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ROKSANのつぶやき

独断と偏見に満ちた時遊人の日記

ハイエンドオーディオショウの収穫その2

2011-11-22 23:12:17 | オ-ディオ
井筒香奈江さんのCDに引き続き今度はこのCDです。

そうです、ORGANIST Kankawa です。
これも、発売されてから大分たちますので、タイムリーな話題ではありませんが、
私的には非常に驚きましたのでブログにアップしました。

このCDが発売されたことは知っていたのですが、まずオルガンのジャズはほとんど聴きませんので、録音の良さそうなCDであることは解っておりましたが、触手が動きませんでした。

丁度ハイエンドショウの会場で販売されていましたから、その場で聴く事が出来たのが購入の大きな要因です。
録音の良いことを打ち出したCDは演奏の方がいまいちの場合が多く、購入しても結局あまり聴かない事の方が多いからです。

しかしながら、このCDは違っておりました。兎に角、演奏が凄かったのです。
最初にMASTER CDR-Ⅱαを聴きましたので、通常のHQCD盤を聴きましたがスピード感、
音の立ち上がりが雲泥の差でHQCDの方はかったるくて聴けません。

そんな思いで購入したCDですが、仕事や何やらで
やっと日曜日の夕方仕事から帰ってお隣さんのいないことを確認した上で、少し大きめな音量でスタートしました。
ハイエンドショウの時のヘッドフォンでの印象では、物凄い立ち上がりのハイスピード再生でありましたので、
プレイボタンを押してから身構えておりました。1曲目のPrologueが始まりましたが、? と言う感じで拍子抜けしました。

剃刀で切ったような切り口の鋭い音がぶっ飛んで来るのかと思いましたが、想像とは全く逆で、柔らかな風のような低音が床を伝わってズーンと迫ってきました。このように柔らかでそれでいて存在感のある低音は今迄聴いたことがありません。

床からはしっかりと振動が伝わってきます。このようにエネルギーのある低音は今までなら部屋の飽和状態を超えておりますので
少なからずブーミングが起こっても仕方ないのですが、不思議にスーッと身体をすり抜けていくような低音です。こんな感覚も初めてでした。

これだけハイスピードな音なのにエッジの立った感じは微塵もありません。それだけ自然でライブの感じに極めて近い感覚です。
よく、「録音現場の空間をそのまま切り取った」と言うような表現をされることが多いのですが、その様なうたい文句のCDでも
実際、聴いてみるとそうでもない事の方が多かったのですが、今回のこのCD(CDR-Ⅱ)は今迄の物とは別格でレベルが違いすぎます。9800円と高価ですが、この音を聴かされると誰もが納得させられると思います。

曲が進むにつれこの感覚が大きくなっていくのが解ります。言い古された表現ですが「まるで録音現場に居る様な錯覚に襲われます」
普段、最新のヨーロッパ録音を聴いておりますので、その延長線上の音だと思っておりましたが、全く別のジャンルの録音だと思います。PCM録音のかっちりとした滲みなど無縁の張り詰めた録音とは違って、生そのもののに聴こえるような録音です。
DSD録音の為と思われますが、録音された情報量が段違いです。いくら録音が良いCDでもこのように奥行き感の良く再現されたものは無いと思います。空間にぎっしりと情報が詰め込まれている感じで通常のCDはこれに比べると隙間だらけに思えるほどです。

聴きこめば聴き込むほどにこの録音の凄さが肌をもって解ってきます。一人で聴いていると「誰かにこの音を聴いて欲しい」と言う思いが込み上げてきて、思わずRAYさんに電話しようと真剣に思ったほどでした。私的にはオーディオCDに於いて本年のナンバーワンだと思います。通常のHQCDを自宅のシステムで聴いておりませんのでどれほどの差があるのかは明確ではありませんが、出来ればこのMASTER CDR-Ⅱαを聴いて欲しいとおもいます。

PS DSDマスターからダイレクトカッティングされたアナログレコード4枚組、39800円も気にはなりますが・・・。