食養生365日 食材の栄養や漢方・薬膳的な効能のお話

あなたのバランスをサポートするサロンConcordia~コンコルディアのsoraがお届けする薬膳・食養生のことなど

緑茶で体の中からひんやりと

2013-07-31 | 体の熱を冷ます
今日はお茶、主に「緑茶」についてです。

緑茶には、カロテン、ビタミンC・E、渋み成分のタンニン、苦み成分のカフェイン、うまみ成分のテアニンが豊富に含まれています。
タンニンは、ポリフェノールの一種であるカテキンを多く含み、発がん作用の抑制効果が期待できます。
ほかにも、血液をサラサラにする、血中コレステロールを減らす、食後の血糖値の上昇をゆるやかにする、殺菌作用で口臭や虫歯を予防するなどの効果があり、とても体によさそうです(^-^)v

漢方では、頭痛、めまい、消化不良、むくみ、下痢、急性の腸炎や肝炎、高脂血症などに効果があるといわれています。
お茶のルーツ、中国の古い文献には「利尿効果があり、痰と熱を取り除き、口の渇きを癒す。飲むと眠気が去り、力が増え、心情が愉快になる」とあります。

ということで毎日飲みたいお茶ですが、緑茶は体を冷やします。
熱中症予防の水分補給に、利尿効果の高いお茶は不向きと最近いわれていますが、体を冷やしてくれる効果を期待して上手に取り入れるぶんにはいいと思います。
ただし冷え体質の方は、夏であってもキンキンに冷えた緑茶は、あまりおすすめできません。特に寒い時期は飲んでも少しだけにしてください。

私は緑茶が大好きで、日中は500mlペットボトルの冷茶を、夜は温かいのを湯呑に2~3杯ほぼ毎日飲んでいました。
その頃は何をやっても冷え症が改善しなかったのですが、冷茶は暑くてたまらない時だけにして、寒い時は温かい緑茶もできるだけ控えるようにすると、少しずつよくなって行き、1年ぐらいで冷えの症状が以前に比べて気にならなくなっていました。

もちろんほかの食べ物や生活習慣を変えた効果もあると思いますが、毎日摂るものは体に影響しちゃうのね~(^^;)と実感しました。
冷え体質でお悩みの方、実は好きで毎日食べたり飲んだりしているものの中に解決のヒントが隠されていますよ☆

お茶は発酵の度合いによって冷やす・温めるの性質が変わります。
おなじみのお茶を発酵度順に並べるとこんな感じです。右に行くに従って発酵度が高く、体を温める効果が強くなります。(体を温めるのは紅茶から)

緑茶(不発酵)烏龍茶(半発酵)|紅茶(完発酵)プーアール茶(もっと発酵)


※ジャスミン茶は、乾燥した花を使用する方が若干温める効果がアップしますが、茶葉に乾燥した花をブレンドしたものと、花の香りをつけただけのものがあったりとはっきりしないため、ここでは入れてません。

最後に、緑茶(煎茶)をより長く美味しく楽しむポイントをご紹介します。
お湯の温度は70度ぐらい。80度は超えないようにします。
お湯を注いだ後は、雑味を出さないために急須をゆすらない。
急須から湯呑に注ぐときは最後まで残さず注ぎ切る。
注いだ後の茶葉は、茶こしごと急須から出して冷まします。こうすると、もう1~2煎美味しくいただけます!
2煎目以降もお湯の温度は同じです。

いいお値段のお茶ほど、何煎も楽しめるようです。
中国茶の場合は緑茶と異なります。あるカフェのオーナーのお話によると、茶葉を空気に触れさせないように熱湯を注ぎ続ければ、3煎はいけるとのことでした。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
涼、苦・甘/心・肺・胃

効能
熱を取ってめまいや頭痛を改善する、目の充血を取る
体に必要な水分を補い、渇きを止める
消化を促進する
むくみを取る
殺菌作用、下痢を止める

夏はにがうり(ゴーヤー)で心を癒す

2013-07-30 | 体の熱を冷ます
今日のテーマは苦いけどクセになる「にがうり(ゴーヤー)」です。漢方では苦い食べ物は心を癒すといわれています。

ここでいう心は大きくは2つの機能を持っています。全身に血を送り出すいわゆる心臓の機能と、考える・判断するといった意識や思考をつかさどる機能です。
漢方ではこの心の働きが夏に活発になるとされています。活発になり過ぎて変調を起こすと、のぼせたり、動悸がして顔色が悪くなったり、元気がない、眠れなくなるなどの症状が出ます。
これらを楽にしてくれるのが苦い食べ物、夏が旬のにがうりです。



苦み成分はモモデルシンといい、胃液の分泌を促して食欲を増進させるだけでなく、肝機能を高め、血糖値を下げるなどの効果も期待できます。
ビタミンCが豊富で加熱してもあまり減らないので、日焼け対策にもよいです。
筋肉の収縮を調整し、不足すると体の動きが悪くなるカリウムも多く含んでいます。
ほかにカルシウム、マグネシウムなども。夏バテにはうってつけの野菜です。
(同じ夏バテ防止食材の鰻と一緒に炒めたら、最強の組み合わせですね!)

