モスクワ近郊の人口40人の小さな村イワノフスカヤの猟師の娘セラフィマが、18歳になった1942年2月、ドイツ軍兵士に母エカチェリーナを狙撃され村人を皆殺しにされ自らも殺されそうになったところを赤軍に助けられ、赤軍兵士を率いていた女性イリーナに連れられて女性狙撃兵訓練学校に組み入れられて、母を狙撃したドイツ軍狙撃兵とナチへの復讐に燃えて狙撃兵として独ソ戦に従軍するというアクション小説。
戦争の中でのドイツ軍、赤軍を通じた女性への蔑視、女性に対する暴行・虐待がテーマとなっていて、後半になるほどその比重が大きくなっていく印象です。それをストレートに感情表出する主人公セラフィマに対し、冷徹な姿勢を貫くイリーナの抑えが、物語の進行と読後感を締めているように思いました。
戦争を舞台にしたアクションものなのでそうならざるを得ないのでしょうけれども、残虐なシーンが多くあまりにも簡単に人が死ぬ描写に辟易し、哀しい気持ちで読む場面が続き、私は爽快感は持てませんでした。
逢坂冬馬 早川書房 2021年11月25日発行
第11回アガサ・クリスティ賞受賞作
2022年本屋大賞受賞作
戦争の中でのドイツ軍、赤軍を通じた女性への蔑視、女性に対する暴行・虐待がテーマとなっていて、後半になるほどその比重が大きくなっていく印象です。それをストレートに感情表出する主人公セラフィマに対し、冷徹な姿勢を貫くイリーナの抑えが、物語の進行と読後感を締めているように思いました。
戦争を舞台にしたアクションものなのでそうならざるを得ないのでしょうけれども、残虐なシーンが多くあまりにも簡単に人が死ぬ描写に辟易し、哀しい気持ちで読む場面が続き、私は爽快感は持てませんでした。
逢坂冬馬 早川書房 2021年11月25日発行
第11回アガサ・クリスティ賞受賞作
2022年本屋大賞受賞作
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます