晴れ、ときどき映画三昧

「エル・ドラド」(66・米) 70点

・ハワード監督の手腕が存分に発揮された、テキサス3部作の第2作目。

  娯楽映画の巨匠ハワード・ホークスが西部劇「リオ・ブラボー」(59)に続くテキサス3部作の2作目。本場アメリカより早く日本で公開され大ヒットしたことでも有名。リメイクではないが、設定は良く似ていて主人公が昔馴染みの相棒とともに悪を倒す物語。
 主演はジョン・ウェインで今度は初老のガンマンで相棒は保安官。ロバート・ミッチェルが扮しているがリオ・ブラボーのディーン・マーティン同様アル中であることや、2人が組んで若い助っ人と老いた牢番人が応援するところまで一緒。

 まずタイトルが楽しい。テキサスの雄大な風景の絵画をバックにジョージ・アレキサンダーの主題歌が流れ王道の西部劇を予感させる。ガンマン・コール(J・ウェイン)は牧場主ジェイソン(エドワード・アズナー)の水権利争いの助っ人として雇われるためエル・ドラドへ久しぶり戻ってきた。再会したのは保安官ハラー(R・ミッチェル)と恋を争った酒場の女主人モーディ(シャーリン・ホルト)。ハラーによるとジェイソンは悪辣で争いの相手マクドナルドに理があるという。
 コールは古傷持ちで、さらにマクドナルドの娘ジョーイに銃で撃たれ怪我を負ったり、ジェイソンに囚われ猿轡を噛まされたり、決して不死身ではない。それでも馬で後ずさりしたり左手でライフル銃を操ったり見せどころがいっぱい。
 保安官・ハリーはアル中だが、あの風貌でコミカルな味がそこかしこに出て、D・マーティンとは違うJ・ウェインとの名コンビ振りを発揮している。
 リオ・ブラボーではリッキー・ネルソンが演じた助っ人青年役を、若き日のジェームズ・カーンがナイフの名人・ミシシッピ役で果たしている。最後は拳銃下手な彼がショットガンなら使えるだろうと調達するなど親切なシーンまであるが、ここは最後までナイフで闘って欲しかった?
 老いぼれ保安官補ブルもこの手の映画には欠かせない。アル中保安官をシッカリ支えていた。
 ヒロインの2人では男勝りのミシェル・ケーリーが新鮮で時代の移り変りを感じさせる。
 悪役の牧場主にE・アズナー、雇われガンマンにクリストファー・ジョージが扮しているが少し陰が薄かった。

 H・ホークスが存分に力を発揮した西部劇だが、126分は少し長かった。多分リオ・ブラボーでは描き切れなかったリアルな人物設定やプロットに拘りがあったのだろう。筆者は「ライフルと愛馬」「皆殺しの歌」のような挿入歌のある「リオ・ブラボー」が好きだった。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「外国映画 1960~79」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事