薬膳の古い文献には、悪い熱を取り除き、疲れを癒し、視力を回復させるなどの効果があると書かれています。
売られているものではあまり見かけませんが、完熟するとオレンジ色になり、中から赤い果肉が現れるそうです。甘くて柿の味に似ていて、かつては水菓子代わりに食べられていたとか。
洗って乾かした種は、炒って食べると強壮効果があるんですって!
グリーンカーテンでにがうりを栽培されている方、試してみてはいかがでしょう。

体を冷やす夏の食材です。平均気温の高い地域では年中食べても大丈夫ですが、基本は夏だけにしておいた方がよさそうです。他の季節に食べると、冷えて体調を崩しやすくなったりします。
冷え体質の人は、夏でも体を温める唐辛子やねぎ・しょうがと一緒に炒めて少量を楽しんでください。

先日大きなにがうりが安く手に入ったので、暑さでボーっとしている家族のためにこんな一品を作ってみました。

簡単おうち薬膳レシピ
にがうりのカンタン白和え
熱くなった体を冷やして潤し、喉の渇きを癒します。


苦みが熱くほてった体と心を癒します。冷え体質の方はちょっとだけどうぞ。

作り方(2人分)
(1)豆腐半丁(200g)をペーパータオルに包んで電子レンジで1分半加熱する。冷めたら水けを絞り、粗くつぶす。
(2)にがうり(大きければ半分、中ぐらいなら1本)は種とワタを取ってスライスし、塩を小さじ1/2程度振ってもみ、サッと熱湯に通しザルにあげる。
(3)(1)にすりごま・めんつゆ・かつお節各大さじ2、お好みでしょうゆ少々を加え、すりこぎ棒などでだいたい滑らかになるまで混ぜる。(2)のにがうりを入れて和えたら出来上がり。


ほとんど火を使わない上に体を冷やす食材をたくさん使うので、涼しくなりたい時にぴったりです。
にがうりの苦み成分は水溶性なので、塩もみしてサッと熱湯に通すとある程度抜けます。苦みが苦手でなければ、塩もみしたにがうりを軽く洗うだけでもOKです。お湯を沸かす手間と熱さからも解放されますよ~(^ ^)
かつおのうまみが、にがうりの苦みを食べやすくしてくれます。
豆腐も体を冷やす食材で、余分な熱を取り除き、潤し、消化機能を整える働きがあります。
白胡麻は陰陽どちらにも偏らない平の食材です。乾燥を防いで便秘を改善する働きがあります。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
寒、苦/心・脾・胃

効能
悪い熱を取り除く、口の中の渇きを癒す
肝機能を高める、眼精疲労の改善

空芯菜で腫れや出血を抑える

2013-07-29 | 体の熱を冷ます
昨日に続き変わりネタシリーズ「空芯菜」についてです。最近たまにスーパーでも見かけるようになりました。
和名は雍菜(ようさい)、中国名は空芯菜(くうしんさい・茎の中が空洞なことから)、最近は「空芯菜」と呼ぶ方が多いです。

カロテン・ビタミンCなどのビタミン類、鉄・カリウムなどのミネラル類が豊富で、特に鉄はほうれん草の倍近く含まれ、貧血予防だけでなく、夏バテの予防や疲労回復にも効果的。

性質は「寒」でとても体を冷やします。以前中華街のお姉さんに「空芯菜は夏の野菜ね」と言われたことがありましたが、まさに夏にピッタリな野菜なんですね。
漢方では、熱による出血を止めたり、熱を取って炎症や腫れを抑え、便秘を改善する働きがあるといわれています。
体を冷やすので、冷え症や下痢の場合には食べ過ぎに注意してください。

茎はシャキシャキと歯ごたえがあり味に癖がないので、炒め物やおひたしなど、色々な調理法で楽しめます。おすすめは炒め物。カロテンとビタミンCをたっぷり含むので、植物油を使って調理して栄養素をしっかり摂り込みましょう。

にんにくや香辛料を加えて塩やしょうゆでシンプルにサッと炒めて。ナンプラーやオイスターソースで味付けしても美味しいです。とにかく手早く炒めるのが美味しさの秘訣。時間が経つと色が黒っぽくなってしまうんです。

よく行く中華料理店では、夏になると「空芯菜の腐乳炒め」がメニューに登場します。
腐乳は豆腐を発酵させたもので、沖縄の「とうふよう」に似ています。香りの強いチーズのような独特の癖があります。好き嫌いは分かれるかも。私は大好きです(^ ^)
空芯菜のシャキシャキ感とこの香りの絶妙なハーモニーが、たまらなく美味しい。ビールに合うんです!

