆沼、南三陸に立ち寄ったので、その様子も続編で書いておきたい。

先ずは秋田自動車道の大森PAから見た山である。既に陽がずいぶん西に傾いていたが、PAからは脊梁山脈である奥羽山脈の山々が見えていた。


左の写真は和賀山塊である。主峰は日本二百名山の和賀岳で、標高は1439mである。右の写真は真昼山地である。主峰は真昼岳で、標高は1059mである。
 

お腹が空いていたがこのPAにはレストランがない。錦秋湖SAまで行き食事を摂った。既に日が暮れていたが星は出ていなかった。
ここは静かだが夜は冷えそうなので先へ進み、東北自動車道の前沢SAで眠ることにした。

撮影:2024/04/06

2024年4月初旬日本海花紀行(その7)毛越寺 に続く。
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2024年4月初旬日本海花紀行(その6)毛無山、本山 ①

2024-04-18 05:30:00 | 山行・旅行
今回の旅の主たる目的の一つが、秋田県男鹿半島にある毛無山と本山を歩くことだった。
毛無山という名前の山は全国にたくさんある。恐らくもっとも名が知れている毛無山は、山梨県と静岡県の県境にある日本二百名山の毛無山で、標高は1964mである。岡山県と鳥取県の県境にも毛無山があり、こちらの標高は1219mである。北海道の函館平野の北西にある毛無山は、標高が750mである。登山GPSアプリYAMAPを見ると、この他に7つの毛無山が見つかった。

毛無山の名前の由来は様々で、木(毛)の生えない岩山のことであったり、逆に木が生い茂っている「木成し」に由来したり、あるいはアイヌ語の林野・潅木の生えるところ(ケナシ)という意味だったりするからおもしろい。
男鹿半島の毛無山は標高が677mで、古くには毛無台と呼ばれていたようだ。すなわち山頂付近は平らである。その山頂付近には樹木が生い茂っていることから、名前は「木成し」またはアイヌ語のキナシに由来するのではなかろうかと思う。
一方本山は男鹿半島の最高峰であり、先に寒風山から眺めたとおりドーム型をした山らしい山だ。北にある眞山と本山、毛無山で男鹿三山と呼ばれ、古くから山岳信仰の霊場とされてきた。その中でもっとも高く、もっとも奥にある山なので本山と呼ばれるのは納得できる。

登山ルートは県道59号沿いの巨大ななまはげ像がある門前駐車場をスタートし、五社堂を経て毛無山に向かい、その後本山(標高715m)で折り返し、来た道を戻った。
毛無山と本山は共に山頂に自衛隊の基地があり、一般人は立入りできない。そのためいずれも山頂を巻いて歩かざるを得なかった。




6時58分なまはげ像がある門前駐車場を出発した。しかしクルマにカメラを置き忘れて戻り、5分ほどロスした。


赤神神社五社堂遙拝殿を左に見て石段を上がっていく。


石段を登り出すと、すぐにニリンソウ、オトメエンゴサク、キバナノアマナの群落に迎えられた。オトメエンゴサク、キバナノアマナはこれまで観たことのない花で、今回の旅でもっとも観たかった花でもあった。
ずいぶんたくさん写真を撮ったが、あまりにも太陽の光が強すぎて写真のできはイマイチ。帰りにも撮ったので、ここではそれぞれ1枚ずつを上げておく。

・オトメエンゴサク(蝦夷延胡索、Corydalis fukuharae、ケシ科キケマン属の多年草)
日本の本州の北部地方、中部地方に分布する。
花期は4~5月。花はエゾエンゴサクによく似るが、エゾエンゴサクの距は基部が太く、しだいに細くなる傾向が強いが、本種の距は同種より細長く円筒形になる傾向があり、上側の花弁の長さは12~16mmになり、蜜腺も細長い。


