*あまりタイミングがよいとは言えない時期でのupですが(かなりタイミングが悪いですが)、
北を逃れた人と思われる方のお店なので、そのままブログでupすることにしました。
どことも戦争にならずして、東アジアにいつか真の平和が訪れることを祈念して…
国としてはともかく、そこでも、一般の人がいっぱい暮らしているんですよね。どこであっても…
先週の火曜日、一つ、大きな経験をしました。
前々から、「ドイツにも、北朝鮮の人がやっているレストランがある」ということは聴いていました。
旧東ドイツの流れからか、ドイツと北朝鮮の間には、「国交」があります。
なので、北朝鮮の人がドイツで働いていてもおかしくはない…
ハンブルクは、ドイツ第二の大都市。
北朝鮮レストランがあるとすれば、ベルリンかハンブルクか…
また、北朝鮮レストラン系のレストランには二つの可能性が考えられます。
①外貨獲得のために国が推し進めている北朝鮮レストラン
②脱北者が個人で経営する北朝鮮レストラン
どちらのお店なのかで、ずいぶんとトーンは変わってきます。
…
それにしても、、、
北朝鮮系のレストランって、いったいどこにあるんでしょう!?
で、僕のお気に入りの「KIM CHI」の店員さんに、聴いたんです。
「ハンブルクで、北朝鮮の人がやっているレストランってありますか?」って。
そしたら、「ありますよ」、と!!
で、教えてもらったのが、こちらのお店でした。
Jin dal Lae
というお店でした。
(かなり詳しく教えてもらいました)
漢字だと、金达菜(つつじ)。
googleで「金达菜 北朝鮮」で検索すると、こんなサイトも出てきます。
場所は、U2でOsterstrasseに行き、そこからバスで4駅。
庶民的な住宅街?の一角にありました。
なかなか、薄暗くて、無音で、入るのが躊躇される雰囲気です。
夕食時なのに、お客さんも一組しかいませんでした。
大丈夫かなぁ、、、
でも、最も謎のベールに包まれた北朝鮮の「味」を実際に確かめたい、
その気持ちも強くて、勇気を振り絞って、お店に入りました。
店内はこんな感じです。
やっぱり、暗い、、、
ただ、ドイツのレストランって、夜はどこもこんな感じといえばこんな感じ。
人がいっぱいいれば、普通に感じるのかもしれません。
お店に入ると、初老のおばちゃんが「こちらへどうぞ」と案内してくれました。
そのおばちゃんの息子さんと思われる店主さんも僕らを見つめています。
最初、朝鮮半島の言葉で話しかけられました。
が、分からないので、少し慌てふためきました。
僕が「Koreanischはできない」と言うと、ドイツ語で話してくれました。
で、「どこから来たの?」、と。
え、それ、答えていいの!?
日本って言っていいの?
恐る恐る、「Aus Japan(日本から)」と答えると、、、
なんか、普通に「スルー」な感じでした(苦笑)
でも、、、
朝鮮の言語で書かれた紙のテーブルマットのとなりに「日本語が書かれたお箸」が…
日本だろうが、北朝鮮だろうが、韓国だろうが、同じ食文化圏なんだよなぁ…と。
しかも、北朝鮮の冷麺はとてつもなく美味しいって聞きます。
そうなると、麺マニアとしては、どうしても食べたくなる。
(ようは、北朝鮮のラーメン(冷麺)を食べたいってだけなんですけど…)
メニューです!
色々ありますよー。もちろん、麺(面)もばっちり。
冷面(Naemg Myeom)は一杯、11,50€。
1500円超えですね。まー、スイスに比べりゃ安いもんです(苦笑)
さらに、注目すべきは、18の「海鮮湯麺」。
朝鮮語的には、なんと「Cham Pomg」、
つまり、
「ちゃんぽん」!!
ちゃんぽんがあったんです。
Cham Pomgか、、、
意味を聞くと、「いろいろと混ぜる」という意味だとか、、、
まさに、ちゃんぽんだ、、、(;´・ω・)
もしかしたら、長崎ちゃんぽんとは異なる平壌ちゃんぽんとかあるのかも!?
だとしたら、それもいつか食べてみたい、、、
さて、、、
まずは、こんな感じで、、、
さすがはコリアンレストラン。
キムチ他、5種類の前菜が(無料で)出されます。
どれも、ずば抜けて美味しいです。
キムチに関しては、かなり独特な酸味があって、強烈でした。
でも、それほど無理な味でもなく、食べられました♪
…
そして、、、
ジャジャーン!!!!
こちらが、冷面であります!!
かなりイメージと異なる「冷麺」ですよ。
スープはしっかりあるし、トッピングの具も塔になって、どーんと盛られています。
「な、な、なんじゃこりゃ!?!?!」
驚きのヴィジュアルでした。
スープは、すっきりとしつつも、シャープなキレのある味が印象的でした。
とてもクリアなスープで、しょっぱさと甘さも結構際立っています。
錦糸卵もとても丁寧に作られていて、安心の美味しさでした。
zoom up!