うちでも同じように作ってみたくて、腐乳を求めて中華食材のお店に行ったのですが、量が多くて買うのに躊躇してしまいました。ということで、似たような味を目指して考えたのがこれです↓

簡単おうち薬膳レシピ
空芯菜のチーズ炒め
余分な熱を取り、便秘の解消を助けます。


チーズの風味とヨーグルトのほのかな酸味が空芯菜に合います

作り方
(1)にんにくのみじん切り1/2かけと胡麻油をフライパンで熱し、5センチの長さに切った空芯菜1束を茎から入れてサッと炒めます。
(2)軽く塩をふり、粉チーズ・ヨーグルト・紹興酒を混ぜた調味液を加えて数回あおれば出来上がり!


調味液は粉チーズとヨーグルト各大さじ2、紹興酒大さじ1をあらかじめ混ぜておきます。これが腐乳代わり。
チーズは、漢方では体や皮膚を潤したり、便秘を改善する働きがあります。
紹興酒を使うと本格的な味が出せます。安いもので十分美味しいし、常備しておくと便利です☆

空芯菜は、葉にピンとした張りがあり茎の切り口がきれいなものが新鮮です。
葉の部分が特に傷みやすいので、できれば買って来たその日に食べてください。保存する場合は、しめらせたペーパータオルで切り口を巻いてぬらした新聞紙に包んで冷蔵庫へ。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
寒、甘/胃・大腸

効能
熱による出血症状(鼻血・咳血・血便など)の改善
腸を潤して便秘を解消する
喉や皮膚の腫れ・湿疹の改善、むくみを取る


腎機能をアップする鱸(すずき)

2013-07-28 | 気力・体力アップ
今日はちょっと変わりネタで「鱸(すずき)」について。

レストランで出てくる高級魚のイメージがありますが、夏が旬。今の時期わりと手に入りやすいです。
出世魚で、成長とともに呼び名がコッパ(生まれたて)→セイゴ(1年後)→フッコ(2年後)→スズキ(3~4年後)と変わります。

タンパク質はもちろんのこと、ビタミンA・Dが豊富で、他にもビタミンB1・鉄分・カリウムなども含んでいます。
ビタミンAが粘膜を強くして抵抗力をつけ、風邪や胃腸病を予防し、眼精疲労を改善してくれます。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助けて骨粗鬆症を防ぎます。皮にビタミンDが多く含まれているので、ぜひ皮ごと食べてください。
B1が疲労回復し、鉄分は貧血を予防します。ただし、ビタミンCを含んでいないので、レモン汁をかけたり、夏野菜を一緒に摂ると吸収できます。

漢方では疲労回復、消化機能を整える、腎機能アップ、咳止めなどに効果があると言われています。
意外なところでは「安胎」といって妊娠中の女性の体によいそうです。

えらがピンとしていて皮がきれいなほど鮮度が高く、夏は刺身や氷水にさらしたあらいも美味しいですが、せっかくですから皮ごと食べて効果をがっつりいただいちゃいましょう。

簡単おうち薬膳レシピ
鱸の蒸し焼き香味ソースがけ
疲労を回復し、むくみを取ります。

身がホックリとやわらかくて美味しい(´∀`)

作り方
(1)しょうが・ねぎ・にんにくのみじん切りに、胡麻油・しょうゆ・酢・黒酢(ほんの少し)・黒砂糖を混ぜた香味ソースを作る。
(2)フライパンに油を引いて、中弱火で鱸を皮目から焼く。
(3)裏返して少し焼いたら臭み消しに紹興酒(日本酒でもOK)をふり、火が通ったら器に盛り、香味ソースをかける。


香味ソースのだいたいの目安(2人分)は、しょうが1かけ、ねぎ1/4本、にんにく1/2かけ、胡麻油大さじ2、しょうゆ大さじ2、酢大さじ2、黒酢小さじ2、黒砂糖(白砂糖でもOK)大さじ1です。各分量はお好みで加減してください。いろんなものに使える万能ソースです☆
生にんにくの匂いが気になる方は、先に胡麻油で炒めて火を通してからソースに入れると和らぎます。
しょうがやにんにくは、チューブのすりおろしでもOK。手軽にできる方法で作ってみてください。
鱸は温に近い平の食べ物です。ほかに体を温める食材を多く使っているので結構ポカポカになれる一品です。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
温寄りの平・甘/脾・胃・肝・腎

