伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

心の病気にかかる子どもたち 精神疾患の予防と回復

2022-04-11 22:17:48 | 実用書・ビジネス書
 高校生と教師、保護者向けに、精神疾患への罹患はむしろ若い世代に多いことなど、精神疾患についての知識を持ってもらうために説明した本。
 2022年4月から新学習指導要領に基づいて高校の保健体育で精神疾患が教えられることになったことを機会に教科書に併せて理解を深めてもらうために書かれたそうです。
 第1章で「心の病気」にこんな思い込みをしていない?として7つの思い込みを書いているのですが、最初の3つは答ではっきりと否定されているのに、後の4つ「精神疾患の人は危険」「精神疾患にかかると治らない」「精神疾患になると人生をあきらめなければならない」「精神疾患の人に周囲ができることはない」の答はあいまいであったり話をそらせているような感じがして、今ひとつスッキリしません。簡単な問題ではないということではあるのでしょうけれども、あえて「思い込み」といってQ&Aを作るのなら、もう少しはっきりした答を書くか、少なくともはぐらかされた感のない答を書くべきなんじゃないでしょうか。
 精神疾患別の総患者数の推移のグラフが31ページに掲載されています。入通院者数なので、実際の罹患者数とは異なるのでしょうけれども、近年でも認知症よりも統合失調症の方がまだ多いのですね。ちょっと驚きました。


水野雅文 朝日新聞出版 2022年1月30日発行
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