Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

◆MERRY→メリー◆for Japanese sheeple◆待望の初ミニアルバム!

2019年、MERRYは再び「メリー」に戻りました!

メリーとして結成されたバンドは、後にMERRYになり、そして再び「メリー」へ。

僕的には、「黒服系バンドの真の継承バンド」と捉えております。

正統派の黒服系~V系バンドは、現在だとメリーとlynch.かな、と。

D'ERLANGER系を継承したメリーと、

LUNA SEA系を継承したlynch.、と。

前作【エムオロギー】もホントカッコいいアルバムでした。

「若手」と思っていたメリーも、もう結成18年(Σ(゚д゚lll))

立派なベテランバンドの域に達しつつあります。

カリガリ・メリー・ムックと「カタカナ系ヴィジュアル系バンド」。

どのバンドも、現在進行形で活動を続けています。(結束も強い!)

その後に到来する「ネオ・ヴィジュアル系バンドブーム」。

ガゼット、ナイトメア、アリスナインetc、色々と出てきました。

その後、ネオV系ブームも終わり、、、

というか、音楽業界全体が激変したんですよね。

ネット、スマホの進化と共に、姿を消しつつある「CD」。

衝撃的だったのは、「ウォークマン」に始まる携帯音楽機器がなくなったこと。

数年前に「i-pod」も生産停止となったみたいです。

もう、今の人たちは、携帯音楽機器をもっていないんです。

スマホにダウンロードした音源を入れて、それをBLUE TOOTHのワイヤレスイヤホンで聞く。

CDショップもこの10年で激減したように思います。

CDの売り上げが期待できない音楽業界は、イノベーションが不可避となりました。

バンドマンたちは、ライブでの物販や「チェキ」での撮影に力を入れるようになりました。

特にV系の場合、「孤高感」が大事だったのですが、今はみんな毎日ツイッターを書き書き…。

バンドマンとファンの距離も(よくも悪くも)縮まりました。

今の時代に僕が若者だったら、バンドマンはまず目指さないかな…。

それくらい、状況が激変したと思います。

その中で、当時のスタイルを貫きつつ、柔軟に変化しているのがメリーでは?、と。

今年、名前を結成初期の「メリー」に戻し、更なる変化を宣言しています。

その「証明」となるのが、4月17日発売のメリー初のミニ・アルバム、

for Japanese sheeple

でありましょう!

結論から言うと、めちゃめちゃ震える素晴らしいミニアルバムでした!

楽曲の良さ、バランスの良さ、曲の展開の良さ、

ガラのボーカルの良さ、結生君初の作詞曲、…

毎回、素晴らしい作品を届けてくれていますが、今回も素晴らしかった!

個人的に好きな曲調の楽曲ばかりで、大興奮でした\(^o^)/


YouTubeで全曲視聴できます!!

(この辺も、今風だよな、、、)

[DISC 1 : CD]

01. Toxicosis Island
02. 匿名希望
03. Kamome Kamome
04. 【人間曲芸坐】
05. sheeple
06. 最後の晩餐
07. sheeple Living Dead Remix by Miya (MUCC)

[DISC 2 : DVD]

MERRY二部制ライブ「扇動歌謡祭」
二部 【現代】MERRY
2018.5.12 恵比寿ザ・ガーデンホール
01. Black flag symptom
02. 犬型真性MASOCHIST
03. gaudy
04. ニヒリスティック
05. 絶望

<IN-STUDIO FOOTAGE>
for Japanese sheeple (Scenes From Recording)


【全曲解説】

01. Toxicosis Island

いきなりギターとベースのユニゾンで幕を開けるメリーの新作。タイトルは、「中毒島」!? ガラと結生の共作になっていますね。言葉遊び的な要素の強い曲で、面白いです。かつてのメリーの曲のタイトルも散りばめられていて…。D'のkyoちゃんも前によくやってたかな。わりと「緩急」を使い分けた曲というか、結構展開の激しい曲というか、、、。ま、これは、もうPVを見て、聴いていただくのが一番かな。

結生と健一のギターのコントラストがとっても気持ちよくて、聴き入っちゃいました。もちろんネロのド迫力ドラムも健在。サビの歌詞がなんともタイムリーで…。「ヒステリックの果ては落下したプライド 平成もマボロシ 途方のゴミを散らかして」って。平成の終わりを感じる平成最後のミニアルバム。「MERRY」から「メリー」に戻ったメリー。初期衝動的なパワーも感じる一曲目でした。結構ゴージャスなロックサウンドになっていて、素敵ですね。「此れは始まりなんです」ってところが一番の聴きどころかな!?

