映画監督ジャン=リュック・ゴダールの足跡を、ゴダールの長編デビューにあたってその霊感の源泉となったアメリカ人ジーン・セバーグ、60年代中期にその画面を飾った2番目の妻であるデンマーク人アンナ・カリーナ、革命の時代をともに過ごした3番目の妻でロシア貴族の末裔アンヌ・ヴィアゼムスキー、70年代以降のフェミニズムと家庭の政治への志向に影響を与えた4番目の妻のスイス人アンヌ=マリ・ミエヴィルの、正統的なフランス性から逸脱した血筋の4人の女性を通じて描くという構想のエッセイ。
40年余をともに過ごしたアンヌ=マリ・ミエヴィルについては、互いに映画製作を通じて影響し合う様が描かれていますが、それ以外は、女性・女優を通じてゴダールを描くというよりは、ゴダールと関わったことを切り口として、女優の行く末を描くことの方に力が入っている感じがします。
女房に逃げられるというのも一種の才能という評価(6ページ、216ページ)は、芸術家であればこそでしょうけど・・・うーん、そうかもしれない。
実は内容よりも、「岡崎京子と1990年代の思い出に」という献辞と第1章・第2章の岡崎京子のイラストに誘い込まれて手にしてしまい、ホロリとしてしまいました。
四方田犬彦 講談社現代新書 2011年8月20日発行
40年余をともに過ごしたアンヌ=マリ・ミエヴィルについては、互いに映画製作を通じて影響し合う様が描かれていますが、それ以外は、女性・女優を通じてゴダールを描くというよりは、ゴダールと関わったことを切り口として、女優の行く末を描くことの方に力が入っている感じがします。
女房に逃げられるというのも一種の才能という評価(6ページ、216ページ)は、芸術家であればこそでしょうけど・・・うーん、そうかもしれない。
実は内容よりも、「岡崎京子と1990年代の思い出に」という献辞と第1章・第2章の岡崎京子のイラストに誘い込まれて手にしてしまい、ホロリとしてしまいました。
四方田犬彦 講談社現代新書 2011年8月20日発行