効能
疲労回復、食欲不振の改善、腎機能を向上して足腰のだるさやむくみを取る
咳止め
むくみをとる
妊娠中毒症などの予防

エアコンで冷えた体を温める桃

2013-07-27 | 気力・体力アップ
今日は最近スーパーでもよく見かけるようになった「」です。
暑い時期に出回る果物で、そのみずみずしくジューシーな食感から体を冷やしそうなイメージですが、果物の中では数少ない「温」の食べ物です。

漢方では、疲労を回復し、口の渇きやほてりを癒す働きがあります。喉は乾いているけどエアコンで体は冷えてしまっている時期にぴったり。
また、肌を潤し、乾燥による便秘を緩和し、咳を止める効果もあるといわれています。夏かぜの終わりで空咳が出る時にも体が喜びそう。



栄養学的に見ても、整腸作用のある食物繊維や、体内の老廃物を出してくれるカリウム、疲労回復効果のあるクエン酸やリンゴ酸も含まれていて、近いものを感じます。また、カテキンも含まれているので、がんの予防や老化防止も期待できます。

桃を選ぶポイントは、香りの強さ。熟している桃は甘い香りがします。また、全体にうぶ毛があり、くぼみの周辺が青くないものが完熟だそうです。
熟していないものは、冷蔵庫にすぐ入れてしまうと甘みが出ないので、常温で追熟してください。
完熟を冷蔵庫で冷やして食べたいところですが、冷え症の方はできればそのまま召し上がってください。とはいえ、たまになら冷たくして食べてもいいと思います。
冷蔵庫には、味が落ちないように食べる2時間前に入れてください。

ちなみに食材として食べることはありませんが、種の硬い殻を取り除いた中身を「桃仁」と言います。
漢方では血の塊を取り除いて血行を良くする、乾燥性の便秘を改善する、咳や喘息を抑える効果があるとされ、いくつかの処方に使用されています。(桂枝茯苓丸、桃核承気湯、疎経活血湯、潤腸湯)

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
温、甘・酸/肺・肝・胃・大腸

効能
疲労回復、口の渇きやほてりを癒す
肌の乾燥を改善する、乾燥による便秘の緩和
咳を止める


暑くて眠れなそうな時は麺類を(小麦)

2013-07-26 | 体の熱を冷ます
今日は夏の定番そうめん・冷やし中華などの麺類の原料「小麦」についてです。

小麦は、漢方薬で精神不安やヒステリーの治療に使われています。甘麦大棗湯という処方です。(甘草、小麦、大棗が入っています)
小麦粉にはビタミンB1・B2・B12がたくさん含まれています。
B1は体の疲労物質の燃焼に関わり、イライラしている時や落ち込んでいる時に精神安定の役割をします。
B2は脂質の代謝作用があり、粘膜を正常に保つ働きをし、皮膚を美しくします。
B12は不足すると疲労感が強くなったり貧血になったりします。
夏にそうめんや冷やし中華などの麺類を食べたくなるのは、冷たいからだけでなく、体がビタミンB群を欲しているのかもしれません。

とはいえ、氷水にそうめんを浮かべて冷蔵庫で冷やしたつゆをつけて食べるのは冷やし過ぎ。毎日冷たいそうめん・冷麦で済ませるのはおすすめできません。やり過ぎは逆効果になります。
もしそうめんや冷麦が続くときは、薬味を多めに入れたり、野菜や肉などの具を一緒に食べてください。
うちではその時の体調に合わせて、豚しゃぶや甘辛くした焼肉・茹でた青菜・焼きなす・とろろ・温玉などを乗せて食べます。


豚しゃぶ、レタス、きゅうり、クコの実に胡麻だれ(余分な熱を取り、体に必要な潤いは与える組み合わせです)

たれはその時の気分で、普通のめんつゆ、胡麻だれ、トマトたれ、梅肉入り、お酢を加えた冷やし中華風などなど…冷え寄りの体質なので薬味をたっぷり使います。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
涼、甘/心・脾・腎

効能
不安・イライラ・のぼせ・不眠の改善
消化機能を整える

冷えを取り胃腸を元気にするかぼちゃ

2013-07-25 | 気力・体力アップ
今日はきゅうりの回でレシピに登場した「かぼちゃ」です。
漢方では体を温め、疲労を回復し、胃腸の調子を整える働きがあるといわれています。

