湖の子守唄

琵琶湖・湖北での生活、四季おりおりの
風景の移り変わり、旅先でのふれ逢いなど、
つれづれなるままに、語りたい。

初代・鬼平犯科帳

2013年11月24日 | 詩歌・歳時記

      

今夜のBSの鬼平犯科帳は、ファンの語り草 「狐火」 だった。 

長谷川平蔵に松本幸四郎、 今の鬼平・中村吉右衛門のおとっちゃんであり、 女優松たか子の

おじいちゃんである。 鬼平の道楽息子・辰蔵の役を吉右衛門さんが演じているのが楽しい。

密偵・おまさが富士真奈美、 兎忠こと同心・木村忠吾を演じるのは古今亭志ん朝である。

ちなみに志ん朝に第一子が産まれたとき、息子に 「忠吾」 と名づけた由・・・・・。

          秋草をまへにたたずむ

          観世音

          裳裾の紅に生るる風あり

いかんせん時代が古すぎて、ボクのサイクルとは同調しない。 けれども原作・池波正太郎で

ある。 やっぱり面白く観ましたのさ。 2代目・狐火勇五郎役が、 岸田森だった。

おまさの梶芽衣子と世良くんとの息の通い合いとの違いを、堪能いたしました。

               

          小谷より見る

          湖は秋かすみ

          水と空とは天にとけあふ

幸四郎の後をうけて、丹波哲郎・・・錦之助・・・、そして満を持して吉右衛門さんの登場で、

鬼平犯科帳はここに極まりましたね。 はっきり申して、おとっちゃんを超えましたね。

なんでこれほどボクが中村吉右衛門を贔屓にするのか? 

この国において、最大会員数を誇るある短歌の同人誌で、彼はボクのクラスのずっと下の

クラスの先輩なんです。 もっとも、短歌以外では、息子の辰蔵に 「馬鹿者!!」 と大音声を

発する、 鬼平にはとてもとても頭の上がらないボクではありますが・・・・・。

 

          

 

俳優・松村雄基と指二本!!

2013年11月18日 | 詩歌・歳時記

            長浜

毎週日曜日の夕方は、BS 「時代劇専門チャンネル」 を楽しんでいる。 

6時からの 「剣客商売」 の今夜のゲストは、 浪人剣客として松村雄基の登場である。

          石垣の鑿あとふかし秋の風

          蔦紅葉いかほど我に時残る

テレビ画面に松村雄基の顔がアップになるたびに、わたしは必ずひとさし指となか指を横にして、

彼の鼻と口の間を塞ぐのである。 すると、そこにナント、 若かりし頃の精悍さとリリシズムを

輝かせた、 西郷さんの面影が浮かぶのである。

             

ちなみに、 村上弘明の時も同じことをしては、 尾崎豊を偲んでいるのである。

          菊咲くや三月生まれの母の名よ

          竹生島はなれて秋の船となる

俳優・松村雄基には、もっと大きな演技者となってほしいと、 祈っている。

いつか西郷さんが、 西南の役の隆盛を演じるとき・・・・人斬り半次郎こと桐野利秋をこそ

雄基に割り振ってもらいたいものである。 私の指二本のまったく必要のない役者になった時、

大きな豪華な花咲く、 役者・松村雄基が誕生するであろう。 楽しみなことではある。

 

 

 

ニコチン野郎め!!

2013年11月12日 | 詩歌・歳時記

例えば裕次郎が運河へ咥え煙草をすっーと捨てて、 拳銃を手にしてさ、悪の巣へ乗り込むね。

或いは鬼平が吸った煙管をスコーンと煙草盆へ打ち当てて・・・「出役である!!」と叫ぶわね。

男の世界にとって 「煙草」 は、欠かせないものだと想っている。

          

      ▲長浜駅・「曳山まつり」子供歌舞伎のステンド・グラス

          秋刀魚焼き 大根おろす 母恋し

ところが春に禁煙をいたしましたのさ。 それって、「男」 を辞めたと同意語でしょうか?