・キバナノアマナ(黄花の甘菜、Gagea lutea、ユリ科キバナノアマナ属の多年草)
日本国内では、北海道、本州中部以北に、国外では、千島、樺太、朝鮮、中国、シベリア東部、ヨーロッパに広く分布する。
花期は4~5月で、花茎の先に4~10個の黄色の花を散形状につける。細い花柄の長さは不規則で、1~5cm。花被片は6枚、線状長楕円形で長さ12~15mm。雄蕊は6個あり、花被片より短い。果実は蒴果で、3稜がある球形状になり、長さは7mm内外になる。


花の写真を撮っていたら頭の上で鳥の鳴き声が聞こえた。エナガだった。数メートルの近さだった。急いでSS優先に切り替えて撮った。




赤い鳥居をくぐり、鬼たちが一晩で積み上げたと言われる五社九百九十九石段を登っていく。
 

石段を登り終えると再び赤い鳥居が現れ、その先が五社堂の境内となっていた。
 



境内にはカタクリやキクザキイチゲ、オオミスミソウが群生していて、今の時期はそれを目当ての観光客が多い。


五社堂を正面から観る。


この後、代表して真ん中の大きなお堂に参拝した。


五社堂を過ぎるといよいよ登山道に入る。
するとすぐにアカゲラやシジュウカラが出迎えてくれた。




フクジュソウがまだ咲いていた。
 

陽当りのよいところでカタクリが開いていた。キクザキイチゲはまだ眠そうだった。
 

登山道は全体的に緩やかで歩きやすい。空気も爽やかで、時折鳥のさえずりも聞こえてくる。これで海が見えたら言うことなしだ。


撮影:2024/04/06

2024年4月初旬日本海花紀行(その6)毛無山、本山 ② に続く。
コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2024年4月初旬日本海花紀行(その5)いざ秋田県へ

2024-04-17 05:30:00 | 山行・旅行
秋田県には何度が行ったことがあるが、忘れられない想い出は学生時代に自転車で旅したことだ。その時は新潟県の岩船郡山北町(現村上市)から出発し、山形県の飽海郡遊佐町吹浦で泊まり、翌日に男鹿半島まで行った。途中で強い雨に遭い身体は冷え切り、その上空腹で、やっとの思いで宿(ユースホステル)にたどり着いた。
今回の旅では男鹿半島にある毛無山と本山を歩くことが主目的の一つだが、天候にも食べものにも、何ら心配なく旅が続けられるのはありがたいことだった。

長岡市にある雪国植物園を出て最初に向かったのは、燕市にある道の駅国上で、そこには日帰り温泉の「てまりの湯」が隣接されている。温泉に浸かって身体を休め、それから秋田へ向かおうという魂胆だった。

長岡市から秋田市まではおよそ330kmで、これが遠かった。新潟県の勝木付近から山形県の温海温泉付近まで、国道7号が風光明媚な海岸線を通る。私には記憶のある名前と場所がいくつかあり、クルマを停めたかったが、秋田への到着時刻を考えると停めるのをはばかられた。
あつみ温泉ICから日本海東北自動車道に入り、秋田県に向かい北上するとやがて鳥海山(日本百名山、標高2236m)の雄姿が見えだした。この山の山容は実に大きい。そして美しい。どこかでクルマを停めてじっくり眺めたいと思いつつ、停める場所がなかった。我慢して運転していたが我慢が切れて庄内空港ICで高速を離れた。折しも西日を受けて鳥海山が色付き始めていた。赤く焼けるのではないかと日没まで待ったが、これ以上赤くなることはなかった。それでも写真が撮れたことに満足した。


旅の2日目の夜は、秋田市の北西部にある道の駅あきた港で泊まった。
翌朝は暗いうちに起きて次の目的地へ向かった。男鹿半島の寒風山(標高355m)だ。この山はクルマで山頂付近まで行ける。
駐車場にクルマを駐めて東に向かって三脚を立てた。

