昨日(11月30日)米国株は大きく値を下げた。原因は2つだ。
一つはコロナウイルスの新しい変異株オミクロンに対して、既存のワクチン効果が低いのではないかという懸念が高まったことだ。これはモデルナのCEOがフィナンシャルタイムズのインタービューで既存ワクチンの効果に懐疑的だと答えたことによる。このため昨日は米国市場が開く前にアジア・欧州で株価は大きく下げていた。
これを受けて米国株式市場も下げて始まったが、それを下げ幅を大きくしたのは、パウエル連銀議長が上院銀行員会の公聴会で「テーパリングの加速を検討するべきだ」と述べたことだ。
WSJによるとパウエル議長はprobably a time to retire the repeated characterization that inflation would be transitoryと発言したとある。
直訳すると「おそらくインフレーションは一時的なものだろうという繰り返し述べてきた評価を撤収する時期だろう」とパウエル議長は述べたということだ。
つまり実質的にはパウエル議長は彼のインフレに対する判断は間違っていたと述べたことに等しい。
まあ、過ちは誰にでもある。「過ちては改まるにはばかることなかれ」である。そこでパウエル議長はギャアチェンジの必要があると判断したということだ。
オミクロンによる感染拡大が懸念される一方、インフレ抑制のために、タカ派的政策に舵を切るということで、投資家はリスク回避に動いた訳だ。
だが経済実態は悪くないから、売りはオーバーリアクションだと言って売りに回らないファンドマネージャーがいることも事実。
そもそも米国株についてはS&P500のインデックスベースで今年2割は値上がりしているので少々の下げで慌てる必要はないと考えている人もいる。
さてその判断が正しいか、Selloffが正しいかはもう少し時が経過しないとわからないだろう・・・・