かぼちゃに含まれるビタミンEは、血行を促進し体を温めるので、冷え症の緩和、冷えから来る肩こりにも効果があります。
冷え症の人はもちろん、エアコンに当たり過ぎた、冷たい飲み物や食べ物を取り過ぎて冷えを感じた時に食べるとよいです。

夏バテで食欲のない時、梅雨に胃腸の調子が悪くむくんだ時にもおすすめです。消化機能を健やかにし水の代謝を促進してくれるのです。
出す力を補うので便秘も改善できます。

また、豊富に含まれているカロテンが粘膜を強くするので、胃粘膜の保護もしてくれますし、秋冬の乾燥して風邪を引きやすい時期にも食べたい、免疫力アップのために年中取り入れたい食材です。
冬至にかぼちゃを食べる習慣は、昔、冬の野菜は葉物ばかりだったので、栄養価の高いかぼちゃを貯蔵しておき、冬に食べることで風邪を予防していたんだそうです。昔の人の知恵は本当にすごい!

丸のままなら冷暗所で1~2ヵ月も保存できますが、カットしたものは早々と種の部分から傷んできます。ワタと種をくりぬいてラップすれば、冷蔵庫の野菜室で5日ほど保存可能です。

選び方は、丸のままの場合は、ヘタが枯れて渇いてまわりが窪んでいるものが完熟しています。皮に艶があって硬く、しっかりと重みのあるものがよいです。
カットしたものは、種が大きくしっかりと詰まっていて、果肉の色が鮮やかなものが美味しいです。

うちでは1/4カットを買ってきて3センチ角に切り分け、電子レンジで4~5分チン!小分けにして冷凍しておきます。
再びレンジでチンして、
ドレッシングをかければかぼちゃのサラダに
インスタントみそ汁の具に
お肉と一緒に炒め物に
カレーやシチューにプラス
コンソメスープに入れて煮溶かし、牛乳を加えてかぼちゃスープに

小分けにするまでは面倒ですが、作ってさえおけば、時間がない時や疲れてできるだけ手間を省きたい時に重宝しますよ~(^_-)-☆
きゅうりの回でご紹介した「きゅうりとかぼちゃの冷や汁」は、この冷凍かぼちゃを使った一品でした。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
温、甘/脾・胃

効能
疲労を回復する、消化機能を整える、便秘や胃痛を改善する

トマトで渇きを癒して胃を元気に

2013-07-24 | 体の熱を冷ます
今日のテーマはこれまた暑い夏に食べたい「トマト」です。

トマトにはビタミンCがたっぷり。外出の前と後にそのまま生で食べて、日焼け対策しちゃいましょう。
漢方では、口の渇きを癒して体液を増加させ、消化を促進し、胃を元気にし、体内の余分な熱を取り除くなどの効果があると考えられています。

注目の栄養成分はカロテンとリコピン。リコピンは、カロテンと同じ天然カロテノイドの一種で、活性酸素を除去してくれる抗酸化物質です。その能力はカロテンの2倍、ビタミンEの約100倍あるのだとか。とにかくすごそうです。

カロテンやリコピンは脂溶性なので、植物油を使って調理すると吸収率を高めることができます。皮に薬効が多いのでなるべく皮ごと食べるといいです。
また、加熱に強いので加熱加工した缶詰からでも取り入れることができます。

うれしい栄養たっぷりで夏に美味しいトマトですが、体を冷やします。冷蔵庫でキンキンに冷たくした「冷やしトマト」は女性にはあまりおすすめできません。
食べる場合はよく噛んで少しでも体温に近づけましょう。胃にかかる負担が軽くなり、消化促進の効果をしっかり生かせますよ。
年中手に入る野菜ですが、寒い季節は生食を避け使うなら煮込み料理に。特に冷え症の方は控えめにしてください。

ところでサラダでよく見かけるトマトときゅうりの組み合わせ。
薬膳では禁忌(悪い食べ合わせ)といわれています。栄養学的にも、きゅうりに含まれる酵素のアスコルビナーゼがトマトのビタミンCを破壊してしまうそう。でもお酢を一緒に摂ればこれは防げます。ドレッシングやマヨネーズをかければOKということで(*^-°)b

簡単おうち薬膳レシピ
トマトたれぶっかけ麺
体の余分な熱を取り、口の渇きを止め、消化機能を活性化します。



作り方
(1)トマトを皮ごとすりおろし、めんつゆ(orかつおだしと醤油)を混ぜる。
(2)オリーブオイル、レモン汁、白胡麻を少し加える。
(3)茹でた麺(素麺、ひやむぎなどお好みの麺。写真はひやむぎを使用)にかけて、彩りにシソをあしらう。