右に見える水面は秋田湾、左は八郎潟調整池だ。気温は氷点下で空気が澄んでいた。空に三日月が見えていた。




森吉山(花の百名山、標高1454m)の辺りから焼け始めてきた。
5時19分、日の出。早起きした甲斐があった。






少し場所を変えて撮ってみた。


この後寒風山を下りて毛無山の登山口へ向かった。途中男鹿三山(毛無山、本山、眞山)を観ることができた。


左のなだらかな山が寒風山、中央の台形状の山が本山。いよいよ山歩きが始まる。
 

撮影:2024/04/05、2024/04/06

2024年4月初旬日本海花紀行(その6)毛無山、本山 に続く。

コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2024年4月初旬日本海花紀行(その4)雪国植物園③ シラネアオイ、ホクリクネコノメなど

2024-04-16 05:30:15 | 山行・旅行
雪国植物園では、2週間前に観られなかったいくつかの花が観られたのが嬉しかった。
シュンランもそのうちの一つだが、シラネアオイもやはりそのうちの一つだ。シラネアオイは複数の場所で群落が観られた。

・シラネアオイ(白根葵、Glaucidium palmatum、キンポウゲ科シラネアオイ属の多年草)






ホクリクネコノメは2週間前にも観られたが、開いている花の数が増えていた。

・ホクリクネコノメ(北陸猫の目、Chrysosplenium fauriei、ユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草)




次はスゲの仲間だ。スゲの仲間の中で早くに開花するカンスゲが候補だが自信がない。高内山でも観られた。

・スゲの仲間


ショウジョウバカマがたくさん咲いていた。この花は高内山でじっくり撮ったので、あまり撮らなかった。

・ショウジョウバカマ(猩々袴、Heloniopsis orientalis、メランチウム科ショウジョウバカマ属の多年草)


ニリンソウの群落も観たが、やはりあまり撮らなかった。

・ニリンソウ(二輪草、Anemone flaccida、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草)


続いては黄色いスミレの群落だ。スミレはこの他にタチツボスミレ、ナガハシスミレを観た。
雪国植物園で観られる黄色いスミレは、すべてオオバキスミレとのことである。

・オオバキスミレ(大葉黄菫、Viola brevistipulata subsp. brevistipulata var. brevistipulata 、スミレ科スミレ属の多年草)




ミズバショウの花数が2週間前と比べてずいぶん増えていた。

・ミズバショウ(水芭蕉、Lysichiton camtschatcensis、サトイモ科ミズバショウ属の多年草)


続いては鳥だが、鳥撮り用のカメラではないので、小さくしか写っていない。
えっ! (まだジョウビタキがいる)と思って二度見した。


こちらはお馴染みのシジュウカラ。よく地面に下りてきていた。他にはヤマガラの姿も観られた。


展望台からは雪を被った山並みが観られた。標高はさほど高くない山々だが、4月に入っても白いのは豪雪地帯ならではである。

・粟ヶ岳(日本三百名山、標高1292m)


・守門岳(日本二百名山、標高1537m)


守門岳の右に昨秋登った浅草山(日本三百名山、標高1586m)も見えていた。

撮影:2024/04/05

2024年4月初旬日本海花紀行(その5)いざ秋田県へ に続く。
コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2024年4月初旬日本海花紀行(その3)雪国植物園② カタクリ、オオミスミソウなど

2024-04-15 05:58:48 | 山行・旅行
このシリーズのカテゴリーを「山行・旅行」としているが「みんなの花図鑑」でもよかったかとふと思った。
まあこの後に山に登っているし、全体としては旅行なので、このまま「山行・旅行」で進めよう。

さて、雪国植物園で観た花の続きである。
カタクリは展望台に向かう道の両脇にたくさん咲いていた。

・カタクリ(片栗、Erythronium japonicum、ユリ科カタクリ属の多年草)












オオミスミソウ(別名 雪割草)は、花期の終盤に入っていたが、まだ園内の各地で観られた。雪国植物園の人気ナンバーワン植物である。
ミスミソウが本州中部以西から九州にかけて分布するのに対し、変種のオオミスミソウは東北から北陸にかけての多雪地帯に分布する。

・オオミスミソウ(大三角草、Hepatica nobilis var. japonica f. magna、キンポウゲ科ミスミソウ属の多年草)














この花の花色や、花弁のように見える萼片の数は実に多様だ。雄しべ(葯)の色にもいくつかの違いがある。
八重咲きの花もいくつか観られた。この植物は何らかの理由で変異を受けやすく、またその変異を受容しているのには驚かされる。






