政府や自治体が高齢者向けのスマートフォン教育を強化するというニュースを時々目にします。
5月19日の日経新聞には「政府が今後5年間で1千万人の高齢者を対象にスマートフォンやマイナンバーカードの使い方の講習を行う」という記事がありました。記事には政府はスマートフォンを使えない高齢者が2千万人いると見ているとかいてありました。もっともこの数字は大き過ぎるでしょう。ある民間団体の調査では高齢者のスマートフォン普及率は8割近いということですから、それなりにスマートフォンを使っている人は政府が発表している数字より多いでしょう。
ただし「マイナンバーカードとスマートフォンを使って公的申請などを行っているシニアの数」ということになると決して多くはありません。ただしこれはシニア層にだけ問題があるのではなく、むしろ公的申請のメニューを十分準備できていない自治体に問題があると私は考えています。本当に必要な申請が自宅にいながらスマートフォンで申請できるのであれば、スマートフォン+マイナンバーの組み合わせはもっと拡大するでしょう。桃や李(すもも)は何もいわなくても美味しい実がなれば人は自ずから集まり道ができるものなのです。
政府が運営する行政サービスの入り口「マイナポータル」を使って私が住む西東京市の状況をチェックしてみました。
行政当局は下の赤〇を付けたサービスを「ぴったりサービス」にあげていますが、大部分のサービスは「申請書等書類をダウンロードできる」に留まっています。
電子申請が可能なのは「子育て関係」の限られたメニューです。これは利用者が多いと思われるところからサービスを始めたということで私は評価できると考えています。
高齢者が今のところ利用するサービスは「確定申告」と「年金情報の確認」が中心だと思います。スポット的にはコロナウイルス対策の「特別定額給付金」の申請などがありました。今後とも給付金等には利用される可能性があるのでマイナンバーカードとスマートフォンを持っている人は「マイナポータルへログイン」する練習を始めると良いと思います。
スマートフォンからマイナポータルにログインする手順は次のとおりです。
1.Playストア(アンドロイドの場合)からマイナポータルアプリをダウンロードする。
2.マイナポータルアプリを起動する。
3.利用者証明用電子証明書(4桁の数字)を入力する。
マイナンバー申請時に登録した4桁の暗証番号です。この番号を忘れて再発行するには自治体の窓口に行く必要があるので忘れないようにしましょう。
4.次にスマートフォンの背面にマイナンバーカードを押し当ててマイナンバーカード内の電子証明を読み取ります。
一連の作業の中でここが一番大変な作業です。というのはスマートフォンの機種やバージョンによってマイナンバーカードをあてる向きが異なるからです。機種毎のかざす位置についてはこちらのサイトなどを参考にトライしてください。
5.今申請する事項はありませんので、試しに年金情報をダウンロードすることにしました。
以上がスマートフォンからマイナポータルを使う方法です。マイナポータルはパソコンから使うこともできますがマイナンバーカードを読み込むカードリーダーが必要です。私は慣れの点で確定申告では「パソコン+カードリーダー」で行っていますが、マイナポータルに入るだけであればスマートフォンの方が早いですね。