小苗を何年も何年も丹精込めて管理しているところに、
ひょこっと大株が出てくると
今までの苦労は何だったのだろうと、
馬鹿馬鹿しく思えてくるのは自分だけだろうか?
自分のが一向に大きくならないのは管理が良くないのか
作が下手なのか、それとも神様の厳しいお仕置きか、
自問自答するが答えなど返ってくる筈もなく、
だが、早く大きくすればそれでいいのか?
人気品だけを追い続け、
作の本質、良さの追求を忘れかけていないか?
落ち込むなんて早すぎる。愛培暦ったってたかが十年足らず、
半人前然り、素人同然だろうが!
だけどお前は用土について、鉢について、
肥料について悩みすぎるほど悩んでいるし、
作も不味くないよ!
縁が無いものにはどうしても恵まれないモノなんだよ。
俺がついてるぜ!
と、傍に佇んでいた
新芽が秋芽となった竜字が、自分に喝を入れてくれた。