湖の子守唄

琵琶湖・湖北での生活、四季おりおりの
風景の移り変わり、旅先でのふれ逢いなど、
つれづれなるままに、語りたい。

番場の蓮華寺は、歴史の宝庫!!

2013年04月22日 | 詩歌・歳時記

     

中仙道が美濃から近江へ入って、柏原・醒ヶ井と続き、次の宿場が番場である。

邑の入口に一里塚が立っている。 江戸幕府が設けた施設である。

榎の木が植樹され、夏の陽射しをさけて旅人はほっと一息ついたのであろう。

          躑躅もゆ南北朝の血のいろに

時の京都 六波羅探題・北条仲時以下430名は、鎌倉への逃走のみぎり、南朝軍に囲まれて

蓮華寺でことごとく自刃して果てたのである。 そのおびただしい墳墓がかたまって祭られている。

49世の和尚の門弟であった、斉藤茂吉の歌碑がある。

          松風の音きくときは古への聖のごとく我は寂しむ        茂吉

そして池波さんの師匠である、長谷川伸原作の「瞼の母」は、この番場が始まりなのだ。

              

    

長谷川伸自身が、産みの母親と生き別れした経験を持つそうである。

錦之助の東映映画「瞼の母」を、何度観たことであろうか。涙滂沱である。

          母恋ひし忠太郎地蔵つつじ山

          咲きみちて花は近江の蓮華寺

近江の地とはまこと歴史にみちみちて、古代から江戸時代まで、色合いの多彩さ!! 

秘めもつ襞のその深さに、ため息をつきつつ楽しんでいるのである。