@不自由な体で生まれた人、家族との死別を体験した人など、生まれながらの不幸、不平等、生まれた後に襲う悩み苦痛等に対する対処には「一人で悩まず、周りの多くの人に躊躇なく助けを借りること」だ、と言う。「誰かの手を借りる事を経験した人は、必ず誰かに手を差し伸べる術を持っています」という文章には頭が下がる。また、嫌いな人には「その人の意外性を探してみる」ことで意識が変わり心地良い気分になる、とも言っている。人生、悪いことも良いことも長続きはしない、また不幸は突如として来ると覚悟しておくことが必要で、最悪な時は誰を頼りどの様に生き抜いていけるのか考えておくこと、また逆に幸せな時の生きる喜びもしっかり噛み締めておきたいと、この書で思う。樹木希林の言葉「自分の体と心を知ることが一番大事」と娘に遺した、と言う。
『エールは消えない』志村季世恵
「概要」誰もが経験する肉親や親しい人との別れ。バースセラピストとして多くの人の誕生や死にかかわってきた著者にとっても、自身の母を見送ることは「心にぽっかりと穴」が空くような特別な経験でした。その、ぽっかりと空いた穴を埋めるものは何だったのでしょうか。「大丈夫、きっと乗り越えられるよ、信じてごらん」というお母さんの言葉が、その後の著者を支えたと言います。「人がこの世を去ってからも、応援(エール)の思いはずっと生き残る。決して消えたりしない。まるでお守りみたいに」。本書は、著者が見送った87歳の母のこと、最期を共に過ごした樹木希林さんのこと、自殺した娘の子どもを育てたお母さん、両親をなくし伯父伯母に引き取られた姉妹と、見守るおばあちゃん、子育て中の盲目のお母さんなど、5つの多様な家族の物語と、めぐるいのちを描いた珠玉のエッセイ集です。
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