トマトには昆布と同じうまみ成分のグルタミン酸が含まれているので、昆布だしの代わりに使えます。
すりおろすと果肉のプチプチが感じられなくなります。あれが苦手という方でも美味しくいただけます(たぶん^ ^;)
薬味は体を温めるシソにしました。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
微寒、甘・酸/肝・脾・胃

効能
体に必要な水分を増やし、渇きを止める
胃の調子を整え、消化を促進する

夏バテを防いで足腰を強くする鰻

2013-07-23 | 気力・体力アップ
今日は一日遅れですが(^ ^;)「」の話題を。
今年は7/22が一の丑、8/3が二の丑です。昨日食べなかったという方は8/3にぜひ!

鰻は『万葉集』の時代から滋養強壮剤として知られ、胃腸の働きを活発にし、体力・気力を増して疲れを取る働きがあるとされています。

漢方では体を温め、血の巡りをよくし、足腰を強くし、疲労を回復するなどの効果があると考えられています。
夏に冷たいものを摂り過ぎて弱った胃腸を労わるのに最適。
体を温めることで血の巡りがよくなり、古い血が取り除かれるので、腰の痛み・神経痛・リウマチにもよいとされています。

とにかく栄養素が豊富です。
タンパク質はもちろんですが、特に多いビタミンAは、粘膜を強くして風邪や胃腸病を予防し、目の状態をよくしてくれます。
ビタミンB1は疲労回復、ビタミンB2が細胞の成長に関係し、ビタミンDはカルシウムの吸収を助けて骨粗鬆症を防ぎます。
ビタミンEは血行をよくし、高い抗酸化作用で血管の老化を防ぎます。
他にもカルシウム・鉄分と、これでもかというほど体に必要な栄養素が含まれています。

土用丑の日に鰻を食べる習慣は、江戸時代に平賀源内が鰻屋のために「本日土用丑の日」というキャッチコピーを考えて店先に張り出し、「鰻を食べれば長寿、延命になる」と宣伝、大繁盛したことから始まったという説があります。

天然の鰻は本来産卵を控えた秋から初冬がもっとも美味しいそうですが、夏バテで体調を崩しやすい土用の丑に鰻を食べるのは、この栄養と効果を考えたら理にかなっていると思います。

ところでこの「土用」について。
丑の日の鰻のイメージが強いので土用といえば夏というのが定着していますが、1年に4回あります。
立春・立夏・立秋・立冬の前の18~19日間が「土用」にあたり、土の気が盛んになり土を動かすと障りがあるとされています。

土の気?動かすと障り?…なんじゃらほいって感じですよね(´・ω・`)
季節の変わり目で、体調を崩しやすいので慎重に
ぐらいのイメージで捉えていてくだされば十分です。
土の気の説明には「陰陽五行学」の理論について長~く語る必要があります。それはいつかまた別の機会に。

簡単おうち薬膳レシピ
鰻のまぜご飯とろろがけ
弱った胃の消化を助け、疲労を回復します。
稚魚の価格高騰でますます高価になってしまった鰻ですが、混ぜご飯にすれば少量で美味しくいただけます。

作り方
(1)温かいご飯に、白胡麻と、ありあわせの漬物を刻んで混ぜ器に盛る。
(2)おろした長芋にめんつゆを少し混ぜたものをかける。
(3)彩りにかいわれ菜かスプラウトを少しあしらい、お好みでわさびを添えて。

長芋も鰻と同じスタミナ食材。晩秋から冬が旬ですが年中手に入ります。
薬膳的には滋養強壮、疲労回復、消化を助ける、咳を止めるなどの効果があると考えられています。詳しくはまた改めて。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
甘、温/肝・脾・腎

効能
疲労回復、咳止め
足腰を強くする、腰痛を楽にする
血の巡りを良くする、神経痛・リウマチなどの痛みの改善

大豆よりスゴイ栄養価の枝豆

2013-07-22 | むくみを取る
今日は「枝豆」についてお伝えします。

枝豆は大豆が熟する前の未熟果です。
大豆と同じ、タンパク質・炭水化物・脂質・ビタミンB1・B2・カルシウム・カリウムが豊富に含まれ、さらに大豆にはないカロテンやビタミンCも多く含まれています。
また葉酸も多く、体の成長促進、貧血の予防などにも効果があります。

ビタミンB1・B2・Cなどのビタミン類とタンパク質にあるアミノ酸の一種メチオニンが、アルコールの分解を促し、肝臓への負担を軽くする働きがあると言われています。枝豆にビールは本当に抜群の組み合わせなんですね。

