今月、謎の「ホームページ」が立ち上がった。
その名も、
このサイトの運営は、「NPO法人全国おやこ福祉支援センター」という団体。
大阪を拠点とする団体みたいだ。
このセンターの代表は、阪口源太さんという方。
IT企業の社長さんらしい。
サイトの組織情報を見ると、
役員構成 在籍:9名 資格:医師 弁護士 看護師 社会福祉主事 行政書士 他
社員構成 在籍:14名 資格:医師 弁護士 社会福祉士 保育士 看護師 行政書士 他
と書いてあるが、実名は阪口さん以外出ていない。
社会福祉士や保育士が挙がっていることは興味深い。
それに、施設養護を中心とする現行の社会的養護に異議を唱え、家庭的養護の重要性を指摘している点も興味深い。
それを、NPO法人でやろうとするその姿勢もいいな、と思う。
でも、手放しで喜べない自分もいる。
***
このサイトを見ていて、思ったこと。
①このサイトは、民間の養子縁組あっせんサイトである、ということ。(民間の養子縁組あっせんは既に行われている)
②よって、「赤ちゃんポスト」ではない。
③お金のやり取り(200万円)が大々的に明記されているが、現行法的には、問題は(一応)ない。
④養子縁組の手順や匿名性の有無など、不透明な点が多い。(最初の入り口は「ペンネーム」でよいが、その後、匿名性が守られるのかどうかは不明)
⑤かつて菊田医師が新聞に「あっせん」を呼びかけたことがあったが、それがインターネット上で行われたということ。
⑥ただし、菊田先生は自らの医師免許はく奪を覚悟して行ったが、このサイトは、阪口さんの名前こそあるが、責任の所在がよく分からない。
⑦鮫島さんらによる「養子縁組あっせんサイト」と比較すると、よいかもしれない。せめて医師の名前や提携病院などの名前は明記しておくべきではないか!?
⑧赤ちゃんポスト=Babyklappeは、実質的には開閉式のオートロック型の扉と温かいベッドのことを言う。
⑨また、赤ちゃんポストは、養子縁組ともかかわるが、一時保護のニュアンスが強く、養子縁組あっせんのために設置されたものではない。
⑩ゆえに、言葉の使い方として間違っている。
⑪「インターネット養子縁組あっせん」であれば、名前とやっていることが一致して、問題はない。
***
単なる話題づくりのための一環か?
それとも、新しい匿名支援の試みか?
このサイトだけでは、まだよく分からない。
間違った使われ方をして、問題が大きくならないことを願う。
赤ちゃんポストという言葉自体がセンセーショナルなので、注意が必要。
それから、今のこのホームページの状態で、本当に困った緊急下の妊婦が果たして本当に利用するのかどうか。
「誰にも相談できない」、「誰にも知られたくない」という心境を十分に配慮しているものなのかどうか。
また、医療機関での安全な出産をきちんと保障するシステムになっているのかどうか。
実名/匿名の問題はどこまで考慮されているのか。
しばらく見守りたいと思う。
個人的には、まだYESともNOとも言えないかな。
グレーゾーンではあると思った。
***
みなさんはどうお考えになりますか?!
意見聞かせていただけると嬉しいです。