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職権乱用に対する処置とは『樅の木は残った』

2021-06-30 07:55:47 | 歴史から学ぶ
目的を達成する為に職権を奮う、罠をかけ、邪魔者を殺戮、または毒殺などで周りを言いなりにしていく様はこの江戸時代普通の出来事だった。幕閣以下、いくら不正があるからと言っても裁断を下す幕閣が邪悪なものであれば裁きはどうにでもできる時代には戻りたくないものだ。権力には権力しかないのか。現代、法権国家としてやるべきことは国民の意に沿った改革、改善、復興、開発をすることだ。だが現実この小説にある「権力+金+名誉」をそのままに動く政治体制、独裁的職権判断(数人の3流内閣)はいかがなものかと思うのは私だけだろうか。
森友学園問題、赤城ファイルなど頂点で指示したのは誰なのか明白なのに1年半以上もかかる日本の組織は既に腐っている、と思うのは私だけか。
『樅の木は残った』山本周五郎
江戸時代。仙台藩伊達家のお家騒動を基にした歴史小説。何も語らない孤高の樅の木と、藩を守るため尽力した原田甲斐の人生を描く。藩内の権力闘争。伊達家の乗っ取りを企む伊達兵部。大名の弱体化を狙う幕府の重鎮酒井雅楽頭(酒井忠清)。張り巡らされた罠をかいくぐり、困難な状況のなか活路を見いだそうとする原田甲斐
人は権力(職位)を持って周りを定め、思い通りに動かす。 幕府の藩取りつぶし策は力を持った大名に対しての戒めで、場合によっては藩を分散させ、潰すことも策として考えられた伊豆守の提案であり、遺言でもあった。
それを利用して次期仙台城主を自分の養子を含めた親類家族を当て、幕府幕閣が後押しし横取りを企てたのがこの小説である。仙台伊達家の世継ぎで騒ぎをでっち上げ幕府の筆頭老中の酒井雅楽頭と伊達兵部一ノ関らが藩を分断させ、半分を我が物にすることであった。
ー藩内で若き城主の食で毒見役が亡くなると事が始める。その知らせは直ちに甲斐に届き噂を揉み消しに動く。雅楽頭等は藩内の身内同士を戦わせる騒ぎを利用してくると甲斐は読み、次の狙いは一ノ関の溺愛の子であると逆に煽りあげた。
甲斐は雅楽頭、一ノ関の懐に入り情報をえるべく仲間の多くを騙し裏切り者と噂を立たせた。一番入魂していた武士の葬儀にも出ず周りを騙し続けていた。だが、最後まで雅楽頭は甲斐への疑いを持っていた
ー毒見役を勝って出た弟子、国老の友は病気で亡くなり、自分の身の回りを世話をしていた家人が疑惑をもらて追放、さらに甲斐の子が家中を2分化させる罠にハマろうとしていた。それはずっと前から甲斐の懐に一ノ関の内通者が付き纏っていた。藩で共にした友がまた罠にハマり斬首される。
ー陰謀を企てた雅楽頭と一ノ関、それに関わった久世大和守の密書は盗み出され甲斐の手に、いよいよ老中評定の日にそれを上告する準備をしていた。だが、当日雅楽頭が場所を自分の屋敷に変更し闇討ちする計画を立てていた。
ー審議が始まると雅楽頭の家中が甲斐初め伊達家全員を殺戮に動き出す。甲斐は自分が仕掛けた策略だと、あくまで伊達家温存を願い撃たれ死に。「甲斐は逆臣」だとされたが藩は温存することになった。



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