さらに食物繊維もたっぷり含まれているので、腸をきれいにし、大腸がんや高血圧、糖尿病などの生活習慣病の予防にも効果があります。サポニンは高血圧や動脈硬化を防ぎ、ダイエット効果もあります。
大豆同様、ホルモンのバランスを整えて更年期障害を防ぐイソフラボンは有名です。

栄養たっぷりの枝豆を旬の6月~8月にぜひ取り入れてください。
利尿効果もあるので、暑くて水分を取り過ぎた時も上手に出してくれます。

作ってみました
焼き枝豆
NHKのあさイチの枝豆特集で紹介されていた焼き枝豆にチャレンジ。
いつも通りに洗って、フライパンに入れます。


中弱火で蓋をして5~6分蒸し、蓋を取って強火にして1~2分焦げ目がつくまで炒るだけ。


豆の甘みをすごく感じました。茹で枝豆とはまた違う美味しさ(*´∀`)
塩分が抑えられるのもうれしいです。また作ってみます!

最後にあさイチの内容を忘備録に。

おいしい枝豆の見分け方→さやの色がきれいなもの

茹で枝豆:さやの両端を切って塩もみして3~5分茹でる

塩分少なめでも美味しい調理方法
フライパンで焼く→焼くことで水分が飛んで甘みが増す
洗ったままフライパンに重ならないように入れ中弱火で蓋をして5~6分、蓋を取ったら強火にして1~2分焦げめがつくまで炒る。

残った枝豆はさやから出してビンに入れ、お酢を加えれば1週間もつ。
料理に混ぜれば酸味も気にならない
料理例
枝豆ともやしのナムル
枝豆のせ豚の冷しゃぶ
揚げなすと枝豆の甘酢あえ


あさりと一緒に取ると栄養価アップ
枝豆のVB6・葉酸とあさりのVB12が合わさると動脈硬化の予防になる。
VB12は、しじみ・かき・レバー・いくら・いわしにたくさん含まれている。

普通の枝豆を茶豆にバージョンアップする方法
ほうじ茶と一緒にゆでる
茶豆の香り成分はアセチルピロリン
ほうじ茶にはこれに似たピラジンという成分が入っている。
さやの両端を切り、沸騰したお湯にパックに入れたほうじ茶と枝豆を入れ4分ほど茹でる。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
大豆
※枝豆について明確な資料がないため、熟果の大豆を記載します。
性味/帰経
平、甘/脾・胃・大腸

効能
疲労回復、消化機能を整えて食欲を促進
むくみを取る、妊娠中毒症の緩和

とうもろこしで体を軽やかに

2013-07-21 | むくみを取る
今日のテーマは今がまさに旬の「とうもろこし」です。

お米や小麦のように多くの国で主食になっているだけあり、炭水化物とタンパク質が主成分。
胚芽(粒の根元の部分)に、ビタミンE・B1・B2・カリウム・亜鉛・鉄などの栄養素が詰まっているので、お料理に使う時はこの胚芽を活かすために手で実を外すのがベターです。(なんて言うけどこれは面倒。包丁でこそぎ落としていいと思います。)

注目は豊富なアミノ酸。疲労回復効果があるアスパラギン酸、健脳効果があるグルタミン酸、免疫機能向上や脂肪燃焼促進効果があるアラニンを含んでいます。


漢方でも余分な熱を排出してむくみを取る、疲労回復、消化機能を整え食欲を促進する効果があり、夏やジメジメと暑い梅雨の時期にも取り入れたい食材です。

粒の皮には食物繊維がたっぷり含まれているのですが、消化が悪く冷たい飲み物と一緒に摂ると下痢を起こすことがあるそうです。夏だから冷たいビールのお供に食べちゃいますよね。お腹の弱い方は冷たい飲み物を控えめにどうぞ。

そしてもう一つ注目したいのが「ひげ」。
皮をむいた時に捨てちゃいますよね?これを読んだ方はぜひ取っておいてください。
茶色くなっている部分を取り、お料理に入れたり干してお茶にすると利尿効果抜群です。

ひげの本数は実の数と一致しています。ひげがたくさん見えているものを選ぶと、実がしっかり詰まっていますよ!
漢方では「玉米鬚(ぎょくべいしゅ)」とか「南蛮毛」と呼ばれ、体の余分な熱を冷ましたり、利尿の効果があります。

先日あるお店でかき揚げの衣にとうもろこしのひげを使っていて、野菜を食べ尽くすアイデアに感動しました。
1~2センチに刻んで、揚げ物の衣やリゾット、お焼きに入れてもよさそうです。


