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親心・子育ては「親の修行」『山本周五郎作品集19』

2021-07-27 07:48:50 | 歴史から学ぶ
@「菊屋敷」運命、人生には幸運も不運も同時に来ることがある。親の家業を続けることで婚期を逃し、妹の息子を母親がわりで育てる。恋文をもらうが会う機会を逃し、息子同然に育てたが最後には親元に返すことになる。
文中にある「女は子を持って初めて本当の女になる」は強烈な印象を得た。それは親が子に対する育て方、親のつい出てしまう甘やかしなど子がいる事で「家族」は全く違った「人の役割」を導いて行くという事。夫の役割、妻の役割、子供に対する教育などなど。親が見る子供の世界、親が夢見る子の将来、親からの躾、教育は非常に難しく、本文の親の気持ち(子育ては修行)は参考になる。
『山本周五郎作品集19』山本周五郎
「豪傑ばやり」
豪傑として名を馳せた侍があろう事か石数を5百石増やしたことで鞍替えし召し抱えられた。だが始終酒飲みばかりで真の武将なのか回りの者が疑いを持っていた。ある日試合になると化けの皮が剥がれ、実は名ばかりの偽物だということが分かった。それは本物が登場しその試合に勝ったことで全てが明るみに出た。「大切なのは人ではなくその名だという」を信頼し恥を描いた旗頭だった。(見かけ、噂で信頼・見掛け倒し)
「矢押の樋」
干害と冷害が3年続き、農民は土地を捨て逃げ出す間際、藩は江戸表に使いを出し米を買う為の提言をしたが断られ一人の侍(兄)が責任を取って切腹、その弟が考え出したのは城の内濠の水を樋口を通して水を田畠に分け与えることを提案したが、掟で石でも動かすことは出来ないと家老が拒否、弟は全責任を負い田畠に水を通し農民の不満が鎮静した。 (人の命が大事か掟か)
「菊屋敷」
村塾の主人(父・儒官)が亡くなり残ったのは姉妹。姉はその塾を復活、継続させようと筆算、算盤から青年達に教えを始めた。妹は塾にいた青年の嫁に嫁ぎ、2子の母親になった。だが、夫の都合で遠方で勉強する為と長男を姉の元に置き遠出する。やがて姉にはその長男の教養を始め塾の経営で多忙となる。すると塾の青年の一人から恋文が。だが、誰なのかも知らず、江戸からの捕縛使者に塾の青年達が捕らえられ、その恋文が誰ものもか知らず、終わる。さらに妹の一人息子が亡くなり長男を返してほしいと願い出る。母の思いと長男の志から長男を返すことに。(親心と養育)
「女には女の生き方がある。慎ましく生きるのが女の嗜みだ。女は子を持って初めて本当の女になる」
「子供は教えられることよりも、教えまいとすることの方を素早く覚える。こちらが膝を正して訓すことは聞きたがらない。しかし例えば寝そべって話す気楽な話はよく聞く」
「子供が従えば従うほど、いじらしいという感情が激しく心を責める。かわいそうにと思うあまりつい甘やかしたくなる。しかしそれは子に対する愛にはならず寧ろ自分の感情に負けるだけなのだ。親が自分を甘やかすに過ぎない・・」
「親のすること、考えること、まるで鏡のように、母親の挙措行動がそのまま子供の上に反映するのである。子供を育てるということは自分が修行することだ。」





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