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日常生活のあれこれ

特別展 飛騨の「円空」

2013-03-27 07:27:54 | 美術館 博物館

                   癒しの円空仏100体に会いに行きました。

 

        

            東京国立博物館前の広場は工事も終了してきれいになっていました

 

                

                       「円空展」は本館で開催です

 

                

                    

                         

                       江戸時代に、近畿から、北海道まで諸国を
                       行脚し、行く先々でその土地の民のために
                       仏像を彫り続けた僧、円空。

                    円空仏の魅力はその素朴で愛らしい作りにあります。
                

                  

                           円空   (1632~1695)

                  美濃の国(岐阜県)に生まれ、法隆寺、園城寺、輪王寺などで
                  受法し、修験者として霊山に登り、そのとき立ち寄った集落で
                  膨大な木造仏を造りました。

 

             

                      両面宿難座像 (りょうめんすくなざぞう) 部分

                 「日本書紀」に登場する異形の飛騨の怪物、ひとつの胴体の
                 前後に二つの顔、4本の手足を持つといわれる。
                 この像は正面に顔を二つ並べ、手を4つ表し、刀を佩き、斧を持って
                 岩の上に座す姿。

                 光背を備え、正面に二つの顔を並べるのは、礼拝の対象として
                 造られたからでしょう。     円空入魂の傑作です。
                 
              * 本当は剣と弓矢を持つはずなのに、円空は斧を持たせた、斧は
                 山に生きた飛騨の人々の必需品だからと思われるそうです。

 

            

                    不動明王および2童子立像

              不動明王の両手は握った中心に穴を空けてあるので別製の剣と索を
              持っていたと思われる。
              二童子は小悪と小心という性格が表情によく表れています。

           * この3体は下から見ると年輪がつながるので、1本の木から造られたと
              分かる。

 

           

                 千手観音菩薩立像

               脇手を別の木材で作って貼り付けてあり、丸削りが多い円空には
               珍しい像、頭上に8面、脇手は左右20本(左は6本なくなっている)
               体の前面に僧形像を伴う。

 

                   

                          宇賀神像

                    古事記にも登場する日本古来の雨乞い、招福を祈る神
                    蛇のからだに老人の頭をつけている。
                    上から下にとぐろを巻き頭を持ち上げる姿です。

                    雨を待つ村人の切実な願いに応じて作られたのでしょう。

 

 

                           

                        龍頭観音菩薩立像と聖観音菩薩立像

                     この2体は、体の木の半分をさらに縦に2つに割って
                     作られたもの。

                     龍頭観音は大きな龍の頭部を頭上に表している。

                     聖観音の目の周りに刻みをいれる円空独特の怒りの
                     表情を作っている。

 

                           

                              如意輪観音菩薩坐像

                          この像のからだは、のみ跡を残さず
                          滑らかに仕上げられている。

 

                         

                           金剛力士(仁王)立像吽形

                       地面に生えたままの立ち木を彫刻した像、
                       現在の高さは2mを越えます。

                         

                       円空伝の一節に「袈裟山にも立ちながらの
                       枯れ木をもて作れる二王あり」で描いた挿図。
                         
                       今から150年ほど前に、根元が腐朽したので
                       切り取られ、仁王門に置かれました。
                       「阿吽」一対揃っていますが、保存の良い吽形が
                       展示されました。

 

                            

                                不動明王立像

                       右手に持つ剣を含めて丸彫りで表されています
                       両脇下、剣と体の間を彫り透かしています。
                          (剣の先は顔に付いています)

 

                    

                        三十三観音立像

                   木を断ち割った切断面を生かして眉目を線で表し、鼻口を
                   簡潔に彫っている、両手を胸の前で組み合わせるこの型は
                   多くの像を作るための工夫だと考えられる。

                   33体あったはずですが、31体しか残されていないのは
                   近隣の人々に貸し出して戻ってこなかったからだといわれます。

                   見よい写真ではありませんでしたが、とても愛らしく、ほっとする
                   観音さまたちは印象に残りました。
                   病人が出た時など借受け枕元に置いたと言われるように
                   身近な観音さまたちだったのです。
                   

                           

                               秘仏「歓喜天立像」

                       雌雄象が抱き合う姿のインドの神。密教と共に
                       日本に伝えられた。 この像を本尊とする祈祷は
                       ひそかに行わなければ効果がなくなるため秘仏で
                       あることが多い。
                       
                       円空は小さな木片に簡略な彫りで頭部、牙、腕を
                       表している。   

                       7年に一度しか公開されない秘仏「歓喜天立像」
                       始めて厨子からだして展示されました。

                        

                      幾世代にも渡って子供の遊び相手も務めているうちに
                      傷ついた円空仏は人々の暮らしに溶け込み親しまれて
                      いたからこそ、ぼろぼろになったりしました。

                      現在は5000体を越える作品が知られ、出生の地
                      岐阜県と隣りの愛知県に集中します。

 

                     各地の霊山を巡り、生涯で12万体の仏像を彫ったという円空、
                     素朴で優しい円空の仏は江戸時代以来村人に親しまれ、今も
                     多くの人の心を惹きつけます。

   

       


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