キクザキイチゲは2週間前に観た大きな群落の他にも、いくつかの場所で観られた。
早朝の高内山ではうつむいて咲くキクザキイチゲしか観られなかったが、ここでは花弁のように見える萼片を思い切り大きく開く姿がたくさん観られた。

・キクザキイチゲ(菊咲一華、Anemone pseudoaltaica、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草)










続編ではその他の花、鳥、展望台から見た山をいっきに掲載する。

撮影:2024/04/05

2024年4月初旬日本海花紀行(その4)雪国植物園③ シラネアオイ、ホクリクネコノメなど に続く。
コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2024年4月初旬日本海花紀行(その2)雪国植物園① シュンラン、コシノカンアオイなど

2024-04-14 05:30:02 | 山行・旅行
2週間前に雪国植物園に来たときは日曜日だったこともあり、大勢の来園者があった。今回は金曜日で幾分人出は緩和されたように思えた。
先ず撮りたかったのはコシノカンアオイであり、前回撮り忘れたコシノチャルメルソウも撮りたかった。
そこでまっ先にコシノカンアオイが観られる場所へ向かった。すると近くにシュンランが咲いているではないか。これを撮り逃すわけにはいかない。

・シュンラン(春蘭、Cymbidium goeringii、ラン科シュンラン属)








手前の花にハチが訪れていて、身体に大きな花粉の塊をつけているのが見えた。


シュンランをじっくり撮った後コシノカンアオイを撮った。園内に咲いている場所がいくつかありそれらを観て回り、状態の良さそうな花を撮った。

・コシノカンアオイ(越の寒葵、 Asarum megacalyx、ウマノスズクサ科カンアオイ属の多年草)








下の花は土が崩れたのか、花茎がむき出しになっていた。手前の木片が被っていてまるで折れているかのように見えるが、傷ついておらず大丈夫だ。


続いては2週間前にも観たコシノコバイモ。前回観た場所と違うところでも咲いていた。

・コシノコバイモ(越の小貝母、Fritillaria koidzumiana、ユリ科バイモ属の多年草)






もう一つ撮るつもりだったコシノチャルメルソウであるが、既に花が終わっていた。
続編ではカタクリ、オオミスミソウなどの花をご覧いただこうと思う。

撮影:2024/04/05

2024年4月初旬日本海花紀行(その3)雪国植物園② カタクリ、オオミスミソウなど に続く。
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2024年4月初旬日本海花紀行(その1 )高内山

2024-04-13 05:30:30 | 山行・旅行
4月4日から4泊5日の日程で、主に東北地方の日本海側を旅してきた。4泊のうち3泊が車中泊、1泊がテント泊という機動性に重点を置いた旅だった。
今回の旅では新潟県長岡市にある雪国植物園への再訪と、秋田県男鹿半島にある毛無山と本山を歩くことが主目的だった。それ以外にも道中での景色を楽しみ、さらには植物観察やチャンスがあれば鳥も観たいという、かなり欲張りなものであった。

それでは旅した順にご覧いただきたいと思う。
4月4日に自宅を出発し、その日の夜は関越自動車道の大和PAで車中泊した。翌朝は日の出の時刻に目覚め、雪国植物園が開園する9時まで時間があったので、2週間前にも歩いた高内山(柏崎市、標高246m)へ出かけた。
朝が早かったのでカタクリやキクザキイチゲの花はどれもうつむいていて、先ずはショウジョウバカマとスミレの仲間を撮ることにした。

・ショウジョウバカマ(猩々袴、 Heloniopsis orientalis 、メランチウム科ショウジョウバカマ属の多年草)






ショウジョウバカマは太い花茎の先に散形花序をつけるので、その中の一つの花を狙ってマクロで撮ってみた。
先ずはf9で撮影。手前の葯にフォーカスすると花の中心部は完全にボケる。


