伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

よくわかる最新からだの基本としくみ

2008-10-22 21:10:52 | 自然科学・工学系
 人体のしくみについての図解式入門書。各項目見開き2ページで右ページが説明、左ページがイラストになっています。
 この種の本では、まだ解明されていないこととか一般に流布されている説は誤りとか書かれている部分が新鮮に思えます。痒みを感じるしくみは解明されていない(42頁)とか、条件反射は高等生物にのみ見られるとされてきたがゴキブリにも条件反射が見られる(37頁)とか、甘みは舌の先で感じる等舌の部分によって感じる味が違うという説は今では否定されている(57頁)とか、筋肉の疲労の原因はまだ解明されておらず乳酸が疲労の原因という医学上の根拠はない(138頁)とか、爪半月はできたばかりの爪が透明度の違いで見えているだけで病気などとは無関係(146頁)とか。
 ただ、本文の解説、用語解説とイラストでニュアンスがかなり違うところが散見されます。舌の部分によって感じる味が違うという説は今では否定されていると書かれたページには舌の場所別に違う種類の味蕾(違う味を感じる味蕾)を並べたイラストが配されていたり(57頁)、「口蓋垂は、発生や飲み込みに関与しているといわれる一方で何の役にも立っていないという説もあります」と紹介した左のページでは「口蓋垂は切り取っても何ら支障はない」と断言したり(62~63頁)。本を作るとき分担の関係で図表のチェックって雑になりがちではありますが、残念です。


鈴木洋通監修 秀和システム 2008年9月1日発行
コメント
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