02. 匿名希望

かなり印象的な一曲がここに登場します。ヘタしたら「演歌」になってしまいそうなほどに、メランコリックな歌謡曲風サウンド。ガラのボーカルにかなり深くリバーブがかけられていて、そこがとっても気持ちいいです。リバーブ最高! でも、いきなり「敷かれたレールに乗って 笑って生きている そうしているのがいい」ですからね、、、(;´・ω・) その後、短いイントロの後のAメロもなかなかショッキング。「今日も中央線は人身事故の影響で遅延している また一人 間に合うかな?」、と。ここの「間に合うかな?」の意味が分からなかった(汗) 毎度ながらに、ガラの歌詞は本当によく分からない…(ディルの京の歌詞も難解極まりない)。匿名希望なのは誰なんだ? 一応「僕」が出てくるから、「僕」なんだろう。で、「僕」は誰? 「放っておいてくれ 居場所は此処でいいんだから」と言うから、きっと放っておいてもらいたい人なんだろう。…なんど読んでも理解できなかった…(;;)。特に「知らない誰かを気にして 自分を抑えるだけでいい現状 楽だよね」ってところ、それ、楽なのか?と突っ込みたくなった。辛くないか? それとも、この一文自体皮肉なのか? …最後の「掠れた声 心のブルース 虹色人生 みんなそうだろ?」というフレーズは、なんか直感的にカッコよかった♪ 

03. Kamome Kamome

ここでようやく「ラブソング」♪ なんか結成初期のメリーっぽいイントロがなんか懐かしい感じで…。ギターの音はかなり現代的だけど、でも、曲の印象としては、かつての「昭和歌謡時代」のメリーを彷彿させるというか。でも、サビは、四つ打ちビートで、ダンサブル。昭和歌謡とダンスビートを混ぜた感じ(って、それ、僕のNEIN!の方向性じゃん…(;´・ω・)) サビでもっと突き抜けると、ヒットしそうだけど、そこを「哀愁」で満たしちゃうところが、メリーっぽいかも。そして、サビ後のCメロ後の最後は、ダンスビートを放り出して、メリービートに変わります。ここ、カッコいい!! ダンスビートで終わらせないところが、メリーっぽいというか。サウンド以上に、歌詞は演歌的な叙事詩的な男と女の世界。いいですね~~~\(^o^)/

04. 【人間曲芸坐】

ここで、ちょっとクールダウンかな。これまでのメリーにはなかったアプローチでは!? ドラムの「タタタタ…」の不気味なリフレインが(メリーファンには)心地よいです。insane…と不気味なコーラスがリフレインされるんだけど、そこもまたおどろおどろしい。サウンドも歌詞も、退廃的でデカダント。メインで歌うガラのトラックとその横でつぶやくように囁くガラのトラックが重なっているところもまた、90年代のヴィジュアル系を感じさせて、気持ち悪い(いい意味です!)。サビの「君の笑顔が見たいだけなのに どうして不幸にさせてしまうのか」という言葉が刺さりました。なんかの物語を歌っている感じでした。(しかし、歌詞の内容がよく分からん…汗)