子房にフォーカスするとこんな感じ。


f13まで絞ってみた。先ずは葯にフォーカス。


続いて子房にフォーカス。


f20まで絞ってみるとこんな感じになった。ずいぶん背景がうるさくなった。シャッター速度は1/15秒だった。風が吹いてなくてよかった。


(アプリの編集機能で露出を高めてみた。)


ショウジョウバカマでのお遊びはこれで止めて先へ進んだ。

・スミレサイシン(菫細辛、Viola vaginata、スミレ科スミレ属の多年草)
この山でスミレサイシンは標高の低いところで多く見かけた。2週間前には見かけなかったので、その後咲き出したようだ。








・ナガハシスミレ(長嘴菫、Viola rostrata Pursh、スミレ科スミレ属の多年草)
距が長いのが特徴で別名をテングスミレという。北海道南部から鳥取県まで、主に日本海側に分布する。
この山では中腹で見かけた。


・キスミレの仲間
この山で黄色いスミレは標高が高いところでまとまって咲いているのを見かけた。










2種類のスミレが並んで咲いているところもあった。右は撮影風景。
 

嬉しい再会もあった。この花を観るのは弥彦山で観て以来で、1年ぶりだった。北陸では白色、山陰では紅紫色のものが多い。

・トキワイカリソウ(常盤碇草、Epimedium sempervirens、メギ科イカリソウ属の多年草)
登山道脇の数カ所で咲いているのを観た。








時間を見て途中で引返すつもりでいたが、山屋の常(あるある)で山頂まで行ってしまった。
山頂にある「高内城趾」の記録に、この山の名前の由来はない。高内は鷹討ちに通じるのかもしれないとふと思った。宮城県にはやはり低山で鷹討山がある。
余談だが山屋は時には雉撃ちをするが、鷹討ちはしないだろう。




さて話を戻して、山頂付近のカタクリの群落。見渡す限りカタクリである。気温が上がり花が開くと、さぞかし見事なことだろう。


カタクリとキクザキイチゲは、結局下山時においても、花弁や萼片が開ききっているものはほとんど観られなかった。
ようやくいくつかを探して撮ったが、よくよく考えるとこの後雪国植物園ではさわ山観られることだろう。






その他では、山頂付近でサクラを、中腹でツバキ(ユキバタツバキ?)を観た。コシノカンアオイ、コシノコバイモは見つけられなかった。
鳥はシジュウカラ、ヤマガラを近くで観た。またウグイスの囀り、キツツキのドラミングをたびたび聞いた。
こんな山が近くにあったらいいなあと思った。


下山後持参していたパンで小腹を満たし、靴の泥を雑巾で落として雪国植物園に向かった。

撮影:2024/04/05

2024年4月初旬日本海花紀行(その2)雪国植物園① に続く。
コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

三浦半島をほぼ横断する大楠山・衣笠山ハイキング

2024-04-02 05:30:05 | 山行・旅行
3月30日、勤めていた会社の同期生夫妻と一緒に、三浦半島をほぼ横断する大楠山・衣笠山ハイキングコースを歩いてきた。
大楠山は三浦半島の最高地点で標高が241mある。関東百名山にも選ばれている名山である。一方衣笠山は標高が134mの低山で、山頂付近に広がる衣笠山公園はサクラ日本100選に選ばれているサクラの名所である。
半島の西側にある前田橋バス停(標高11m)から出発し、半島東側のJR衣笠駅(標高18m)まで10.5kmを歩いた。累積標高差は552mで、休憩時間を含めて6時間のハイキングだった。




JR逗子駅からバスに乗り前田橋で下車。海を背にして歩き出すとすぐに前田川に出た。ハイキングコースは橋を渡り右岸を歩くが、川辺に下りて水際を歩くこともできる(前田川遊歩道)。そこでその遊歩道を歩くことにした。


木道や飛び石で整備された遊歩道を川のせせらぎを聞きながら歩くのは爽快である。しかし前日の雨で飛び石が濡れていてけっこう滑る。ハイキング開始直後に川に落ちて濡れたのではしゃれにならないので、途中の階段から上に上がることにした。
 

