晴れ、ときどき映画三昧

「野郎どもと女たち」(55・米) 70点


 ・大ヒットした無冠のミュージカル映画。

                  

 ’50、ブロードウェイで大ヒットしたミュージカル「ガイズ&ドールズ」を映画化。

 プロデューサーのサミュエル・ゴールドウィンは主演にジーン・ケリーを希望していたが実らず、「欲望という名の電車」(51)、「波止場」(54)でブレーク中のスター、マーロン・ブランドが起用された。彼の初ミュージカル作品でもある。

 監督は「イヴの総て」(50)のオスカー監督ジョーゼフ・L・マンキーウィッツ。

 NYで賭場を開いているネイサン(フランク・シナトラ)は資金作りに困惑していた。婚約者の踊り子アデレイド(ヴィヴィアン・ブレイン)とも14年越し。

 そこへラスベガスから来た賭博師スカイ(M・ブランド)に、救世軍のサラ(ジーン・シモンズ)をデートに誘えるかで2千ドルを賭けることに。

 お堅いサラを巧みにハバナのデートに誘うことができたスカイだったが、その間ネイサンは救世軍本部を賭博場に使っていたことが分かり、サラは窮地に立たされてしまう。

 プレイボーイのスカイ役に意欲的だったM・ブランドはダンスも歌も見事にこなしている。もっともウマが合わなかったF・シナトラは、のちにM・ブランドが歌った<ラック・ビー・ア・レディ>を舞台で茶化し、自分の持ち歌にしていた。

 サラ役のJ・シモンズもミュージカルは初めてだったが、役柄がイメージにぴったりだったことが幸いしてゴールデン・グローブの主演女優賞を獲得している。

 本作が成功したのは、F・シナトラの出番を活かした起用方法と、脇を固めたアデレイド(V・ブレイン)、ジョンソン(スタビー・ケイ)、ビッグ・ジュール(B・S・プリイ)、ベニイ(ジョニー・シルヴァー)が舞台と同じメンバーだったことか。

 残念ながらオスカーには多数ノミネートされていながら無冠に終わったが、映画は大ヒット。その後も各地で舞台上演され、’92ネイサン・レインが主演したブロードウェイ上演が有名。日本では宝塚ファンなら誰でも知っている演目で、’84大地真央・黒木瞳の公演が初演という。

 ミュージカル映画はどちらかというと苦手な筆者には、時々ストーリー展開にブレーキが掛かる歌のシーンは少し興ざめする箇所があって、151分は長いと感じてしまう。

 ただ、冒頭NYの街角・ハバナでのレストラン・終盤の賭博場での集団による歌と踊りには流石だという思いがした。 
 
 マリリン・モンローがアデレイド役を熱望していたり、トム・クルーズがハイスクール時代演じて俳優を志すキッカケとなったとか、ヒュー・ジャックマンが次にミュージカル出演するとすれば本作であるとか何かと話題になる。今も昔も欧米ではミュージカルの古典として親しまれている証しだろう。

 再映画化されたら果たして成功するかは疑問だが、キャスティング次第では見てみたい気がする。

 
 
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