 

半年・・・体からニコチンは完璧に抜けたはずなのだが、 時に無性に吸いたくなるのです。

先日、CSのテレビで 「太陽に吠えろ」 を観ました。 松田優作があの歴史的な名シーン、

腹の血を見ながら 「なんじゃー、これは!!」 のあとで、 ポケットから煙草をつまみだすのだが、

火はつけられず、 長い足を投げ出して死んでしまう。 あの、血にまみれた一本の煙草を

吸いたくて・・・吸いたくて・・・・たまんなかったもんだ。

 

今、都会では 「禁煙地帯」 というものが、歴然として広がっているようだ。

滋賀でも長浜市民病院などは、今は敷地内では禁煙ですよ。 ふんっ、ふざけるなっ。

嫌煙権があるように、また一方では愛煙権もあるはずである。             

煙草飲みの肩身が狭くなったころから、 この世は男の力が弱まり、をんながしゃしゃり出て

きた嫌な世の中になってしまったようだ。 さっあ!! 煙草を吸うぞ!! ざまぁあ、ミロ!!

                     一言も発せぬ骨や曼珠沙華

だいたいがさ、 昔といってもたかが20年ほども前は、煙草の吸殻なんてポイッと捨てるのが

あたりまえだった。 いす゜れ風雪で根もはもなくなってしまう。 それが常識だったのだが・・・。

海辺で煙草を捨てると、ヒィルターだけは風化しないと知った時は、衝撃だった。

その時からかな? いずれ禁煙しようと思ったのは。 でも俺は男でありたい。

禁煙をいまは仮にしているのだが・・・。 死を身近に感じたときから、煙草をすうぞ!!


「坊や哲」との、永い旅

2013年11月06日 | 詩歌・歳時記

          金木犀未読の本を探しあて

東京時代、といっても20代の前半の頃であるが、主にグラフッイック・デザインの小会社を流れ

歩いた。 社長の趣味や社員の好みが集まったりして、いろいろなブームがそれぞれの会社で

盛り上がっていた。 卓球やボーリングで汗を流したあとで居酒屋へ流れていったり、早朝の

草野球にかりだされたり・・・・。 今思うとよくぞ律儀に顔をだし、付き合ったものだと思う。

         

あれは四ツ谷三丁目の会社だったかな? 昼休み、どんぶりと3このサイコロがすっとでてくる。

集まった社員がひとりづつサイコロをどんぶりに振っていく。 どんぶりを真ん中にして、前のめり

になった社員の額がぶつかりそうである。 そして、たちまちに或る熱気に包まれていくのだ。

「チンチロリン」という、博打です。 性に合わなかったのでボクは熱くはならなかったけれど・・・。

          満州のモノトーンのコスモスよ若き母

昭和20年の秋・・・・焼け野原の上野の山の一角の「バタ屋」のバラックで、我らが「坊や哲」

がチンチロリンのサイコロを初めて振った時から、超名作・阿佐田哲也著 「麻雀放浪記」 の

幕開けである。 この40年間に幾たび読み返したことであろう。 

             

もう読む本がなくって 「麻雀放浪記」 を再び手に取った。 うむっー、何度目かしら?

全四巻、 昼も夜もなく読みふけり・・・・読みきってしまった。

ドサ健や出目徳や女衒の達やらの登場人物が、とてもじゃないが「架空」の人物とは思えぬ。

           「折りとりて」 ・・・それは無理だよ、蛇笏のすすき 

        ※折りとりてはらりとおもきすすきかな 蛇笏・・・ちなみに、すすきを折ってみなさい。

         パキッンと折れるはずがない。 嘘八百の俳句でござんす。          

   最近では伊集院静が 「いねむり先生」 という著作で、

紹介している。 一番気になるのは、1部・2部で活躍した、オックス・クラブのママのその後で

あります。 八代ゆきでしたかね。  和田誠監督での映画も素晴らしかったですね。 

そしてママ役は、加賀まりこでした。 本棚をつくづく見れば、一番多いのは 「池波正太郎」。

次に五木さん。 そして藤沢周平と 「阿佐田哲也&色川武大」 ではどちらが多いのかな?

ただし無人島へたった一冊持っていくのは、 下村湖人 「次郎物語」 ですがね。

阿佐田哲也も坊や哲も、 いまは幻の遠い夢ではある。 

けれども2度と帰らぬ夢の世界で、 麻雀の牌がふれあう懐かしい響きが絶えることはない。