窓の向こうは暗い。
私は部屋の中から真っ暗な外をただ眺めている。
”何か”がそこに居るのが感じられるから。
暗闇はまるで黒いラシャ紙を切って窓の向こうに貼り付けたかのように均一に固い。
”何か”が光った。
それはもがく様に羽ばたく四十雀で,まるで宙にピンで留められたかのように位置が変わらない。懇親の力を込めて羽ばたいているのだ。
四十雀が羽ばたくと蝶の鱗粉のような金色の極細かい粉がゆっくりと放物線を描きながら四方に飛び散ってゆく。
気がつくと四十雀が3羽、暗闇の中で見えないピンに留められていた。
目が醒てからも、バサバサと羽ばたく音がまだ耳に残っていて、朝のお茶一口が喉を通ると同時にやっと消えていった。どちらかと言うと不快な音だった。

我が家の白樺では四十雀やエナガが時には鈴なりにぶる下がるようにして賑やかなパーティーを催している。
私の目には見えないけれど彼等の食卓にはちゃんとご馳走が乗っているのだろう。
駒鳥やミソサザイなどもやってきて誇らしげに胸を張って歌う。
隣の猫は隙間からそれを見て手をこまねいている。なぜなら隣の猫が我が家のテラスに入るには180cmの板塀を飛び越えなければならない。彼等にとってそんな事は簡単な事だけど、板塀に飛び上がったときにどうしても大げさな音がしてしまうわけだから、さっと小鳥達は逃げてしまう。 猫-飛び上がる、板塀-ガタガタ、小鳥-逃げる、飽きもせずに繰り返している様子を眺めていたら、隣の猫が自分に見えてきた。
飽きもせずにいつも同じ事を繰り返している自分はいつか鳥を捕まえる事が出来るのだろうか?
私は部屋の中から真っ暗な外をただ眺めている。
”何か”がそこに居るのが感じられるから。
暗闇はまるで黒いラシャ紙を切って窓の向こうに貼り付けたかのように均一に固い。
”何か”が光った。
それはもがく様に羽ばたく四十雀で,まるで宙にピンで留められたかのように位置が変わらない。懇親の力を込めて羽ばたいているのだ。
四十雀が羽ばたくと蝶の鱗粉のような金色の極細かい粉がゆっくりと放物線を描きながら四方に飛び散ってゆく。
気がつくと四十雀が3羽、暗闇の中で見えないピンに留められていた。
目が醒てからも、バサバサと羽ばたく音がまだ耳に残っていて、朝のお茶一口が喉を通ると同時にやっと消えていった。どちらかと言うと不快な音だった。

我が家の白樺では四十雀やエナガが時には鈴なりにぶる下がるようにして賑やかなパーティーを催している。
私の目には見えないけれど彼等の食卓にはちゃんとご馳走が乗っているのだろう。
駒鳥やミソサザイなどもやってきて誇らしげに胸を張って歌う。
隣の猫は隙間からそれを見て手をこまねいている。なぜなら隣の猫が我が家のテラスに入るには180cmの板塀を飛び越えなければならない。彼等にとってそんな事は簡単な事だけど、板塀に飛び上がったときにどうしても大げさな音がしてしまうわけだから、さっと小鳥達は逃げてしまう。 猫-飛び上がる、板塀-ガタガタ、小鳥-逃げる、飽きもせずに繰り返している様子を眺めていたら、隣の猫が自分に見えてきた。
飽きもせずにいつも同じ事を繰り返している自分はいつか鳥を捕まえる事が出来るのだろうか?