ニューヨーク・タイムズはグーグルがアンドロイドスマートフォン上で動くアプリケーションを簡単に作成するソフトウエアを月曜日に発表すると報じていた。このソフトウエアはGoogle App Inventor for Android http://appinventor.googlelabs.com/about/ と呼ばれる。記事によるとユーザテストは小学校6年生、女子高校生、コンピュータ工学を専攻していない大学生などを含む学生グループで行われてきた。
Do-It-Yourselfアプリの背景には「携帯電話が人々が一番頼りにするコンピュータになってきたので、ユーザが自分でアプリケーションを作ることができるべきだ」という考え方があるとグーグルは述べている。
このプロジェクトを率いているAbelson氏(MITのコンピュータ学者で特別研究期間制度を利用してグーグルに出向)は「ゴールはモバイルの世界で、人々を単なる消費者からクリエーターにならしめることだ」と述べている。
Abelson氏は「グーグルのこのプロジェクトはユーザ特に若い人々に多くの人がPCで行っているようにソフトウエアをいじくるシンプルなツールを提供することを目指している」と解説している。
記事は手作りのアプリケーションの一例としてインディア大学の看護師コースの学生が作成したものを紹介していた。それは携帯電話を持っている人が倒れた時に自動的にメッセージを送るか電話をかけるプログラムである。これは携帯電話が持っている「加速度計」を使って転倒を察知させ、メッセージの発信につなげるというものだ。
グーグルのアプリケーション作成プログラムは無料で入手することができるが、グーグルのGmailアカウントの登録が必要だ。そしてアンドロイド携帯とPCをUSBケーブルでリンクして、PC上でプログラムを作成し、携帯に読み込ませるというものだろう(まだトライしていないので詳しいことは分からない)。
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スマートフォンの覇権を巡って、グーグルとアップルは角を突き合わせている。日本でアップルが優勢だが、全世界ベースではアップルのシェア13%、グーグルのシェアが14%とグーグルが僅かながらリードしている。オープンなプラットフォームを標榜するアンドロイドが、ユーザ向けのアプリ開発ソフトを提供することはセールス上の強力な武器になりそうだ。
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米国ではワイヤレスでインターネットを利用するユーザが増えている。PewResearchの調査によると、パソコンからWi-fi経由でインターネット接続するか携帯電話からインターネット接続を行っている人の割合は59%だ。
グーグルの狙いは携帯電話(スマートフォン)をよりPCに近づけようという試みだ。
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私自身はこのソフトを使ってアプリを作るかどうか分からない(正確にいうと役に立つアプリを作ることができるかどうか分からない)。しかし一度はちょっと遊んでみたいと考えている。