伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

惑溺 危険な獣

2014-03-03 23:25:19 | 小説
 交際3か月の高校教師加藤聡史からプロポーズされていたがときめきを感じず一度でいいから全てを忘れてのめり込むような恋愛をしてみたいと思い惑う23歳OLの松田由佳が、親友の博美の行きつけのバーのバーテンにして高校3年生の冷ややかな視線のイケメン男リョウに惹かれていくという官能系恋愛小説。
 自分の担任の恋人を興味本位にくどき簡単にモノになったことに拍子抜けしながらも担任への優越感に浸りながら繰り返し自室に誘い込み続ける、イケメンなら何をやってもいいのかと思わせる俺様男のリョウを、両親から愛を受けずに育ったかわいそうな子と位置づける(「もう縁を切ったから私には関係ない。今まで息子のせいでさんざん苦労させられたんだから、勝手に生きればいい」(194ページ)って母親が言ったということですけど、母親にそこまで言わせるからにはこの男にもかなりの問題があったことも事実だと思うのですが)ことで正当化して描いています。自分の婚約者と教え子が爛れた性生活を続けていることを知ってもそれを許してやり直そうという聡史を尻目に、また親友の博美がリョウに惚れているのを知りながら、それでもなおリョウの部屋に何度も通い肉体関係を持ち続ける由佳も、本当にどうしようもない女。こういうジコチュウのイケメン俺様男と、私っていけない女とか思いながら狂う自己陶酔女の恋愛小説は、私には読んでて不愉快で、勝手にやってろと思ってしまいます。


きたみまゆ ベリーズ文庫 2013年4月10日発行
コメント
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