まわりに合わせることが苦手でクラスで孤立しそのことで悩む優等生の望月結愛が、不良少年グループで金髪と外国人ふうの容貌で女子の人気を集めている蒼井瞬に惹かれていく青春恋愛小説。
生真面目に考え込み、校則を破ることなど考えられず、「趣味・活字を読むこと、特技・暗記」で同級生の恋バナにも関心を持てなかった結愛が、恋に落ち、それを自覚して変わっていく姿が印象的です。大人びて年上の恋人たちと交際を続け、同じくクラスで孤立しながらギスギスした関係だった林田すずと打ち解けていく過程や、兄の恋人えりちゃんとの関係など女子サイドの描写は活き活きとしていて楽しく読めます。
同じく変わろうとしていた瞬のサイドには、家庭の事情などを話そうとしない瞬、聞こうとしない結愛、自分の正義感・価値観で突っ走り空回りする結愛という構図だからですが、描き切れていない感じが残ります。
絵に描いたような幸せな家庭でスタートした結愛の家庭でも父が死に、俊も不良グループの長谷川も大石も片親で林田もシングルマザーと、離別・死別家庭がたくさん登場するあたりが今ふうです。その親との関係、家庭環境の制約を、乗り越えるか受け入れるか諦めるかの描き方が、サブテーマになっているように思えます。
タイトルのブルームーンは、この作品では1月に2回目の満月で願いをかけるとかなうという伝承にちなんでいます。「。」は・・・?

宮下恵茉 ポプラ社 2011年5月発行
生真面目に考え込み、校則を破ることなど考えられず、「趣味・活字を読むこと、特技・暗記」で同級生の恋バナにも関心を持てなかった結愛が、恋に落ち、それを自覚して変わっていく姿が印象的です。大人びて年上の恋人たちと交際を続け、同じくクラスで孤立しながらギスギスした関係だった林田すずと打ち解けていく過程や、兄の恋人えりちゃんとの関係など女子サイドの描写は活き活きとしていて楽しく読めます。
同じく変わろうとしていた瞬のサイドには、家庭の事情などを話そうとしない瞬、聞こうとしない結愛、自分の正義感・価値観で突っ走り空回りする結愛という構図だからですが、描き切れていない感じが残ります。
絵に描いたような幸せな家庭でスタートした結愛の家庭でも父が死に、俊も不良グループの長谷川も大石も片親で林田もシングルマザーと、離別・死別家庭がたくさん登場するあたりが今ふうです。その親との関係、家庭環境の制約を、乗り越えるか受け入れるか諦めるかの描き方が、サブテーマになっているように思えます。
タイトルのブルームーンは、この作品では1月に2回目の満月で願いをかけるとかなうという伝承にちなんでいます。「。」は・・・?

宮下恵茉 ポプラ社 2011年5月発行