欧米の金融界で今最大の話題になっている銀行のストレステストだが、そのストレステストの信頼性そのものがテストされている状況だ。
ファイナンシャルタイムズによると、テスト結果が「漏れ聞こえてくる」が、ドイツの銀行では不動産融資に特化していたハイポ・リアルエステイトがストレステストに不合格になるだけで、州立銀行(ランデスバンケン)は総て合格するという情報が流れている。
投資家とアナリストは91のテスト対象行の中で信頼できる数の銀行が不合格にならないとテストの信頼性そのものが疑われると述べている。
フランスとギリシアの銀行はFTにギリシアの国債に関するヘアカット率(担保掛け目)はドイツと英国の当局が私的見解として述べていた17%ではなく23%が適用されたと述べている。
しかし国債のヘアカットが適用されるのは、トレーディング勘定のみで、銀行が満期まで保有する自己勘定には適用されない。モルガンスタンレーによると、銀行が保有するギリシア国債の9割はヘアカットの影響を受けない自己勘定で保有されているのでヘアカットがストレステストに与える影響度はそれ程高くなさそうだ。
この問題を含めて今市場はストレステストそのものをテストしようとしている。