晴れ、ときどき映画三昧

「万引き家族」(18・日) 80点



・ 家族とは何か?を問い続けた是枝作品の集大成。


「そして父になる」(13)・「海街dialy」(16) 「三度目の殺人」(17)の是枝裕和監督14作目は、犯罪を重ねながら繋がっている家族を通して人と人との絆について描いていく、ご存じカンヌ・パルムドール受賞のヒューマンドラマ。

リリー・フランキー、樹木希林の常連組に安藤サクラ、松岡茉優など若手演技派女優が加わり多彩なキャスト。

本作はTVドキュメンタリー番組や「幻の光」(95)以来是枝作品を見続けてきた筆者にとって、少し冷却時間が必要だと思って公開後1年後の鑑賞。

撮影監督・近藤龍人、音楽・細野晴臣という新スタッフによる新鮮さと是枝流の演出技法が巧くコラボレーションされ、フィクション作品としての完成度が高まったような気がする。

題名を「声に出して呼んで」から「万引き家族」にしたのも映画らしいフックが効いていたし、池松壮亮(4番さん)、柄本明(駄菓子屋店主)などのワンポイント使いという贅沢なキャスティングが可能になったことが作品の厚みを増した証拠でもある。

年金不正受給、幼児虐待、育児放棄など社会問題を背景にしながら、「誰も知らない」(04)以来、家族とは?人と人との繋がりとは?をテーマにしながら観客に投げかけてきた是枝作品の集大成となった。

樹木希林亡き後、監督には安藤サクラが後継者となり、更なる飛躍への道を歩むような作品に挑んでもらいたい。
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