「屍人荘の殺人」でゾンビ軍団に襲われてから、その生物兵器開発の黒幕とおぼしき「班目機関」を追う新紅大学ミステリ愛好会の剣崎比留子と葉村譲が、班目機関の研究成果を奪いたい企業幹部に誘われて班目機関の研究者だった者のアジトに乗り込み、例によってそこで殺人事件が発生し窮地に陥るというミステリー小説。「屍人荘の殺人」のシリーズ第3弾。
オカルト的な研究にも手を出していたという班目機関の絡みで、やはり無理がある設定に思えますが、そこを乗り越えられれば、丁寧な展開と謎解きに感心します。研究の被験者/犠牲者となる者への視線にも共感を覚えました。
前回に続き、ラストで「続く」を強くアピールしています。それも、次作の書き出しを強く拘束しそうなエンディングです。すでにもう書けているというならわかりますが、そうでない限り、執筆の自由度がなくなって苦しむだけだと思います。
「屍人荘の殺人」(剣崎比留子2年生の8月)から第2弾「魔眼の匣の殺人」(剣崎比留子2年生の11月末)まで、お話の中では3か月余、現実世界では1年4か月余、その後「兇人邸の殺人」(剣崎比留子2年生の3月)まで、お話の中では3か月余、現実世界では2年5か月余が経過しています。次作は、「兇人邸の殺人」末尾の予告がそのまま活かされるなら「兇刃邸の殺人」の直後ノータイムになります(でも現実世界では果たして…)。剣崎比留子が大学を卒業するまでに、これまでの3か月おきで第10巻か11巻、ノータイムで続けなら ∞! その間に実世界では浦島太郎ほどの年月が流れるか…
今村昌弘 東京創元社 2021年7月30日発行
オカルト的な研究にも手を出していたという班目機関の絡みで、やはり無理がある設定に思えますが、そこを乗り越えられれば、丁寧な展開と謎解きに感心します。研究の被験者/犠牲者となる者への視線にも共感を覚えました。
前回に続き、ラストで「続く」を強くアピールしています。それも、次作の書き出しを強く拘束しそうなエンディングです。すでにもう書けているというならわかりますが、そうでない限り、執筆の自由度がなくなって苦しむだけだと思います。
「屍人荘の殺人」(剣崎比留子2年生の8月)から第2弾「魔眼の匣の殺人」(剣崎比留子2年生の11月末)まで、お話の中では3か月余、現実世界では1年4か月余、その後「兇人邸の殺人」(剣崎比留子2年生の3月)まで、お話の中では3か月余、現実世界では2年5か月余が経過しています。次作は、「兇人邸の殺人」末尾の予告がそのまま活かされるなら「兇刃邸の殺人」の直後ノータイムになります(でも現実世界では果たして…)。剣崎比留子が大学を卒業するまでに、これまでの3か月おきで第10巻か11巻、ノータイムで続けなら ∞! その間に実世界では浦島太郎ほどの年月が流れるか…
今村昌弘 東京創元社 2021年7月30日発行