晴れ、ときどき映画三昧

「エリザベス:ゴールデンエージ」(07・英) 70点


 ・ 絢爛豪華な衣装でK・ブランシェットが熱演。

                   

 前作「エリザベス」(98)以来、9年振りにシェカール・カプール監督、ケイト・ブランシェット主演による続編。即位後27年を経た1858年、イングランド女王として国内紛争、スペイン艦隊との戦いを乗り越え「黄金時代」を迎えるまでを描いている。

 絢爛豪華な衣装で登場するエリザベス1世を演じたK・ブランシェットの熱演が目立ち、共演者を圧倒している。歴史的な事実を踏まえながら、女王の内面の孤独感を描いているが、意外にも盛り上がりに欠けてしまった。

 このドラマのメインテーマである禁断の恋の相手・航海士ウォルター・ローリー(クライヴ・オーウェン)を侍女のベス(Aビー・コーニィッシュ)に身代わりさせる経緯に不自然さが目立つ。聡明で勇気を持ち合わせ、大国の基礎を築いた女王の内面の葛藤を描きたかったのだろうが成功したとはいえない。前回同様K・ブランシェットがオスカー候補になりながら逃してしまったのは、その不自然さのせいか?

 とはいえ、ウェストミンスター大聖堂を始め、歴史的建造物や海岸でのロケは時代物には欠かせない本物感がある。側近役のジェフリー・ラッシュの重厚な演技やA・コーニッシュの美しさが目立った。

 サマンサ・モートンは育ちの良さと儚さを併せ持つメアリー女王を好演しているが、悲劇のヒロインの割に出番が少なく、添えモノ的存在になってしまった。

 2時間足らずの長さは時代物には物足りなさも感じたが、このストーリーなら娯楽時代劇として相応しい長さともいえる。
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