湖の子守唄

琵琶湖・湖北での生活、四季おりおりの
風景の移り変わり、旅先でのふれ逢いなど、
つれづれなるままに、語りたい。

阿佐田さんと色川さんの合間で・・・

2017年04月28日 | 詩歌・歳時記
麻雀小説の白眉「麻雀放浪記」で私たちを夢中にさせた、作家・阿佐田哲也を知ったのは、もう半世紀に近い20代の前半であった。

いまだガキのワタシの年頃の、戦時中の少年時代に動員された軍需工場の屋根の上で、麻雀に熱中し飛来したアメ侯のグラマンに遊びのように弾を浴びたと語る、阿佐田さんはぴったり20歳年上ではあるが、その後の麻雀無頼時代をモチーフにしたこの小説こそ、昭和の一大傑作として、何度読み返したことだろうか。
ボクの本棚のなかで、池波さん、五木さん、藤沢周平の次に多いのが阿佐田さんの著作である。今期待している黒川博行が次に迫ってはいるが
彼は寡作ゆえ、トホホ・・・ではある。「閑話休題」・・・♪

彼が本名の「色川武大」で著した数々の著作も凄い。世の中にどうにでも同化できぬ、孤独な人間の魂に「ママコ草」のごとき錐の矢じりでグイグイとえぐる表現は、苦しみぬいたボクの若き日々に、遠い共感と淡い親近感で「坊や哲」の存在がより一層身近になるのである。

本を読んでいれば幸せだ。
阿佐田哲也と色川武大の雄大で、奥深い渓谷の流れの合間に身を委ねて
残された命を、味わっていきたいものである。

 しゃがの花逢って別れて年おひて

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