金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

「今ここ派」対「同窓会派」

2021年12月02日 | うんちく・小ネタ
 今度の週末は京都に行く予定です。目的は複数あります。一つは母の一周忌でお寺参り。次に京都南部の丘陵地帯や清滝付近にある京都トレイルの一部を歩くこと、こちらは現在の緩やかなつながりで繋がっている山仲間と歩く予定です。
 そして最後は大学山岳部同期生との同窓会。こちらは致仕の節目に一献傾けようというもの。
 そこでふと気が付いたのですが、男が誰かと集う時には「今ここ」という関係と「同窓会」という関係があるということです。
 同窓会というのは学校だけではありません。会社や業界団体、親睦団体など以前所属していた団体をベースにした集まりです。
 一方「今ここ」というのは、今何かをするために集まった仲間の集まりです。
 山岳部のOB会など「同窓会派」の最たるものです。一方今私が一緒に山に登っている集団は「今ここ派」の典型です。つまり所属組織や山の経験がバラバラの仲間がある山にのぼるためad hocなグループを作ると集まりなのです。
 私が色々な仲間を観察していると男は「今ここ派」と「同窓会派」に分類することができそうな気がしてきました。もっとも極端な「今ここ派」や「同窓会派」は少なく、「今ここ派」的色彩が強いとか「同窓会派」的傾向が強いという人が大部分だと思います。
 同窓会派のメリットは、気心の知れた集団なのでリラックスできることでしょう。一方ディメリットは、歳と共に仲間が少なくなっていくことと、集団から疎外された経験のある人は中々近づかないという点です。
 「今ここ派」のメリットは、直ぐに集まり何かをすることができる点です。ディメリットとしては、苦労を共にした人とのつながりではないので気心が計り知れないところがある点で、一定の距離間を持ったつながりが続くということでしょう。
 もっとも距離感を保つことはディメリットばかりではありません。距離感を取った付き合い方は淡い繋がりですが、「君子の交わりは淡きこと水の如し」と言いますから、メリットなのかもしれませんね。
 なお男の集いということで書きましたが、私が見たところでは女性の方は圧倒的に「今ここ派」が多いと思います。女性の方はバスツアーなどで初対面の人ともすぐ仲良くなることができるようです。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

民主党が強い州では感染者や死亡者は少ないが、雇用回復は弱い

2021年12月02日 | ニュース
 コロナ感染に関する海外のニュースを見ていると、欧米ではマスクをしている人が少ないことに驚くことがある。「感染予防のためにマスク位すれば良いのに」と思う人が多いと思う。日本では。私もそうだが。
 だが世界には違う考え方を持った人がいるということを理解しておいた方が良いだろう。賛成するか反対するかは別として。
 WSJにOmicron could widen blue-red economic divideという記事がでていた。
 コロナウイルスの変異株オミクロンが「青い州」(民主党が強い州)と「赤い州」(共和党が強い州)の経済格差を拡大する可能性があるという記事だ。
 民主党が強いカリフォルニア州やイリノイ州のコロナ感染率やコロナ死亡率は、共和党が強いフロリダ州やテキサス州より低いが、同時に雇用回復に代表される経済回復のペースが遅いことを記事は指摘する。
 日本の政策選択でも参考になるのは次の文章だ。
 The conventional wisdom at the start of the pandemic was that there was no trade-off between lives and livelihoods・・・but in the U.S., where infections and economic activity appear it be inversely related.
 「コロナ感染が始まった当初の伝統的な知恵は、命と生活の間にトレードオフの関係はないというものだった。保護的手段は感染を減少させ、経済的被害を最小にするというものだった。これは幾つかの国、例えば韓国や中国では真実かもしれないが、アメリカでは真実ではない。アメリカではコロナ感染と経済活動は逆相関関係にあるようにみえる」
 そして「筆者は命と生活の正しいトレードオフの関係はない。なぜなら人々が経済活動、個人の自由、健康に置く価値は異なるからだ」と断言する。
 筆者は日本がどちらの陣営に入るかは書いていないが、明らかに日本は命を重視する陣営だ。日本で正面切って経済活動の回復を重視してそのために感染が拡大することを容認するというと袋叩きにあうだろう。
 そもそも命と生活の間に逆相関関係があるということを正面切って議論することも難しいかもしれない。
 さて民主党の大統領であるバイデン大統領にとってはコロナウイルス抑制が重点施策だ。しかし経済活動が停滞するロックダウン政策は取りたくない。
 そこでワクチン接種率を高める政策を推進している訳だが、オミクロンに対して既存のワクチン効果が不透明なので接種に足踏みする人が多いという難問を抱えている。
 冒頭の「マスク位すればよいのに」に話を戻すと、マスクが感染防止上有効な手段であることは、アメリカの識者や保健当局が広く認めているところだ。だが一方マスクをしないということは、経済活動や個人の自由を尊重するということのシンボルになっているのかもしれない。感染者が増えても、経済活動を停滞させ、人々の生活基盤を破壊することは避けたいという主張のシンボルかもしれない。
 マスクには意外に大きな問題が隠れているかもしれない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする