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散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

ヴォイニッチ・マヌスクリプトについての本を買った。

2005-11-23 00:00:42 | 読書感想
イェ-ル大学の図書館にある謎の本について。

読めない本という全く冗談のような本がある。14~16世紀ごろに不思議な言葉文字で書かれた本で、中に挟まれた書簡が本物ならルドルフ2世が所有していたことになる。
15 X 23cmのサイズの羊皮紙230ページ に250.000の謎めいたシンボル、植物、女性像のスケッチがぎっしりと描かれているのだ。

私は先日、この本のエキスパートであるジェリィ・ケネディとロブ・チャーチルの二人がこの本について書いた本”Vonynich-code"を手に入れた。

1912年に古書商のWinfird Voynichがこの世にも奇妙な手稿をイタリアのモンドラゴーネ寺院でイエズス会士から買い取った。
神学者、植物学者、数学者達が寄ってたかってこの本の謎を解読しようとし、様々な説が発表されたが、まだどれも完全に成功していない。
実は失われた文明の遺産ではないのか? ウクライナ語を母音抜きで綴った狂人の戯言? 芸術的な天才的冗談?
(母音削除のウクライナ語で解読を試した学者は幾つかの意味のあるセンテンスを発見したのだが、その後失敗に終わった。)

第一部:正体不明の植物学的な内容。
第二部:星座、又は天文学的な内容。
第三部:生物学的な内容。(裸婦、管とカプセルが融合したような物。)
第四部:九つの円形図。(曼荼羅のようなもの。)
第五部:薬草学的内容。
第六部:表裏頁に続くテキストと星の図。

どう見てもうまいのかへたなのかわからないような絵である。
どこかの暇な変人が書いたのだと言われたら、そうなのかとも思う。ひょっとして誰かに担がれているんじゃないかとも思ってしまう。

実際、ヴォイニッチ自身が製作した、又はさせたという話もあり、かなりこの確立が高そうだ。このヴォイニッチと言う人自体ちょっと謎の人物であるらしい。
挿絵を見るとヒルデガルド フォン ビンゲンやクラナッハの"Der Jungbrunnen"のイメージの下手な盗用にも見られる部分あり、又、赤インクが現在のものと良く似ているのが疑わしいとか、まあ色々疑問が山盛りなのだが、科学的調査はまだなされていない。
挿絵を見る限りでは素人が描いたようにしか見えないけれど、問題はこの文字だ。
出鱈目であると言い切る学者も数多く、16世紀、ルドルフ2世が錬金術好きにつけ込まれ騙されて買わされたのではないかという話はいかにもありそうである。ルドルフ2世の宮殿に出入りしていた錬金術師エドワード・ケリーが捏造した可能性も高い。
中には出現頻度の高い単語が連続して現れる部分もあり、出鱈目説の可能性を高めているかと思えば"解読”出来たと思われる部分も出て来るのだそうだ。

”カルダングリル”という暗号作成表を使って作成したのではないかと考えているエキスパートもいる。
(*カルダングリル:穴の開けられたカードを文字チャートに被せて可能性ある文字列を探す方法。)

面白いでしょう。
兎に角かなり怪しい本なのだ。
出鱈目でも何でも、こういうのってなんだかドキドキしてしまう。
まだ本は読み齧っているだけだが、この本がヴォイニッチ・マヌスクリプトの謎を解き明かしたわけではない、謎を提供しているだけだ。
捏造説は高いが、解明されないのも夢があっていいものだ。

こういう本を自分で作る事が出来たら素敵だ。 すると数百年後に誰かが見つけて頭を悩ませる。 喧々諤々、さてはあの失われた謎の大陸の末裔がひそかに書き残した記録書ではないか?とかね。

私は今、夢の植物図鑑を作りたいと妄想、いや構想を練っている。 だとすると解説を暗号で書いたらいいのだな? 出来たら面白いけど、やはり難しいね。
構想を練って練って練りまくっているうちに構想も私も干からびてパラパラとはじけ飛ぶのかもしれないけど、まあ練るだけでもいいか。
こういうのは考えている時が楽しいのだから。