05. sheeple

そして、このアルバムのクライマックス。限定販売でシングル化されているので、既に発表されている曲(僕も何気にもってます♪)。sheepleは、「羊×人間」を示す造語。イントロのやや不気味な日本音階(民謡音階?!)っぽいギターリフが印象的。Aメロは、メリーが得意とするスピーディーなメロディー。「ジリジリと六月の雲に隠された黒い太陽」と来たら、僕的にFanatic Crisisしか思い出せない(苦笑)。黒い太陽、V系バンドマンが好きな言葉ですよね。BUCK-TICKは「狂った太陽」ですけど…。そして「探し物は何ですか? 探し物は何ですか?」と問いかけてきます。歌詞だけを見ると、井上陽水さんしか出てきませんが…(;´・ω・) Bメロの「前が見えないなら目を閉じてしまおう」という歌詞も、メリーらしくもあり、今風でもあり、と。90年代なら、「前が見えないならぶち壊してしまおう」だったと思います。でも、「不安」と「絶望」が空気を支配する今の日本では、「目を閉じてしまおう」なんだな、と。宮台先生的には、「見たいものしか見ない」かな…。「目を閉じてしまおう」という何気ない一言に、今の時代の日本人のリアリティーを感じました。続く「咲き方忘れた花 散る事もできなくて」というのも、とっても今風に感じました。かつてLUNA SEAは、「時代が生んだ幻の華 毒を風に乗せて狂い咲く」と歌いました。今は、咲き方も忘れ、咲くことも散ることもできないんだな、と。羊×人間、この真の意味は、ここにある気がしてきました。「僕はこのまま消えるのかな?」と歌うところがこの曲の聴きどころ!? その後の若干の「空白」がちょっとドキリとします。この心情も今の羊化した日本人によく合っている気がします。あと、この曲の裏で響いているシンセのストリングスがとっても美しくて綺麗です。

06. 最後の晩餐

綺麗なシンセの音で始まる今回の作品の「最高傑作」と言ってよいでしょう! これはライブの最後に聴きたい。90年代のヴィジュアル系のラストソングっぽい感じの勢いある素敵な曲。歌詞的にはどこまでも退廃的だけど、楽曲的にとてもポジティブ。なんか、かつての「ポジティブパンク」っぽい(歪んだ)自己愛を感じる曲かな。「息もつけないこの世界で生きている 限られた時間の中 下らない命を満たして」というフレーズがとっても印象に残りました。この歌詞は、(意味的にちょっと分からないけど)直接的に心に響きました。でも、なんで「最後の晩餐」なんだろう?? ガラの歌詞の解釈の難しさはここでも…(;´・ω・) 音的には、ギターの音は控えめで、わりと鍵盤を前面に出している曲で、僕は好きだなぁ、、、。キーボードはやっぱ、僕的には必要だから。いずれにしても、メリーの曲は、真夜中に真っ暗な部屋の中で独りで聴きたいものです。うん、これぞ、ヴィジュアル系の正しい音楽の聴き方なんです\(^o^)/

07. sheeple Living Dead Remix by Miya (MUCC)

メリーと同時代に産声を上げたムックのミヤがリミックスしたsheeple。遊び心がかなりある仕上がりに、ニヤニヤしてしまいました。鍵盤+シーケンサーをわりと自由に入れている感じですかね。ギターのリフがピアノになっているところも聴きどころかも。それ以外にも、気づきにくいところに色々と音を入れたりしているので、そこを是非楽しみたいですね。


今のヴィジュアルシーンの中で、もはやベテランの領域に入りつつあるメリー。

でも、結成時から応援している僕としては、「まだまだこんなもんじゃないだろ!?」って思ってしまいます。ガラの歌は、もっともっと多くの人に届くべきだと心から思います。こんなエモーショナルなボーカリスト、なかなか他にいないと思います。

確かに、メリーが結成された当時と比べても、今の「ロックシーン」は、極めて厳しい状況にあります。CDは売れない、音楽番組がTVにない、雑誌もほぼなくなった、ネットで配信しても多くの人には届かない…。マス・メディアも、今のロックシーンには、とても冷たく感じます。ハードなロックバンドにはもはや出演可能な番組がない。ドラマやCMのタイアップを取っても、それで「ブレイク」が約束されているわけではない。CDを買わない時代には、もはや「ヒット」も何もないんです。

どうしたら、メリーの楽曲が世の中に広まるんだろう? どうしたら、届けるべき人に彼らの「歌」は届くのだろう。

今回はミニアルバムでしたが、逆にミニアルバム故に、シンプルにぎゅっと彼らの魅力が詰まっているように感じました。いいアルバムだと思います。かつてないほどに、キャッチーで、でもクセも毒もあって…。

「生きるのが辛い」、「朝が来るのが怖い」、「何もかもが嫌だ」、「死にたいって思ってる」、「もう明日が見えない」っていう人がいたら、そっと彼らの音に触れてみてほしいです。ガラの切ない声、そして独特な歌詞に、何か変わるきっかけを与えてくれるかもしれません。ガラの歌は、本当に心に響く「何か」があると思います。その声に、身を委ねてみてほしいです。

最後に僕が大好きな一曲を。

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