水際の道脇にたくさんの花を見つけた。最も多かったのがこの花だ。


 
ニリンソウ(キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草)である。ニリンソウはスプリング・エフェメラルの一種で、こんな場所で観るとは意外だった。
気になったのは、これまで観てきたニリンソウでは蕾が微かにピンク色を呈しているものが多かった。ところがここではそのような花は一つも見かけなかった。

次に目を引いたのはこの花だ。


 
ムラサキケマン(ケシ科キケマン属の越年草)だ。この花は水際を離れて山道に入っても見かけた。

スミレの仲間も多く見かけた。

タチツボスミレのようだった。タチツボスミレの仲間はこの先の山道でもたくさん見かけた。

この花も水際で観たもので、スミレの群落と近いところに咲いていた。

ご存じのキランソウ(シソ科キランソウ属の多年草)である。別名をジゴクノカマノフタと言う。これは根生葉が地面に張り付くように放射状に広がる様が、地獄の釜の蓋(ふた)に見立てられたようだ。

この小さな花も水際で見つけた。

やはりお馴染みのフラサバソウ(オオバコ科クワガタソウ属の植物の越年草)である。

ここからは山道に入って観た植物である。
ホシノヒトミ(オオイヌノフグリ)やタチホシノヒトミ(タチイヌノフグリ)が咲いていた。タンポポはカントウタンポポとセイヨウタンポポの2種類が観られた。ハルジオンが咲き出していた。カタバミも多く見かけた。

この植物の葉には虫が食べた痕が残っていた。葉の付け根辺りから花茎が伸びて、蕾が2つ見えた。恐らく観たことがあるが名前を思い出せない。


山道で観たスミレには葉が丸いものと葉の先が尖っているものがあった。スミレの名前は相変わらずよく分からない。




山頂に近づくとこの花が多く観られた。

クサイチゴ(バラ科キイチゴ属の落葉小低木)だと思う。

途中2度ほど休んで山頂に着いた。山頂の手前に天皇皇后両陛下による植樹を記念した石碑があった。


展望台に上ると富士山が・・・・見えた。


山頂では40分ほど休憩し、記念写真を撮って下山の途についた。

下りの道でよく見かけたのがこの花である。

シャガ(アヤメ科アヤメ属の多年草)だと思う。同属のヒメシャガが日本の在来種であるのに対し、シャガは中国から来た帰化植物である。
大楠山ではヒメシャガが自生していて、ネットで検索するとこの花をヒメシャガと書いたものも複数見つかった。

スミレは相変わらずたくさん咲いていた。いくつか写真を載せておきたい。
 

 

こんな小さな花もよく見かけた。
 
ヒメウズ(キンポウゲ科ヒメウズ属の多年草)だ。葉に特徴がある。花弁に見えるのは萼片で、キンポウゲ科の花にはよく見られる特徴である。

かなり歩き疲れたころで衣笠城趾への分岐まで来た。急な階段を6分登ると城趾である。衣笠城は大河ドラマ鎌倉殿の13人で有名になった三浦氏の居城である。
もう二度と来ないかもしれないので全員で行くことにした。登り詰めたところに大きな石碑があった。他は何もなかった。


ただ一つ、きれいなサクラが咲いていた。オオシマザクラと記した樹名板があった。
 

道端にネコノメソウ(ユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草)トウダイグサ(トウダイグサ科トウダイグサ属の越年草)が咲いていた。
 

後は下り一辺倒だと思っていたが、実はこの後に衣笠山が待っていた。一旦標高25mほどまで下り、そこから134mの山頂まで登る。
全員元気で歩いてくれて助かった。道沿いにたくさん花が観られたのも良かったのかもしれない。
 

 

衣笠山の山頂からは横須賀の街並みと東京湾が眺められた。


衣笠山はサクラの名所で、ちょうど桜祭りが開催中だったが、肝心のサクラはまだ咲き始めたばかりで寂しかった。
 

舗装路をJR衣笠駅まで歩き、駅前の中華料理店でビールで乾杯した。4人で中瓶を10本ほど空け、横須賀線の車中の人となった。

撮影:2024/03/30
コメント (11)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする