伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

野口整体を40年探求してきた医師が教える 素晴らしい「介護と看取り」

2022-04-17 21:37:00 | 実用書・ビジネス書
 高齢者が自然に枯れるように安らかな死を迎えられるような健康法・生活習慣を論じた本。
 「はじめに」では、悲惨な介護殺人のことを紹介し、悲惨な介護を解消するための方法を語るとし、その方法としては25人の高齢者が共同生活をしてお互いに協力しながら看取る「二十五三昧講」の実施を進めているように見えるのですが、この本全体としては、前半で介護殺人事件の哀しい事例、終末医療の問題などを述べた後に、自然死とそれを受け入れていた過去の日本の文化や野口整体の考え方などを紹介した上で、後半は老化を防ぐ健康法を説明し、むしろそちらに焦点が行く作りとなっています。
 その中で、「病気が治るイコール健康ではない」「病気をしないことが健康でもない。風邪をひくような状態に体がなったら風邪をひくのが整った体です」(106ページ)、「治す力があるからこそ病気になり、病気は治るのが当たり前となります」(107ページ)というのは驚きでした。「春の季節の変化にあわせてひく風邪は、冬の間に溜め込んだ栄養や老廃物を排泄する脱皮のようなものだと考えることもできます」(167ページ)、「九月にひく風邪は、夏の疲れの清算という意味合いがあります」(178ページ)って。おぉ…でも、歳をとるにつれて、一度風邪をひくと長引くんですよね。
 「冬の間に溜め込んだ皮下脂肪や余計なものを、春になると体外に排泄します。その際、下痢になることがよくあります」「それ故、春先の下痢は薬で止めてはいけない」(169ページ)と。人間は、ときおり病気になるのが自然で、人間の体は病気を活用しているというのです(109ページ等)。う~ん、でもそう言われてもそこまで達観できないなぁ。
 健康法でもいろいろ書かれていて、すべてを実践するのは難しそう(例えば1か月小麦を絶てとか:126~130ページ)ですが、空腹感を感じる食生活をし(始終食べるのではなく食間を空けるということですね)、お腹がすいたら(お腹がすいてから)食べることを実践する(120~123ページ)のは、私はすでにしています(平日はふだんお昼抜き:健康法の本ではあまり好感されていないようですけど)。睡眠2時間前にはパソコンの使用はやめる、寝る前に本を読むのもよくない(141~143ページ)は、私には無理でしょうね。


三角大慈 KKロングセラーズ 2022年3月1日発行
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