学生の時に所属していた研究室の元教授の下に通う今は薬剤師の原田千景と、勤め先の叔母が経営するスナックで千景と再会して千景の部屋に転がり込んだ高校の時の同級生まゆ子を中心に、元教授の孫の小学生や千景の同僚、元同級生らが絡んでいく小説。
千景の、一方であっけらかんとした性行動とセックス観と、他方で元教授に寄せる想いと諦め/少し冷めた目線、軽やかさと引きずった白けぶりが作品の基調をなしています。大上段に構えずに、性同一性障害を含めた様々な性のあり方にふわっとした優しいエールを送る作品です。そういうところ、読み味というか、読後感がいいです。

春見朔子 集英社 2017年2月10日発行
すばる文学賞受賞作
千景の、一方であっけらかんとした性行動とセックス観と、他方で元教授に寄せる想いと諦め/少し冷めた目線、軽やかさと引きずった白けぶりが作品の基調をなしています。大上段に構えずに、性同一性障害を含めた様々な性のあり方にふわっとした優しいエールを送る作品です。そういうところ、読み味というか、読後感がいいです。

春見朔子 集英社 2017年2月10日発行
すばる文学賞受賞作