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古き時代の感動は現代にも通じ合う『新年の2つの別れ』

2022-04-13 07:52:39 | 歴史から学ぶ
池波正太郎の「鬼平犯科帳」、「剣客商売」など「追う者も追われる者も一命をかけて戦い、生活し、愛し、愛されていくところに、期せずしていくつもの主題が生まれてくるから」と書き続けたという。時代を重ねた表現は今でも感動し、元気を得たような気持ちにさせる小説は素晴らしい。それはその時代のことでも現代のリアル世界を克明に映し出していることなのかもしれない。(歴史は繰り返される)
『新年の二つの別れ』池波正太郎
「概要」心を震わせた思い出を綴るベストエッセイ集。師・長谷川伸の思い出、亡き父の面影、友との交流など、人と人との出会いと別れ。旅への想い、食べ物の記憶、さらに時代小説のうらばなしまで。人生の明け暮れを温かく描く円熟の筆。
ー厳しい恩師(長谷川伸)に直木賞をもらった時に言われた言葉「よかったね」が感動する。それは師匠に対する「畏敬の限りを尽くす」より「我儘にぶつかっていく」をやれた事だと
ー「2つの別れ」師匠と父親、それは「虫の知らせ」
    師匠に「君が、お父さんに最後の別れをしたのも、正月だったね」の『も』の深い印象
ー情緒と人間「手足を使うことを忘れて嫌がる。手足を使わんから、頭がバカになってくる」
傍若無人「好き勝手な真似をしながらTVのドラマを見ている時の癖が身に染みついてしまう」
ー職人の感度「機械には命がある、機械にも飯を食べさせろ」(油、清掃をしろと言うこと)
    職人が少なくなり理由:「理論のみが発展し、対立を生み、何処の世界にも、理屈と対立する様相が日々強く激しくなった」
ー月1度は旅に出るという池波正太郎氏の旅
    ロックフェラーが買い求めたいとした高山の日下部家(重要文化財民芸館としても開放)
    金沢の加賀料理「鉢肴」
    妙立寺(隠し廊下・階段・多種多様な仕掛け)
    駿河・遠江(静岡は生活保護受給者の全国で最低・自主財源は第4位)
    関ヶ原(島津義弘の敵中突破・烏頭坂)
    京都・東大寺の結解料理(5百数閏年前からの昔を偲ぶ料理)
ー映画の趣味 月に20~30本鑑賞(4つの映画館)・音楽(レコード)シングシングシング
ー食事の好物
    小鍋だて(あさりと白菜にポン酢+鶏肉と焼き豆腐に玉ねぎ)
    ライス・カレー(野菜と細切れ肉)+ウスターソース、オムライス
    鯛・冷奴・かき氷・団子(花見)・ポテトフライ(小指大のじゃがいもを油でからげ)
酒は楽しい気分の時にのみ、飲む主義で仕事が行き詰まり、悩んでいるときは飲まなかった
ー好きな武将たち
    福島正則(賤ヶ岳の7本槍として武勇に優れた武将)の酒はしみじみ会話と交わす目的
    堀部安兵衛(赤穂浪士の一人)
        高田の馬場の敵討ちで討たれる多く側を敵に戦い、堀部家の養子となる
    伊庭八郎(幕末の遊撃隊・人望あふれた人材)
        27歳の生涯を幕府側で支えた金銭は吉原の小稲が三百両を出す
        山岡鉄太郎と口論しあくまでも幕府側での徳川存亡を願った
    大石内蔵助(赤穂の家老)
        喧嘩両成敗からお家復興を夢見た、無駄でも再興を最後まで願った
    西郷隆盛(明治政府の犠牲者)
        明治の元勲達の秘密を漏らさず他界
        石川静正の描いた西郷の肖像画(添付)
ー時代小説の裏話
    赤穂浪士の討ち入りは旧暦暦では12月15日ではなく1月31日となる
    鳥居強右衛門のハッタリと無惨な磔は「裏ぎ李」は無く忠義をまっとうした武将



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