@「ネット世論」本書は無記名で誰もが利用できる「X」の調査資料・分析である。そこから見えるのは利用頻度と信頼度において、若い層は圧倒的に動画を含むネット情報を多く利用、だが信頼性は全層において未だマスメディアになる。ただ若い層で増えているのがメッセージアプリである点が今後「選挙」などにも影響力が出ると予測できる。但し、課題は発信元は基本的に「無記名」であり関心のある人だけが勝手に言い振り撒くという現象を如何に捉えるのかだ。さらに誹謗中傷など敵対視した異論が飛び交う(炎上)事も今後要注意だ。最近富にマスメディアがネット情報を転送、コピーして利用する頻度が増えており、フェイクニューズがマスメディアにも拡散されることへの不安もある。もう一点、気になるのがトランプ大統領のような「自己都合主義」がネットで世界に拡散されることへの懸念だ。
『「ネット世論」の社会学』谷原つかさ
「概要」「民意」を作るのは、わずか0.2%のユーザだった! ネット上で多数派に見える意見は、必ずしも実際の支持率や選挙結果とは相関しない。SNS時代の「常識」にも思えるこの乖離は、なぜ、どのように生まれるのか? 思い込みや偏見を排した定量的なデータ分析に基づき、日本における「ネット世論」の構造や実態を明らかにする。国政選挙・首長選挙から、旧ジャニーズ事務所性加害問題までを徹底解剖した快著!
ーネット世論vs選挙への影響
・必ずしも相関関係は見えない(ネット上の意見と選挙結果は一致しない傾向)
・「世論」には社会を代表する普遍的な民意という側面と、個人個人の勝手な信条表明がある
・ネット世論は能動的「聞かれてもいないものに言いたい人だけの意見」
・自分の気に入らない情報を「フェイクニュース」と呼んで非難する(輿論vs世論)
・ソーシャルメディアは感情を伝染させる(社会運動の時代へと動き始める)
・ネット上でのデータはアルゴリズムで情報を収集・編集(アルゴリズム次第で現実との相違)
・ネット世論は読みやすく拡散されるが信頼性に欠ける(ファクトチェック無視)
ー現実の利用者層
・10代から20代の若い層は動画共有を多く利用、次にSNS
・50代から60代の壮年・老齢者はマスメディを利用
・信頼度に関しては幅広い層でのマスメディア・ネットニュースを利用
・10代から20代の信頼するメディアはメッセージアプリが増加傾向

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