湖の子守唄

琵琶湖・湖北での生活、四季おりおりの
風景の移り変わり、旅先でのふれ逢いなど、
つれづれなるままに、語りたい。

西郷輝彦へ、一筆啓上

2013年04月18日 | 詩歌・歳時記

       

敬愛する西郷さんは役者の世界から、歌手として3年まえに「オリオン急行」で、 復帰なされた。

何度聴いても素晴らしい曲で、最初は哀しくも別れた初恋のひとへの慕情の曲として、

切なくも幾たびも聴いては、こみあげる涙をかみしめたものだった。 けれども

いつしか、みまかりし母への鎮魂歌として、わたしの胸に響くようになっていったのである。

          あぁ海よ

          お前のなかに母がいて

          永久に寄せくる波のうねりよ

次の年、「旅のあかり」をリリース。 詩は「神田川」の喜多條 忠である。 しみじみとした

佳い歌ではあるが、インパクトが足りない。そして、言葉が豊饒すぎるきらいがある。

これはね、B面の「まだ太陽は燃えている」が、楽曲としては上でしょう。

何よりも時代を追いかける迫力に充ちている。 それこそが、西郷さんの真骨頂では

おまへんか?

           

 そして今年 「燃えろ夜明けまで」 を発表したわけだが、クラウン・レコードは

所詮・演歌の会社ですね。 今まで何度、さよう50年も昔からやきもきしてきたことか? 

 なんで、B面の 「夜空を走り抜けて」 を、大々的に売り出さないのかね。

 1年というスパーンで考えれば「夜空を走り抜けて」は、ヒットするよ。

          天空に浮かぶ石垣

          竹田城

          木々は芽吹けど春は遠かり

後年、西郷さんは東芝EMIに移籍して、素晴らしい意欲的なアルバムを2枚だした。

クラウンから発売した「ベスト・アルバム」では、まったく無視されてしまった。

嫌な業界ではあることよ。

             

振り返れば、西郷さんの歌が低迷したのは、つまらない形式だけの歌をA面でむりやり売った

からさ。 その陰でB面に甘んじた歌の数々の素晴らしさ。 

私が選ぶ西郷さんのベスト10では、半分がB面の「愛しい」曲たちです。

西郷さんへ、兄貴へ、いやさ、てるちゃんへ・・・・新曲はB面の「夜空を走り抜けて」だぜ。

          ひとりゆく彦根内堀

          花盛り

          古びし幹に寄れば寂びしも

エージョントの圧力を振り払って、B面に必死こいてください、ませ・ませ。