ねぎ、もやし、きゅうり、チャーシュー、卵、そして、辛味のある調味料。
店主さん曰く、「これを崩して、混ぜて、食べてね!」、とのこと。
これ、崩すの、もったいないなぁ、、、(;;)
かなり、アーティスティックなヴィジュアルになっています、、、
上の調味料が溶けて、徐々に刺激的な味に変わっていきます。
「味変系」じゃん、、、
麺は、こんにゃくみたいな色をした麺でした。
うん、これはまさしく、冷麺の麺だ、、、
プリプリっとしていて、弾力性があって、魅惑的な麺でした。
日本の麺とは明らかに違う、味、食感、ヴィジュアルの麺で、面白かったです。
で、混ぜ混ぜすると、こんな感じになります。
すごい量の麺ですこと、、、
KIM CHIもそうですが、朝鮮半島の麺って、とにかく多いんですね、、、
かるくラーメン二杯分~三杯分の麺の量となっています。
この量は、特記すべきじゃないかな!?
これまでに食べたどの冷麺よりも、圧倒的な存在感を示していましたね。
そして、こちらが「Cham Pomg(ちゃんぽん)」です!
ヴィジュアル的に、日本のちゃんぽんと全然違う!!!
見た目的には、これ、「坦々麺」でしょ!?
でも、お味は全然違います!!!
いったい何をどうやって、このちゃんぽんを作っているのか、、、
一見、辛そうに見えますが、全然辛くはないですね。
むしろ、「美味しさ」が際立っています。
なんだろ、この美味しさ、、、
ゴマは入ってはいるけど、ゴマ味ってわけでもなく、、、
ラー油は使っていると思うけど、ラー油ってわけでもなく、、、
でも、まろやかで、甘みもあって、深みもあって、ホントに美味しいんです。
冷面は冷たかったけど、こっちは温かいです。
錦糸卵も付いていて、また、野菜もたっぷりです。
この野菜たっぷり感は、ちゃんぽんに通じるかも!?
麺は、まさかまさかの「太い平打ち麺」!!
これが、もう、驚くべき美味しさで、感動しました。
きしめんみたいな麺で、もちもちで、つるつるで、素敵な麺でした。
僕の知る限り、欧州の麺としては、最高レベルの麺じゃないかな、と。
しかし、この麺、どうやって調達しているんだろう!?
謎だらけ、、、
で、こちらが、Kimchi Jige(キムチチゲ鍋)です。
超ウルトラスーパー熱々のチゲ鍋です、、、
味も、かなりエキゾチック。
辛さと熱さが半端なくて、一気にチゲワールドに引き寄せられます。
本当に、熱さが衰えなくて、大変な鍋でした(苦笑)
でも、僕ら日本人の口にも合う、とっても刺激的な鍋でした。
やっぱ、朝鮮半島のグルメって、僕らには違和感がないんだなぁ、、、と。
政治的には、もうどうにもならないくらいに隔たりがありますが、、、
食的には、とても身近で、親しみやすいんですよね、、、
美味しかったです。
で、こちらが、「Ttok bok gi(トッポギ)」です!!
僕的には、多分、人生初となるトッポギ!!
韓国風の辛い餅の煮込み。
これが、もうとてつもなく美味しくて、食感が素晴らしくて、、、
もっちもちのお餅で、甘みと辛味があって、不思議な味わい。
まったりとしていて、濃厚で、どろっとした感じでした。
これは、クセになりそうだなぁ、、、(;;)
近々、日本の韓国レストランに行って、トッポギを食べに行ってみよう、、、
人生初のトッポギ、感動感動でした。
前菜?オードブル?に出てきた小皿の中に、こんなのがありました。
「え? これって、しらす(ちりめんじゃこ)の佃煮!?」…!?
味的には、僕らが食べる佃煮の味にとっても近かったです。
!?!?
いったいどうなっているんだ!?
なんで、朝鮮のレストランに、ちりめんじゃこの佃煮があるんだ!?
…(;´・ω・)
謎だらけ、、、
とてもとてもミステリアスで、不思議なお店でした。
が、とてもとても美味しい料理を提供しているお店でした。
…
こちらのお店が、本当に北朝鮮のお店なのかは確認できませんでした。
(とても、「どこから来た人ですか?」とは聴けませんでした)
ただ、一つ言えるのは、「とても静かで物悲しい雰囲気の漂うお店」だったということです。
はるか遠く離れたドイツの地で、高齢の母と中年の店主さんだけで営むお店。
そして、静かな店内に響く朝鮮語のラジオ放送。。。
あまり人の来なそうな雰囲気…
それと、こちらのお店は、「Asiatisches Restaurant」となっているんですよね。
なんか、それが「全て」を物語っているように思いました。
今、北朝鮮と周辺諸国との関係は、最も最悪な状態にあります。
日本のみならず、世界中で、北朝鮮の不気味さが広まっています。
日本内でも、ますます「北朝鮮」を懸念する声が大きくなっていくようにも思います。
政治的には、僕らは何もすることができません。
ただ、一つ、言えるのは、「朝鮮半島の料理はとても美味しい」ということです。
文化的に、あるいは麺文化を通じて、交流はできないものか、と。
どこかで誰かが言っていたけど、「僕らにできることは北朝鮮との文化的交流だ」って。
麺文化を通じて、両国の接触がちょっとでもできれば、素敵かなと思われます。
まだ、あと50年くらいは、アジア共同圏はできないと思うけど、、、
いつか、アジアの国境の壁がなくなって、EUみたいに自由に行き来できるといいなぁ…。
(あと200年は必要かな、、、)
1000年後、世界中が仲良くなって、ビザのいらない世界になっていたら…
1000年後、戦争がなくなって、皆が自由と平和と博愛に包まれていたら…
そういうことを言える人がもっともっと増えてくれたらいいなぁ。