@囮捜査で一網打尽。よく刑事物、捕り物である話だが大きな賭けだ。ここでも長谷川平蔵が同心・書誌役である里見梧郎と組んで江戸を大火で消滅させる企みをした盗賊一味を一網打尽する。様々な悪巧みを暴き、解決していく。その「戦法」を解くのはやはり知恵と経験だと感じる。どの時代でも貪欲な人物が権力を持って現れる。が、最後には権力が災いのもとになり終わる。誰かが犠牲になり、誰かがそれを阻止してきたことで時代が変わってきた。 話は変わるが、現政府は企業に対して定年退職の年齢を引き上げさせ、労働者の残業を止め、賃金を上げさせている。が実際労働者の手取りの金額は、様々な新税等でその昇給分は瞬く間に消えてしまっている。経営者にとっても労働者にとっても難題である。国は税収が増えて予算が確保できれば何の問題もない。そんな国家予算は「既得権」が行使され、減るところか毎年積み上がり、続々と新税が創設され、さらに過去の税金項目の見直しも消滅もないのだ。(復興税など)常に国家予算の増収を目論み、中小企業・国民への緩和・減税は殆ど無くなった。 そんな「既得権」は予算の振り先との関係から官僚・政治家の地位を確保・保持する為なのかと思う。厚労省の不正調査も「既得権」「権限独占」があるから改善、見直しができないのだ。
『大江戸焼尽』瀬川貴一郎
- 一年前、盗人の口入屋を始めようとしていた庄右衛門の配下が、再び火付盗賊改方の書誌役・里見梧郎の目の前に現れる。探索を進める中、老中・松平定信が推し進める寛政の改革で決まった華美禁止令のあおりで失業した花火師たちの失踪が明らかになる。これらは何の符号なのか。梧郎は長谷川平蔵の名を受け、危機迫る江戸の町を守れるのか
- 「枯れ尾花」
- 下柳由佳は梧郎に好意を寄せながら平四郎と結婚、その後未亡人に。なぜか由佳が闇討ちに会う。なぜか梧郎の関係する旗本江藤家を梧郎の母が関係を持っていた。母は由佳を梧郎と夫婦にしようとしていた。
- 「安心な隠れ家」
- 旗本屋敷には与力・同心は踏み込めない、そこに目をつけた盗賊団が力の衰えた旗本屋敷を占拠、隠れ家にして盗賊を繰り返す。それは旗本屋敷にいた家臣全員を退去させ空き家とさせて踏み込む戦法だった。
- 「盲目の剣士」
- 田沼意次失脚後、恨みを買った一橋治済と忍者と盲目剣者の暗殺計画。将軍家治の時には田沼主殿守意次と民部卿一橋治済は密な関係であったが、将軍の世子家基が亡くなった後双方の利権が揺らぐ。そこに現れたのは盲目だが剣術の腕前を持つ雇われ者が梧郎と対決する。それは火花を使った戦法だった。
- 「大江戸焼尽」
- 盗賊の残党が花火師を利用し一橋治済と松平定信の屋敷を含め江戸中を大火させようと計画を立てた。江戸が大火で焼失すればその再建に大阪の商人と金が動くことを企んだ。平蔵は町の大店を一斉に改めた、それは一度改めが入ると二度と改めが入らないことを悟った盗賊が花火玉を仕掛ける場所として絶好の機会と睨んだからだ。ところがそれを逆に平蔵は犯人を捕縛できるように仕向けた罠だった。
- 「御三家」とは水戸家・紀州家・尾張家
- 「御三卿」とは一橋家・田安家・清水家
- ここでは長谷川平蔵の命で里見梧郎が様々な刺客の計画を暴き、盗賊・刺客忍者と勝負する。 話は田安家の7男定信(松平定信)を将軍に推挙しようと老中田沼意次と一橋治済が企むが、将軍が変わり、松平定信が政策を実行することになり田沼が失脚、すると田沼が一橋の所為で失脚したことを恨み刺客を出し様々な事件を起こす。
- 梧郎は行きつけの飯屋の女将お純と夫婦になるが、未亡人になった由佳との関係もあった。旗本と飯屋の女将との結婚は身分差別で可能ではなかったが、別の旗本の養女にすることでめでたく嫁入りする。
- 隅田川の花火は両国広小路の「玉屋市郎兵衛」と横山町の「鍵屋弥兵衛」が例年5月28日から8月28日の3ヶ月、注文があれば毎晩花火が打ち上げられた。惜しくも華美禁止令で中止されていた。
- 明暦の大火は北西の大風で大被害を受けた
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます