2時間あったら映画を見ますよ
とマラソンへの挑戦をはぐらかし続けてきた福士加代子。
日本中距離界においてのタイトルホルダーで現在敵なし。しかしその栄光では満足できなかったのか、十分な準備もなしに禁断のマラソンへと挑戦してしまった。
”みちのくの爆走娘”
”ド根性娘”
”トラックの女王”
と数々の称号を持ち、実力もさることながらユニークで豪快な言動から常にマスコミに注目され続けてきた。
本大会は北京五輪代表選考会も兼ねており、名古屋国際女子マラソンとの結果により代表を決定する。すでに代表枠は実質残り1枠で、昨年の世界陸上銅メダルの土佐礼子は五輪代表決定、11月の東京国際を制した野口みずきも確実である。
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福士のレース内容を簡単に。
序盤から25㌔付近までは快調に飛ばし独走した。しかし30㌔手前で急激にペースダウン。35㌔手前からみるみる順位を下げ、競技場に入ってからもふらふらで何度も倒れた末、結局19位でゴールした。
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準備不足 マラソンを舐めていたと言われてもしょうがないだろう。
わずか1ヶ月の準備期間に加え、40㌔走は行わず32㌔を一度走っただけという型破りさ。トラック競技では敵なしでもこのような練習方法で初マラソン・初優勝おまけに北京五輪切符を獲得されたものならマラソンのスペシャリスト達の立つ瀬はなくなるというもの。アテネ五輪金メダリストの野口みずきは「ハーフまではトラックの延長でいける。30㌔以降は彼女がどう走るか」と何とも冷ややかに分析していた。
これから選考がある中距離においては、福士の五輪出場はおそらく大丈夫だと思う。しかし、それをも蹴る覚悟で挑戦した「マラソン」にはどんな魅力・魔力があるのだろうか考えてしまう。福士にとって今回マラソンに挑戦したことは、今後の陸上競技生活においてプラスになったのかマイナスになったのか。
福士加代子 25歳とまだ若い。
北京五輪で今回の屈辱を晴らしてもらいたい。