3日間天日で干した「ひげ」

お茶にする場合は天日で1週間ほど干した後、フライパンで軽く炒って焙煎すると香ばしいお茶になります。
天日で干す時間がない場合は、そのまま焙煎してももちろんOKです。
先日ちょっと飲み過ぎてむくんだなと思った翌日に飲んだら、うれしい驚きの利尿効果でしたヽ(◎´∀`)ノ
ひげ単品は少し青臭く感じるので、烏龍茶とブレンドすると美味しくいただけます。

ゆでる時は食塩を入れた水からゆで、沸騰したら3~4分で火を止めて取り出し、余熱で仕上げます。こうするとみずみずしくて歯ごたえも残せます。
この暑い中お湯を沸かすのはイヤ!という場合は、電子レンジが便利です。表面に軽く塩をまぶしてラップできっちり包み、500wで6分(片面3分ずつ、600wの場合は8割ぐらいの時間で)チンすれば出来上がり。熱いので取り出すときはやけどに注意です。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
とうもろこし
性味/帰経
平・甘/脾・肝・腎

効能
余分な熱を排出する、むくみを取る
消化機能を整え食欲を促進する、疲労回復


とうもろこしのひげ
性味/帰経
平、甘/肝・腎・膀胱・心・小腸

効能
むくみを取る
濃くなっている尿の色を正常にする
腫れ、熱感、疼痛などを治療する


クールダウンしてむくみも取るきゅうり

2013-07-20 | 体の熱を冷ます
はじめまして。おうち薬膳ワークショップのsoraです。
身近な食べ物の効能を毎日ご紹介しながら、パパッと簡単にできちゃうレシピも時々載せていきます。
食材の働きを知り意識的に取り入れると、体に感じる効果が倍増します。みなさんの体と心が食の力でもっと元気になれますように!

今日は「きゅうり」についてお伝えします。

成分の95%は水分で、ビタミンCやカリウムが含まれています。
カリウムには利尿作用があり、むくみやだるさの解消に効果があります。
夏はどうしても水分をたくさん摂ってしまいますので、取り過ぎた水分を上手に出すのにピッタリです。

今の季節、夏野菜が美味しく感じます。きゅうり、トマト、ナス、ゴーヤ…これらは全て体を冷やします。(「うり系はすべて体を冷やす」と覚えておくといいです。)
無意識のうちに体が冷やすものを欲しているんですね。

ただし食べ過ぎるとすごく冷えてしまいます。一日中エアコンの効いた部屋にいる人、身体が冷えていると感じる時は控えめに。
しょうがや大葉、ねぎなど体を温める薬味を一緒に摂ってください。

ハウス栽培のおかげできゅうりは年中出回っています。冬でも食べることができますが、冷え症の人にはおすすめはできません。食べる場合は少しにしておきましょう。

きゅうりにはビタミンCを壊すアスコルビナーゼという酵素が含まれています。
酸がこの働きを抑えるので、サラダや和え物には酢を使います。「サラダにドレッシングをかける」とか「きゅうりとわかめの酢の物」は、理にかなっているんですね。
また、加熱で酵素の働きを抑えることもできます。
きゅうりを加熱!?想像つかないですよね?私も中華料理店で初めて酢豚にキュウリが入ってるのを見た時は驚きました…でも食べてみると結構アリでした(^ ^)

簡単おうち薬膳レシピ
きゅうりとかぼちゃの冷や汁
体の余分な熱を取り、水分を上手に出し、消化機能を整えます。

作り方
(1)ダシの量を1.5倍、いつもより少し多めに味噌を入れて濃いめに味付けしたかぼちゃの味噌汁を作る。
(2)最後のひと煮立ちの前にスライスしたきゅうりを投入。
(3)鍋底を冷やしてあら熱を取り、1時間ほど冷蔵庫で冷やす。
(4)熱々のご飯にかけて、みょうが、大葉、しょうがなどの薬味をたっぷりかけ、胡麻をふっていただく。

暑くて何となく食欲がない、胃の調子が悪いという時におすすめの一品です。
きゅうりから水分が出るので濃いめの味付けの味噌汁を作ります。
汁は冷蔵庫で冷やしますが、熱々のご飯にかけるので混ぜると多少温度が上がり、胃への負担は軽くなります。また、たっぷりの薬味とかぼちゃで、きゅうりとの陰陽のバランスを取ります。
かぼちゃには体を温める食材で、胃腸の調子を整えて疲労を回復してくれます。かぼちゃについてはまた改めて。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
涼、甘/脾・胃・大腸

効能
体に溜まった余分な熱を取る、のどの炎症を抑える
むくみを取る
美肌効果