マキノ・メタセコイヤの並木道
ここまでは必死に生きてきた。心がこわれそうな時に、明日のゆくへが濃霧にかき消えそうになる
夜更けにも、いつの日もこの歌をうたい、あるときには叫び、時には涙をかみしめて低くつぶやき、
そして命の灯火としてきたのだった。
西郷輝彦「この虹の消える時にも」である。
もう駄目だ! 人生の断崖に追い詰められた時に、切なくも祈るように指を鳴らして歌うのだ。
♪ この虹の消える時にも
涙なんかこぼしやしない
だってだって俺は男
だってだって俺は若い
もういちど もういちど
俺は追いかける
青い空と赤い太陽 水島 哲・作詞 北原じゅん・作曲
クラウンレコード 1965.12
50歳代までは、そうだった。 苦難のときのボクのテーマ・ソングである。
けど、もうアカンのかな? 鳴らす指のひびきが弱々しくて、思わず首をふる。
♪ もういちど もういちど
俺はつかむんだ
遠い虹と若いしあわせ
とめどなくながれる涙のなかで、もういちどもう一度と指を鳴らす。大丈夫さ♪
ボクには西郷さんがついているんだ!
別れた妻よりも、長い歳月にわたって愛した西郷さんだもの。
短歌を極めてやる! 芭蕉を超える俳句を詠ってみせよう! あと1枚のレコードを出さねば!!
もう一度、と背を伸ばすボクのエネルギーは、この歌、
「この虹の消える時にも」なのである。
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